ブラックマジックデザインは、無償版「Fusion 8」のパブリックベータを発表した。「Fusion 8」は世界最先端のビジュアルエフェクト/モーショングラフィック作成ソフトウェアで、パブリックベータ版は現在Blackmagic Design Webサイトからダウンロードできる。今回の発表は無償版「Fusion 8」のベータで、Mac OS XおよびWindowsに対応している。
■ 「Fusion」について
有償の「Fusion 8 Studio」のベータはステレオスコピック3Dツールなどにも対応しており、複数ユーザーのワークグループや大規模なスタジオ向けに設計されている。こちらも近日中に発表される予定。既存の「Fusion Studio」ユーザーももちろん無償版「Fusion 8」のパブリックベータをダウンロードし、今日から使用を開始できる。今回のパブリックベータは、これまでWindowsでしか使用できなかったFusionにとって、初めてMacと互換性のあるバージョンとなる。「Fuison 8」がMacに対応したことで、これまで以上に多くのユーザーがハイエンドのビジュアルエフェクトを使用できるようになった。モーショングラフィックアーティスト、ブロードキャストデザイナー、映像編集者、ビジュアルエフェクトアーティスト、3Dアニメーターなど、無数のクリエイターたちにFusionの扉が開かれたのである。さらに、Mac版とWindows版のFusion間ではプロジェクトを簡単に移動できるため、ユーザーは自分の好きなプラットフォームで作業できる。これで、MacまたはWindowsを使用するすべてのユーザーが、ハリウッド最高峰のアーティストたちが愛用するハイエンドのビジュアルエフェクトツールを利用できるようになったのだ。
Fusionを長く利用しているユーザーは、NABで「Fusion 8」が発表されて以来、インターフェイスの多くの点が改善されていることに気づくだろう。よりモダンになったソフトウェアの外観は、Fusionユーザーたちに愛されるはずだ。またFusionのエンジニアチームはビジュアルエフェクト業界と協力して現在も作業を続けているため、今後もさらなる改良点が追加される予定だ。「Fusion」はハリウッドの主要なビジュアルエフェクト/モーショングラフィックツールのひとつであり、過去25 年に渡って何千本もの劇場映画やテレビ番組で使用されてきた。主要な作品に『マイティ・ソー』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、『ハンガーゲーム』3部作、『ホワイトハウス・ダウン』、『GALACTICA/ギャラクティカ』などがある。
Fusionは、ノードベースのパワフルなインターフェイスを搭載。洗練されたビジュアルエフェクト合成を驚くほど簡単に構築できる。ノードは小さなアイコンで、エフェクト、フィルター、他のイメージ処理操作を表示。ノード同士をあらゆる順番で接続することで、無制限のビジュアルエフェクトを作成できる。ノードはフローチャートのように論理的に配置できるため、ユーザーはフィルターやエフェクトを含む複雑にネスト化したレイヤーを探し回る必要がない。タイムラインベースのアプリケーションと同様、Fusionで作成するプロジェクトでは、ノードをクリックするだけで確認・調整が可能だ。
数多くの内蔵ツールで構成されるツールセットは、キーイング、オブジェクトのトラッキング、ロトスコープ、画像のリタッチ、タイトルのアニメート、高品質なパーティクルエフェクトの作成などに対応。これらすべての作業を真の3D ワークスペースで実行できる。Fusionは3Dモデル、ポイントクラウドデータ、カメラからの読み込みにも対応。さらにMaya、3ds Max、Lightwaveなどから3Dシーン全体を読み込み、他のエレメントとシームレスにレンダリングできる。ディープピクセルツールを使用すれば、ワールドポジションパス使って、霧や光のボリューメトリックエフェクト、レンダーしたオブジェクトの反射のマッピングを追加できる。つまりユーザーは、優れた大気効果を作成して、数秒でレンダリングできるのだ。
「Fusion 8ではMac OS Xに対応すると発表してから、多くのクリエイターたちから非常に大きな反応が寄せられました」と語るのは、Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏。「これが、アニメーターやデザイナー、ビジュアルエフェクトのアーティストたちが大変長い間待ち望んでいたものです。FusionはもともとWindows専用にプログラミングされていたため、Macへの移植は簡単なタスクではありませんでした。私たちのエンジニアリングチームは休むことなく努力を積み重ね、Fusionのコードベースを部分的に書き換え、Mac上で完璧に機能する新バージョンを完成させました。また、Windowsバージョンも改良されました。無償版Fusion 8がMacおよびWindowsに対応したことで、これまでよりも多くのユーザーに使用していただけます!」。
■ 「Fusion 8 Studio」について
「Fusion 8 Studio(Mac/Windows/Linux)」は$995。パブリックベータ版は近日ダウンロード開始予定。「Fusion Studio」は、無償版のすべての機能に加え、高度なオプティカルフロー画像解析ツールを搭載。ステレオスコピック3D作業、リタイム、スタビライゼーションなどに対応。また「Fusion Studio」は、サードパーティのOpenFXプラグイン、無制限の分配ネットワーク・レンダリングにも対応。さらに複数ユーザーのコラボレーション作業を管理する「Generation」も搭載しており、大人数のチームで複雑なプロジェクトを手がけている場合でも、複数のユーザーがショットをトラッキング、管理、確認できる。「Fusion 8 Studio」のパブリックベータ版は近日発表予定。既存の「Fusion 7 Studio」ユーザーはBlackmagic DesignのWebサイトから無償でダウンロードできる。
■ 関連 URL
・「Fusion 8」
https://www.blackmagicdesign.com/au/products/fusion
・ブラックマジックデザイン
https://www.blackmagicdesign.com/jp