Objet Ltd.(以下、オブジェット)は、39 種類の新しい複合材料の追加によって、3D プリンタ業界で初めて、対応可能な造形材料を 107 種類に拡大したことを発表した。ユーザーは、様々な質感(硬質の材料からゴムライクな材料)、耐久性(標準的な産業用プラスチックから ABS レベルの産業用プラスチック)、さらには透明度(透明から不透明)やグレースケールの色合いなどをそなえた計 107 種類の造形材料から選択することが可能になった。
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■ 発表概要

オブジェットが提供する 107 種類のマテリアルのうち 90 種類は、主要なオブジェットの造形材料を組み合わせて合成される複合材料 Digital Material(以下、デジタルマテリアル)だ。デジタルマテリアルが実現するリアリズムによって、設計者、デザイナー、各種メーカーは、材料特性のシミュレーションを正確に行い、求める最終製品に限りなく近いデザインを実現することが可能となる。また、マルチマテリアル 3D プリント・システムの Objet Connex シリーズ を使えば、硬質/軟質、不透明/透明な造形材料など、単一のモデルで最大 14 種類の材料を組み合わせることができ、さらに新たに追加された 39 種類のデジタルマテリアルを利用しても造形することができるようになった。

オブジェットの CEO デイビット・ライス(David Reis)氏は、次のように語る。「39 種類の新しいデジタルマテリアルの追加によって、オブジェットは 100 種類以上という造形材料数の壁を突破した史上初の 3D プリンタ企業になりました。ほんの数年前には造形材料数が半分であったことを考えると、造形材料の選択肢がここまで増加したことは、材料特性を強化し、新しいラインナップを提供し続けるというオブジェットの方針に沿っているといえます」

この新しい造形材料は、デザイン業や製造業など、事実上業界の垣根を超えて利用することができる。また、形状モデル、勘合試験、機能試験など、製品のプロトタイピングプロセスのあらゆる段階での活用が可能だ。

さらに、オブジェットは材料に関する強化事項を2点発表した。新しく強化されたオブジェット硬質ブラック材料(Objet VeroBlackPlus) は、多目的のラピッドプロトタイピングアプリケーションで、強化された寸法安定性と滑らかなモデル表面を実現。また、オブジェットが 2011 年にリリースした、産業用プラスチックの高耐熱機能性を提供する高耐熱材料は、すべての Objet Connex、Objet EdenV 3D プリンタ、および新しい Objet30 Pro Desktop 3D プリンタで使用できるようになるという。

シャワーヘッド

オブジェットのピュアクリア材料のほか、オブジェットの黒いゴムライクのデジタルマテリアル(ショア 40)を内部に使って 3D プリントされたシャワーヘッド(ドイツ Ideal Standard 社、CG 提供)

自動車エアコン組付け部品

オブジェット高耐熱材料で 3D プリントされた、自動車エアコン組付け部品

キーボード

オブジェットのピュアクリア材料およびオブジェットの硬質ブラック材料、2つのデジタルマテリアルの組み合わせで 3D プリントされた、PC キーボード



■ オブジェットのデジタルマテリアルについて

・オブジェットのデジタルマテリアルは、Objet Connex 3D プリント・システムによって生成される、多面的な複合材料だ。デジタルマテリアルの主な目的は、個々の材料にはない全く新しい特質を備えた材料を新しく作成するために、別々の材料特性を持った2種の材料を組み合わせること。

・オブジェットのデジタルマテリアルは、システムにインストールされているカートリッジベースの2種類の材料に基づいて、オンザフライで生成される。

・Objet Connex シリーズは、2つの樹脂材料を同時にプリントして、90 種類のデジタルマテリアルを作成することが可能。17 個のカートリッジベースの単体材料をこれに加算すると、107 種類のマテリアルと複合材料の組み合わせから自由に選択できるようになる。

※詳しくは 公式サイト



■ オブジェットについて

(株)オブジェット・ジャパンの親会社であるオブジェットは、高品質かつコスト効率の高いインクジェットベースの 3D プリンタ システムとその造形材料を提供する企業。グローバル企業であるオブジェットは、北米、ヨーロッパ、日本、中国、香港およびインド各地に拠点を構えている。

オブジェットの 3D プリンタと造形材料は、3D ソフトウェアやその他 3D コンテンツを活用した製品の製造や設計に携わる企業に適したソリューション。オブジェットのソリューションを活用している企業は、消費財、家電、航空宇宙や防衛、自動車、教育、歯科/医療/医療機器、建築、工業機械、フットウェア、スポーツ用品、玩具、サービスビューロなど、様々な業界にわたっている。

1998 年に設立されたオブジェットは、フォーチュン 100 社やフォーチュン 500 社の数多くの企業を含め、世界中で何千もの顧客を擁している。数々の受賞歴(8年間で計 13 回)を持つその高い技術は、出願中のものも含め 110 を超える特許を受けている。

その高度な 3D プリンタ システムと 100 を超える様々な造形材料を使用することにより、例え複雑に組み立てられた最終製品であっても、その外観、感触および機能を正確にシミュレーションできるプロトタイプを作成することができる。マルチマテリアル 3D プリンタである Objet Connex シリーズは、世界唯一、2種類の材料を同時噴射する技術を採用。これにより、ユーザーは複数の材料をプリントして1つの部品を作成したり、様々なモデルを同一のビルドトレイ上でプリントしたりすることが可能となっている。ユーザーは、高度な複合材料や、ユニークな機械特性および耐熱性を備えたデジタルマテリアルを作成することもできる。オブジェットの 100 を超える造形材料を使用して、様々なショア硬度や色合いを持つ、硬質からゴムライク透明から不透明まで、さらには標準的な産業用プラスチックから ABS ライクの産業用プラスチックまで、様々な特性のシミュレーションを行うことが可能だ。

オブジェットの 3D プリンタでは、3D プリンタを使い始めたばかりのユーザー向けであるコスト効率の高いデスクトップ 3D プリンタから、最前線のデザイナーやトップメーカー向けの業務用マルチマテリアル 3D プリンタまで、様々なラインナップを取り揃えている。これらオブジェットの 3D プリンタは、16μm の超薄積層に基づく業界最高水準の解像度を誇る 3D プリント品質を実現しており、かつ同 3D プリンタ対応材料の種類は多岐にわたっている。さらにはオフィスでの使いやすさ、および簡単な操作という特徴も兼ね備えた、エントリーレベルからプロフェッショナルまで広範なユーザーに、そして様々なシーンに適したソリューションとなっている。

※詳しくは 公式サイトへ

■ 関連 URL

・(株)オブジェット・ジャパン
 http://jp.objet.com
・オブジェットブログ
 http://blog.objet.com