3DCGの活用が一般的になった建築業界において、昨今ではBIMモデルをVRで直接見たいといった需要が増えてきているという。そのようなXR時代に差しかかった建築業界へのソリューションとしてNVIDIAが提示するのがOmniverse XRだ。ここでは、CGパースとVRコンテンツを事業の柱とする積木製作に、Omniverse XRとHMD「Varjo Aero」を用いた検証を実施してもらった。
Omniverseの持つ「時短ツール」としての価値に期待
ーーまずは自己紹介をお願いします。
杉村:積木製作 3Dビジュアライゼーション部門ビジュアライザー/一級建築士の杉村知昭と申します。本日はよろしくお願いいたします。
杉村知昭氏
株式会社 積木製作
3Dビジュアライゼーション部門ビジュアライザー/一級建築士
ーー積木製作は3DCGを活用した高品質なビジュアライゼーションやパース制作に定評がありますが、主な事業内容を教えてください。
杉村:当社は、建築現場で起こり得る労働災害をVR上で再現するソフトウェアの開発などを行なっている「XR部門」、3ds MaxやMayaを活用して建築物のパース制作などビジュアライズを担当する「建築ビジュアライゼーション部門」、そしてBIMを活用した「建築BIM」の3部門にわかれています。それぞれが3DCG制作を含む業務内容となっています。
ーー建築分野における3DCG活用が一般化して久しいですが、杉村さんのお立場から、最近のトレンドなどを教えてください。
杉村:建築業界を取り巻く状況として、3DCGがデザインの各段階で多用されていることに間違いありません。主な用途は、仕上げの色や材質を含めた設計資料として社内利用する目的と、対クライアント向けの合意形成を目的としたフォトリアルな3DCGの2通りがあります。ファブリケーションの際に図面ではわかりにくい部分を3DCGで起こしたり、BIMをVRで見てみたいという要求に応えたり、とにかく需要は高まっています。「VRが建築業界に必要か」というそもそも論はありつつも、われわれとしてはクライアントから求められれば応える義務がありますし、最近の潮流であることは間違いありません。
ーー建築に実際に使用するものと合意形成に用いるもの、異なる用途でそれぞれ3DCGが必要というのは納得感があります。
杉村:もうひとつ、時代のながれとして「ツールの多様化」があります。私は2007年頃アメリカの建築事務所に所属していましたが、当時からBIMを用いて竣工した試験的な建物があり、CADチームをBIMチームに編成し直してトレーニングをするというケースもありました。その後、2009年頃がBIM元年と言われていたでしょうか? ここ10年ほどでBIMを用いた建設が大手企業でもスタンダードになりつつあります。今は設計図面をつくるための情報量が多いRevitモデルとRhinocerosやGrasshopperなどを併用する時代になっていて、1本のソフトウェアだけでやっていくのは難しい状況です。
ーーそのあたりは一般的な3DCG制作とも結びつく部分がありますね。ツールをまたいだ制作が一般化しているため、必要な知識量が増えている感覚があります。
杉村:既存のワークフローの課題で言えば、ビジュアライゼーションを行う際にモデルを再構築する手間が多いのが問題です。パースをつくるときにモデルを作り直したり、BIMインポーターなど別ツールを使う必要があったり、ゲームエンジンの知見が必要だったり、とにかく「3Dモデルがあるから、そのまま簡単に描画できる」というわけではないんですよ。その意味では、いろいろなツールに対応していて、かつリアルタイムにレンダリング可能なOmniverseは時短ツールとして活用ができるのではないかと、期待をもって動向を追っていました。
ーーOmniverseに興味をもった背景などを詳しく教えていただけますか?
