HTC VIVEは、米国ラスベガスにて開催されたCES2019にて、VR体験を刷新する新しいハードウェアとサービスを発表した。アイトラッキングが標準搭載された新しいヘッドセット「VIVE Pro Eye」では、VIVE ProによるハイエンドVR体験がさらに向上する。さらに、HTCがグローバルで運営するVRアプリストア「VIVEPORT」は無制限のサブスクリプションプラン「Viveport Infinity」をアナウンスし、すべての良質なコンテンツへのアクセスをいつでも可能とする。さらにHTCはアクセスのしやすさ、使いやすさを追求した新ヘッドセット「VIVE COSMOS」向けの開発者キットを公表。「VIVE COSMOS」と同時に発表された「Vive Reality System」では、空間コンピューティングの時代にVRがどのように視えるべきかを再考する。
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■「VIVE Pro Eye」

プロフェッショナルのVRユーザーの要望に応えるべく開発された「VIVE Pro」は、アイトラッキング標準搭載の新しい「VIVE Pro Eye」となり、注視するだけで選べるメニューや、コントローラーを不要とする新しい操作性をユーザーに提供する。アイトラッキングはビジネスユーザーやコンテンツ開発者に対して、研修環境でのより多くのデータ収集や、PCやVR環境のパフォーマンス最適化、プロダクトデザインやリサーチグループでのより精緻なフィードバックなどを提供する。CES2019の会場ではメジャリーグベースボール(MLB)による「Vive Pro Eye」のアイトラッキングデモが展示された。アイトラッキングは「MLB ホームランダービー VR」というゲーム体験に組み込まれ、既存のコントローラーなしでメニューの選択が可能になる。また、日本市場ではバーチャルキャスト社によるVisrtualCast Enterprise版が既に「VIVE Pro Eye」に対応しており、VIVE Pro Eyeを装着したユーザーの視線やまばたきがVRM対応アバターの視線やまばたきと自動リンクすることにより、より自然なアバター表現が可能となっている。なお、同機能は今後、一般配布を行なっているVirtualCast Consumer版にも適用を予定している。

■「Viveport Infinity」

Viveportのサブスクリプションサービスへの過去最大のアップデートもアナウンスされた。VR向けとしては世界初の無制限サブスクリプションサービスとなる「Viveport infinity」では数百のコンテンツに無制限でアクセスすることができる。2019年4月5日のVIVE Dayより、Viveport Infinityのライブラリより500以上のタイトルを無制限でダウンロードし、遊ぶことができる。この無制限サブスクリプションモデルではユーザーが数十万円分のコンテンツを購入することなく、ヒットタイトルからインディータイトルまで、様々な新しい体験を発見する機会を提供する。Viveport Infinityは新旧のVIVEデバイスだけではなく、Oculus RiftやVIVE Waveに参加している他社デバイスからもアクセスすることが可能だ。

■「VIVE Cosmos」

「VIVE Cosmos」はVIVEの最新のVRヘッドセットとなる。快適な装着感、簡単なセットアップと使用方法により、いつでもVRにアクセスすることができる。外部のベースステーションが不要のため、VIVE Cosmosは家と外出先の両方で使用できる柔軟性があり、ゲーミングPC以外からも接続することができる。VIVE Cosmosは完全に新しいVR体験となる「Vive Reality System」を使用する最初のVIVEヘッドセットとなる予定で、開発者キットは2019年の早い時期に提供される予定。詳細や価格などは本年後半に公表予定だ。

■「Vive Reality System」について

HTCのクリエイティブ・ラボはヘッドセットを装着した瞬間からコンテンツを操作するまでのユーザー体験を完全に変える「Vive Reality System」を公表し、VIVE Cosmosが最初の採用デバイスとなる。このプロジェクトの一環として、Mozillaと共同でVIVE専用のVRブラウザ「Firefox Reality」を発表した。VIVE Cosmos向けには今年後半に配信開始となり、その他のVIVE製品でも体験が可能となる予定。