マーザ・アニメーションプラネット(本社:東京都品川区、代表取締役社長:前田雅尚、以下MARZA)は2016年サンフランシスコで開催されるゲーム デベロッパーズ カンファレンス(GDC)において、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役会長:豊田信夫、以下Unity)と共同開発を行った「MARZA Movie Pipeline for Unity」を活用し、全編Unityでレンダリングされた短編映像作品『THE GIFT』(4月にウェブサイトでの公開を予定)の制作発表を行う。

この作品は、MARZAが得意とするハリウッドスタイルの3DCG映像制作ワークフローに、新たにUnityを取り入れ、先進的な技術を基盤とした画期的な映像作品となっている。これらの技術基盤を活用することにより、今までゲームエンジンでは表現が困難であった躍動感あふれる魅力的なキャラクターの動きや質感表現が可能となった。また既存のCPUを使用するプリレンダーでの制作と比較して、GPUを使用することにより圧倒的なレンダリングスピードを実現し、3DCG映像制作にとって革新的なワークフローを確立。

映像制作にUnityを活用することにより、映像制作手法を根本的に変えることに加え、ゲーム、VRなど様々なプラットホームのデジタルコンテンツ開発に対し、データの共有を含めた有効活用、制作ラインのプラットホームを超えて統合していくことが可能になり、デジタルコンテンツ開発全般におよぼすインパクトは計り知れない。MARZAは今後もUnityの協力のもと、今回のワークフローをさらに進化させて行くことを目指している。

■「MARZA Movie Pipeline for Unity」の主な機能

豊かなアニメーション表現の追及
・Unityと共同開発した「Alembic Importer」を使用
・豊かなアニメーション表現や高度で複雑なVFX表現をUnity上で再現

近代的な質感表現の導入
・キャラクターの肌を再現する「Skin Shader」
・キャラクターの瞳を表現する「Eye Shader」
・キャラクターの「毛」を表現する「Fake Fur Shader」

「Shot Scene」自動構築による映像制作効率の飛躍的な向上
・必要なデータ(Asset、Camera、Animation)が自動的にUnityに読み込まれ、即時に映像の確認が可能
・構築後のシーンに対する「Asset Update」にも対応

映像作品としてのさらなるクオリティアップのためにUnityからComposite Softwareへ
・Unityと共同開発した「FrameCapture」を使用
・GameViewをOpenEXR形式で連番画像ファイル出力
・RenderPassとして画像成分を分離しComposite作業を可能に

尚、今回の取り組みでは、「MARZA Movie Pipeline for Unity」として開発した機能のうち、重要な機能を一部Unityおよび3DCG映像制作の開発者コミュニティに還元することも目的のひとつとなっている。映像産業でのスタンダードなフォーマットであるAlembicのインポート/エクスポートやNUKE等でのポストプロダクションを意識したOpenEXR形式でのフレームバッファ・エクスポーターの機能は、MITライセンスにてオープンソースで提供しており、誰でも自由に活用することができる。

・Alembic Importe/Exporter
・FrameCapturer

■マーザ・アニメーションプラネット株式会社について

マーザ・アニメーションプラネット株式会社(以下、MARZA)は、セガのCGアニメーション開発部門を原点とした、セガサミーグループのCGアニメーションスタジオ。2009年にセガのCG映像制作事業を分社化した以降、長編作品のCGアニメーション制作に力を入れており、自社内での制作設備と体制を整えている。

2013年に公開された長編CGアニメ―ション映画『キャプテンハーロック』では、国内外の様々な賞を受賞するなど、MARZAのCG映像制作技術は国内外から非常に高い評価を受けている。現在は、米国ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントとの共同製作である長編映画『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を製作中。MARZAは日本で唯一のグローバル市場をターゲットに置いたCGスタジオとして、新技術や映像表現に積極的に取組み、世界を見据えた事業展開で最高のエンタテインメントを届けていく。

<MARZA代表作品>
■長編映画『キャプテンハーロック』
【受賞歴】
・「VFX-JAPAN アワード2014」劇場公開アニメーション映画部門最優秀賞
・「国際3D 協会 ルミエール・ジャパン・アワード 2013」グランプリ
・「3D CREATIVE ARTS AWARDS」外国アニメーション映画部門最優秀賞
■長編CG 映画『バイオハザード』新作(現在製作中・2017年公開予定)
■長編映画『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(現在製作中・近年公開予定)
■短編映画『ムーム』(2016)制作
■短編映像『Sonic Night of the Werehog~ソニック&チップ 恐怖の館~』
■長編映画『暗殺教室』(2015)一部VFX 制作
■長編映画『日本のいちばん長い日』(2015)一部VFX 制作
■リアルタイムCG 映像『HAPPY FOREST』
【受賞歴】
・ 「VFX-JAPAN アワード2016」先導的視覚果部門 最優秀賞