杉村:ツール間のハブになるという部分や、リアルタイムレイトレーシングによるVR視聴が可能な点、そしてパストレーシングの高品質かつ高速なレンダラを内包するなど、個人的に気になるポイントがたくさんあったことと、直感的に「USDが建築業界に合うのではないか」という期待がありました。高層タワーなどデータサイズが肥大化する建造物においては、モデルをお互い参照し合ってできる限り軽くつくるというノウハウがあります。「USDは参照構造でできている」という部分に親和性を感じました。また、建築関係ソフトウェアのプレビュー機能の代替となる強力なビューワとしての期待感もありました。
Omniverse XRによる前処理なしのレイトレースが建築デザインを加速する
ーーOmniverseの建築業界向けの機能や活用方法について、改めてNVIDIA側からご説明ください。
田中:NVIDIAの田中秀明です。建築業界のXR活用という話題がありましたので、まずは昨年11月に公開したOmniverse XRをご紹介します。これはOmniverseアプリケーションのひとつで、2022年4月からβ版として提供しています。現在はフリー版のクリエイター向けOmniverseで、無償で試すことが可能です。Omniverseは、様々な3Dアプリケーションを使用する複数のユーザーが共有されたUSDファイルを共同作業することができます。1人が行なった変更は全てのユーザーに即時的に反映されますが、ここにデザインコラボレーションとしてVR/ARのプロセスを取り入れることができます。もともとOmniverseは3DアプリケーションをOmniverse CreateまたはViewでリアルタイムにリンクしてプレビューすることが可能ですが、これにVRがつながるという感覚ですね。
ーー具体的にはどういったユースケースが想定されるのでしょうか?
田中:Omniverse XRの特徴は、「前処理なしでレイトレーシングを使用しUSDステージをVRで直接表示」できるという点です。例えば、実際に設計をしている途中でも、最終的なビジュアライズ品質でリアルタイムにプレビューすることが可能になります。ヒューマンスケールの変更も可能ですし、XR入力の記録/再生も可能です。
ーー設計段階でVRを利用する場合も、クライアント提案レベルのビジュアライゼーションで確認ができるというのは、イメージがつきやすいという点で有利ですね。
田中:SteamVRベースのHMDとタブレットをサポートしているので、これに準ずる環境であればすぐにお試しいただけます。iOS/AndroidタブレットによるAR表示も実現しています。また、フォービエイテッド・レンダリング(視界の中心部を詳細に表示し、周囲を低解像度で表示する手法)などの新しい技術にも対応しているので、様々な使用例があるのではないかと思います。また、建築や建設関連で使われる点群データのE57やCADなどの3Dデータのインポートにも対応しています。まだβ版ということもあって実例はないですが、かなり広くテストをしている状況ですね。ドキュメントもありますし、無料でダウンロードできますので、ぜひお試しいただけると嬉しいです。
ーー今回、杉村さんには検証としてOmniverse XRをセットアップしていただきましたが、そのときの感想をお聞かせください。
杉村:インストール自体は一般的なソフトウェアと同じであるため、非常に簡単です。1台のPCで作業をする分にはまったく問題なくセットアップできると思います。ただ、マルチPCで作業する場合は他PCのNucleusサーバを参照する必要があり、ローカルIPを指定するなどの操作は必要になります。このため、相応のITリテラシーが必要です。注意点として、USDが2バイト文字に対応していないため、この点は把握しておく必要があります。また、マルチPCの場合はそれぞれOmniverseをインストールするので、ある程度のスペックは求められると思います。
田中:実は、Nucleusサーバ自体にはGPUは必要ありません。Omniverse XRというコンポーネントが最もスピード的にシビアだと思いますので、重い作業や描画に耐えうるPCにOmniverse XRを、逆にもう少し安価なGPUのPCでRevitやGrasshopperを使うなど、どのPCで何の作業を行うかで分けるとセットアップがやりやすいかもしれません。
パストレーシングの速度とクオリティに感動! Omniverseが切り拓く新たなワークフロー
