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第37回:雪

第37回:雪

ジェットスタジオ「リファレンス動画の模写」をテーマに、3ds Maxとプラグインを活用したフォトリアルなエフェクト制作法について詳しく解説する本連載。Web版第2回となる今回は、「雪」をテーマにお届けします!

TEXT_近藤啓太(JET STUDIO
EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura

季節外れのテーマ「雪」に挑戦

立秋を過ぎて暦の上では秋ですが、蒸し暑さはフルスロットル状態の今日このごろいかがお過ごしでしょうか。そんな季節にWeb版第2回で挑戦するテーマは「雪」です。日本では冬の風物詩の中でも最もポピュラーな自然現象ですが、どういったメカニズムで雪が降るのか詳しく説明できる人は少ないのではないかと感じ、この場を借りて今一度ちゃんと調べてみようと思ったのが挑戦のきっかけです。

作例では雪の降るシーンを制作し、STEP 1では雪がつくられるメカニズムをイラストを用いて説明します。STEP 2と3ではシーンの雪に関わる部分の制作方法を紹介し、作例の雪の表現をみなさんでも再現できるようになっています。少々季節外れのテーマではありますが楽しんでいただければ幸いです。

さて、私事ではありますが9月13日(水)に今までの連載をまとめた書籍「イラストでわかる物理現象 CGエフェクトLab. 」を発売いたします。連載から厳選したテーマをさらに見やすく、一部加筆を含めて掲載。さらに購入特典には書籍掲載テーマの制作シーンが全てダウンロードできるパスワードも付いていますので、ぜひこの機会にお買い求めください!予約はこちらから。

主要な制作アプリケーション
・Autodesk 3ds Max 2016
・FumeFX 3.5.5
・Adobe After Effects CS 6.0

STEP 1:「雪ができるしくみ」を考える 〜雪を調べてみた〜

雪は昇華によって形づくられた水蒸気の集合体

STEP 1では雪ができるしくみを説明していきます。本誌205号に掲載の連載第13回で紹介したテーマ「雨」の中でも説明したように、雲は主に上昇気流によって空中にもち上げられた小さな水の粒によって形成されています。この雲が温度0℃~-40℃の大気中まで上がると「氷晶」といわれる非常に小さな氷の結晶がつくられます。氷晶は周囲の水滴を取り込んで大きくなっていき、ある一定の重さになると落下します。この氷の粒が溶けずに地上に降ってきたものが雪といわれています。

ちなみに氷と雪は同じものだと思われがちですが、この2つにはつくられるプロセスに大きなちがいがあります。氷は水など液体が固体状態になったものに対し、雪は気体が液体を飛び越えて固体化する現象「昇華」によってくっつき大きくなった氷晶のことを指しています。ともに水分子からできていること、触ると冷たいことなど大きな特徴は同じなだけによく勘ちがいされているようです(もしくはあまり気にされていないのかも...)。


STEP 2:「白い煙」を考える 〜空気中に漂う白い煙を再現する〜

煙の正体は水蒸気が凝固し水滴となったもの

STEP 2では空気中に漂う白い煙を制作します。<1>雪が降るような気温の環境では空気中に漂う水蒸気が一気に冷やされるため、水滴となって白いモヤのように見えます。寒い日に息をハーッと吐くと白い煙が出るのも上記の現象と同じです。さて、この白い煙を再現するにはお馴染みのFumeFXを用います。

まずは発生源を<2>のように配置し、スペースワープ[Wind]で風向きを設定します。ランプを衝突判定用オブジェクトとして適用し、下準備ができたらFumeFX内パラメータを調整していきます<3>。主に[X,Y,Z Turbulence]、[Turbulence Noise]で煙の質感や動きを、[DissipationMin.Temp]、[Dissipation Strength]で煙が拡散するスピードを調整していきます。水蒸気が水滴に変化したことで体積が増えたため、白い煙はその重さによって少しずつ下へ下がっていくのが見て取れます。これは[Temperature]の[Amount]を<3>のように-値にして煙が下方向へ移動していくようにしておきます。レンダリング結果は<4>です。

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STEP 3:「雪の動き」を考える 〜雨とのちがいを意識する〜

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