>   >  画龍点睛:Vol.120 夏祭
Vol.120 夏祭

Vol.120 夏祭

夏から秋の季節の代名詞とも言える「お祭り」。自粛ムードが続く今年は、全国的にお祭りを控えたり、様々な取り組みを試行錯誤したり、新しい世界に合わせて進んでいます。世の中が少しでも良い方向に向かいますように。

※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 266(2020年10月号)からの転載となります。


TEXT_早野海兵 / Kaihei Hayano(画龍)
EDIT_三村ゆにこ / Uniko Mimura(CGWORLD)

Method 1:雰囲気もの

本連載では「お祭り」や「和」を感じさせるモチーフを何度も制作してきました。こういったモチーフを制作する際に大切なのは、モデルやシーンをつくることよりも、雰囲気や空気感をつくり出すことです。まるでその空間にいるかのようにノスタルジックな雰囲気に入り込める、そんな数値上計測できない表現も画の魅力のひとつでしょう。さて、今回のモチーフ「夏祭り」は、今年の本連載のコンセプトを「和クリエイティブ」にしようと考えていたときから決めていました。ただ、「ご時世的に3密の画は避けるべきか」という懸念を発端に、「しかしお祭りはだいたい3密」→「風情や情緒を感じる日本の奥ゆかしい美の表現をしたい」→「わびさび、夕暮れどき、橙、提灯、神社、香り、人の気配、佇み」→「最近注 目しているRTのテストもしてみたい」→「大量のオブジェクトをいかにロジカルに設計するか」などなど、社会的な側面を配慮しつつも和と美を感じさせる画づくりを目指しました。


Method 2:提灯


▲まずは和の組木細工をつくっていきます。組木細工は三角を基調にした構成が多いので、ポリゴンに向いていますね。


▲基本的なポリゴン編集機能の組み合わせで、様々な模様を作成していきます。


▲最後にラインに変換して枠にします。


▲提灯は骨組みからつくりましょう。丸い形の提灯ではなく四角い形の提灯にしました。単なる好みの問題です(笑)


▲ねじれているモデリングは難しいですが、フリーハンドだとクシャッとした表現がつくりやすいです。


▲組木模様も入れて一丁あがり!

Method 3:ゼネラリストの強みを活かしたシーン作成

1:パーティクルでつくるパターン


▲効率的にバリエーションのある文字テクスチャを制作するにあたって、文字をとりかえてみます。氏名でよく見かける文字を選んでみました。


▲パーティクルでランダムに文字要素を並べて様々なパターンを作成。面白い名前もできます。


▲並べるとなかなか壮観ですね。少しずつでもテクスチャがちがうと、自然なランダム感が演出できます。


▲提灯を繫げるロープはこれです。電球の線も兼ねているので複雑に作成。


▲たくさんあるからこそ、少しずつずらすひと手間が活きてきます。


▲微妙なアングルを何度も模索。最終的には子供の目線の少し下からのアングルに。


▲実はリアルタイムでレンダリング。10倍以上速い......。


▲レンダリングしたままの明るい画像。このような「光りもの」は後から光を締めていった方が調整しやすいです。


▲グレアと現実色を追加。

2:カラコレ&被写界深度


▲カーブでカラコレします。


▲最後に被写界深度を入れるとぐっと現実感が出ますね。これは参考にした写真がどれも被写界深度が綺麗でした。

次ページ:
Road to Generalist ゼネラリストになりたい! 17