ーー今回はOmniverseの検証を、広視野角が特徴のHMD「Varjo Aero」を用いて行なっていただきました。まずは検証の意図を教えてください。
杉村:大きなテーマとして、「DCCツールのハブとしての機能検証」「リアルタイムレイトレーシングによるVRプレビュー」「パストレーシングのレンダリング品質の検証」の3つがあります。前半は1台のPCでのテストで、リアルタイムレイトレーシングを用いたVRでの見え方がどの程度のクオリティかをチェックしました。3ds Max、Rhinoceros、Grasshopper、RevitがインストールされたPCにOmniverseとNucleusをインストールし、各プログラムがコネクトされている状況で作業をしています。後半はマルチPCを想定した検証で、それぞれOmniverseをインストールした3台のPCでUSDを編集し、更にOmniverse XRで確認するといった検証を行なっています。
ーー検証に用いたPCについても教えてください。
杉村:今回はBOXXのワークステーション AMD Ryzen Threadripper Pro, RTX A6000 x 2, メモリ64GBという極めてハイスペックなPCをお借りして検証しました。こちらと併せて、普段業務で用いている第12世代Intel Core i7搭載マシン(GPUはRTX 3070)と、ラップトップ機としてIntel Core i7, RTX 2070 Super, メモリ16GBの3台を用意しました。スペックも良い感じにグラデーションになっていると思います。
ーーRTX A6000が2枚というのは普段あまり使う機会のないスペックだと思いますが、BOXXのワークステーションについての使用感はいかがでしたか。
杉村:とにかく、VRAMが48GB、NVLink構成だと合計96GBというのは驚異的ですよね。最近は街丸ごとのサンプルシーンなどもありますが、ラップトップでは1時間待ってもまったく開く気配のないレベルのシーンでも5分程度で開くなど、とにかくメモリの多さによる性能アップが著しいと感じました。
ーーありがとうございます。それでは、検証結果について教えてください。
杉村:検証はOmniverse上で3Dモデルのルックを確認する目的の初期と、RTX A6000とRTX 3070の性能比較を目的とした中期、そして3台のマルチPCでコラボレーションしながら、さらにVarjo Aeroでモニタリングを行う後期の3フェーズに分けて行いました。検証初期では、BrownStone DemoやRandom Boxをはじめとする各企業のサンプルシーンや、当社が3ds Maxで作成したTsumiki Demo ModelなどをOmniverse Create上に展開し、プレビューの結果を評価しました。
「BrownStone Demo」はRTX A6000が2枚でも読み込みに5分ほどかかりましたが、木の映り込みや屋根の反射などは非常になめらかで素晴らしい見心地でした。続いて「Autodesk Sample」では、Revitからエクスポートしたデータを確認しましたが、エクスポートにはほぼ時間が掛からず、データシンクも「家具を動かしたらすぐに反映される」という快適さでした。総じて、Revitとの連携はレスポンスが良い印象です。
「Tsumiki Demo Model」は300万ポリゴン、約450MBと重いデータですが、これも1分以下でエクスポートできました。3ds Maxで作成した一部のマテリアルが有効になっていないなどのトラブルはありましたが、とにかくエクスポートから実際にOmniverse Createで確認できるまでのスピード感に驚きました。
Grasshopperの「Random Boxes」は、雁行した谷にRCの住戸ユニットを積木のように積み上げて構成したシーンで、ノードを繋ぎ変えた際のプレビュー速度が極めて高速だったことに驚きました。通常、こうしたフォトリアルな結果を得るためにはレンダリングを待たなくてはいけませんが、ほぼリアルタイムと言っていいスピード感でした。「Random City」はスクリプトで自動生成した都市モデルで、1つの街区を4つにランダムに分割しています。こちらはライティングを200個ほど入れて反射を確認したのと、半自動的なランダムのビルをレンダリングしましたが、これもかなり早いタイミングで絵を見ることができました。検証の初期段階としては、これらのレスポンスの速さに本当に驚かされましたね。
ーー総じて、各ツールからのエクスポート/Omniverse Createへのインポートは高速で終わっていると。ここまでスムーズだと、純粋にビューワとして見た目の確認をするだけでも価値がありそうです。続いての中期ですが、こちらはパストレーシングでのレンダリング結果の評価になるかと思います。解説をお願いします。
杉村:中期は、軽いものから極めて重いものまで、4つのシーンを用意して検証しました。SCENE 1はOmniverseロゴに使われている輪のイメージをベースに、一部に捻りを加えて庇を斜めに張り出すデザインとして作成したシーンで、Rhinoモデルを読み込んでOmniverseでマテリアルを割り当てたものです。RTX A6000では4K解像度を10秒ほどでパストレーシングレンダリングが完了しました。RTX 3070では、解像度を1,280×720まで落とすことで、11秒で表示させることができています。Varjo Aeroでチェックしたところ、金属光沢や水の反射は非常に綺麗で、一般的なHMDにありがちなPixelの粒感や網目状の見え方はほぼ視認できませんでした。
SCENE 2は、Omniverseのアセットを配置しただけの森のシーンです。これだけで2億5千万ポリゴンありますが、RTX A6000であれば13秒でパストレーシングが完了しました(RTX3070は1 280×720解像度に落とした上で14秒)。このシーンではパストレーシングもレイトレーシングもあまり品質に差はなく、シーンによってはわざわざ待ってまでパストレーシングをしなくても良いのではないかと感じました。ちなみに、Omniverseのアセットを配置しただけと言っても、かなりクオリティの高い森ができているのがわかると思います。このようなハイクオリティなアセットが用意されているのもポイントだと感じました。
続いて、ガラスの透過表現などを多分に含んだシーンを用意しました。さすがにVarjo Aeroで見るとfpsが落ちてしまい、本来のスペックが発揮できませんでしたが、それでもHMD上でガラスの反射などが視認できるのは驚きました。なお、このシーンはガラスの透過が多いため、パストレーシングのサンプル数を多めに設定しています。64だとざらついたので、512まで上げた結果、RTX A6000は4K解像度で250秒、RTX3070はサイズを小さくして110秒ほどでレンダリング結果を確認することができています。
最後のSCENE 4ですが、これはリアルタイムライトを5,400個程度仕込んだ事例です。さすがにシーンデータが巨大すぎたのか、リアルタイムレイトレーシングでは1fpsかつライトとガラスの反射が出ず、VR視聴は難ありでした。パストレーシングはRTX A6000が280秒、解像度を落としたRTX 3070が310秒ですが、数千のライトも綺麗に表示されていました。
ーー制作されたシーン自体がハイクオリティということもありますが、それにしても素晴らしいレンダリング結果だと思います。
杉村:クオリティもさることながら、このパストレーシングのスピード感は本当に驚きです。SCENE 4のように、5,400個という相当数のライトを仕込んだシーンも数分待てば見ることができたり、雰囲気だけであれば一瞬でプレビューできたりというのは、従来のレンダラでは考えられないことです。Omniverse Createでは、それが可能なのが本当に素晴らしいと思いました。
ーー続いて、後編の検証について教えてください。マルチPCによるコラボレーションの検証ということで、シーン構築も解説いただけますでしょうか。
杉村:まずはGrasshopper+Revit+Omniverse XRでシーンを制作してみました。このシーンでは、右側のガラスボックスをRevitで制作し、左側は前述のGrasshopperで作成した「RandomBoxes」を使って制作しています。両方をUSDで出力したものをサブレイヤーとして挿入し、ライブリンクしています。ファイル更新のたびに2,3秒の再描画が行われるため、VRで視聴するのはなかなか難しいものがありました。ただ、作業中に気づいたのは、Grasshopperのデータ構造が汚いと負荷がかかるということ。データ構造をFlattenで1つのメッシュにすると動作が改善する場合もあったので、これはTipsとして覚えておきたいところです。
続いて、Grasshopper+Rhinoceros+Omniverse Createで捻りのある20階ほどのタワーを制作しました。台形を複数組み合わせて積み上げた平面形状を手がかりに3次元に立ち上げたもので、内部構造はまったく考えておらず、外観だけのモデルです。こちらのモデルはマテリアルのみOmniverse Createで設定しています。このワークフローでは、Omniverseの上位レイヤーでマテリアル設定を行うと、もとのモデルを編集した時にマテリアルが追従します。例えば、Rhinoceros上でタワーにツイストを加えてあげても、マテリアルが設定されたままねじれてくれます。これの凄さは、ライティングなどをフルで入れた状態で、タワーの最終出力を見ながらプレビューし、更にそれをほぼリアルタイムに編集できるところにあります。
ーーこのワークフローを業務で使う場合、どういった利点があるのでしょうか。
杉村:最終的なルックを確認しながら編集ができるということは、クライアントとの合意形成において有利に働きます。開発者以外はフォトリアルな結果でないと判断ができませんし、ラフなモデルではなかなか完成イメージがもてません。クライアントと一緒にレンダリング結果を確認しながら、例えばこのタワーであればねじれ具合を小刻みに調整していくなどを行うことで、意匠設計の合意形成がさらにやりやすくなるだろうと感じます。
ーー今回検証に使用したVarjo Aeroについて、使用感を教えてください。
杉村:重量は487gと一般的なVR機器と比べてほぼ同等の取り回しを実現しながらも、ハイスペックを実現したモデルです。装着感については、調整機能やHMDのサポート部分が柔らかく、負荷を感じにくいバランスになっていると感じました。頭の頂点と後頭部に締め具合を変えられるアジャスタがついていて、サイドでもサポートの角度を変えることができます。また、被るたびにアイキャリブレーションを行なってくれるのも素晴らしいと思いました。「見る」ということに対してこだわりを感じる、手厚い仕様だと感じます。
ーーVarjo Aeroは、業界最高の解像度を備えていることが特徴です。見え方については先ほどからも言及がありますが、改めて全体的な感想をいただけますか?
杉村:一般的なHMDにありがちな網の目状の粒子がほぼ見えないので、非常にクリアかつなめらかな見た目です。先ほどから良いことばかり言っているので、一点気になるところで言うと、フォービエイテッド・レンダリングの場合、解像度が低い(視線の端側)部分に強いコントラストがあったり、エッジがあると若干ゆらめくような感じはありました。とはいえ、視点はまっすぐ見ることがほとんどなので、そこまで気にはなりませんでした。
ーーOmniverseとの接続など、セッティング面はいかがでしたか。
杉村:気をつけるべきは、ベースステーションとコントローラが付属していないことです。今回私はHTC VIVEのベースとコントローラをそのまま流用して使用しました。インストールはインストーラを起動した段階でしっかりガイドしてくれるので、まったく問題ありませんでした。
ーー詳細に検証いただいて、ありがとうございました。最後に、杉村さんからは「これからの建築業界におけるOmniverseの価値」を、田中さんからは「NVIDIAとしての展望」について教えてください。
杉村:パストレーシングによる画の美しさと、マルチツールでのコラボレーション機能は非常に優秀ですが、それ以上に3ds Maxの重いデータが即時にレンダリングできることや、Revitの表示部分のみのエクスポートが可能である点など、とにかく大規模データのハンドリングの良さが大きな価値となるでしょう。従来は3Dデータだけあってもすぐに綺麗な画が出せるわけではありませんでしたが、Omniverseを使えばVRコンテンツ制作の煩雑さを大幅に削減できる可能性があります。建築に限らず、プロダクト開発において、開発途中に綺麗な画を低コストで出せるというのは本当に画期的です。今後、さらにUSDの旨味のような部分を検証していきたいと思っています。
田中:より広範囲なCADデータに対応するCADインポーターの提供も予定しています。このことで、CADデータのインポートからVRで確認するまでのながれが一気通貫型になりますので、さらに建築業界での活用が広がってくれることを期待しています。また、今回は登場しませんでしたが、例えば配管の位置などのデータをもっていれば、ARを活用することで壁の中身まで見ることができます。Omniverseの開発スピードは速く、クリエイターの皆さまにとっては次々と新機能をお楽しみいただける状況になっていると思いますので、今後ともぜひ検証をしていただけると嬉しいです。
TEXT_神山大輝
PHOTO_大沼洋平
EDIT_藤井紀明(CGWORLD)
INTERVIEW_池田大樹(CGWORLD)