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昨今の映像では、本物と見紛うばかりのフォトリアルな3DCGが注目を集めやすいが、可愛いキャラクターがコミカルに動く2Dのアニメや動画にも、CGはふんだんに活用されている。今回は、そういったカワイイ系のキャラクターアニメを得意とするウサギ王に、ワークスタイルや制作のこだわりなどを聞くとともに、導入しているマウスコンピューター製デスクトップPCの魅力を語ってもらった。
子どもを持つ母親も快適に働ける自由度の高いワークスタイル
CGWORLD(以下、CGW):まず、会社設立の経緯を教えてください。
うもとゆーじ氏(以下、うもと):自分は元々、大手ゲーム会社やデザインスタジオなどで働いていたのですが、フリーになって2000年頃から夫婦で活動するようになりました。そこから、スタッフを2人雇うぐらいの規模感になったのですが、そのスタッフが若い女性だったからでしょうか、親御さんから「ちゃんとした会社でないと不安」と言われてしまいました(苦笑)。それがきっかけで、2008年に「ウサギ王」として法人化したというのが大まかな経緯です。ちなみに、「ウサギ王」というのは、私の本名が“兎本(うもと)=ウサギの本”からきています。
昨今の案件としては、可愛いキャラクターモノのショートアニメーションを依頼されることが多くなっています。また、モデリングなどの一部作業は外部の腕利きアーティストさん達に助けていただいていますが、それ以外のキャラクターデザインや脚本・コンテから最終納品まで、制作のほぼ全課程を弊社で担当。TVや映画のコンテンツはもちろんですが、そのほかにも演劇の劇中映像や着ぐるみのデザイン、さらには店舗やイベントブースのデザイン・設営まで、出来る事は何でもやるようにしています。
CGW:社名の由来はちょっと意外でした。一方で、依頼される案件に可愛いキャラクターモノが多い理由は何なのでしょうか?
うもと:私が昔から「カワイイ系やキャラクター系が好きだった」というのが大きいと思います。ゲーム会社などに勤めていたときもそういったテイストの作品を手掛けてきたこともあり、フリーになってからもそういった方面の案件で声をかけてもらうことが多くありました。そんな流れから、徐々にカワイイ系をメインで手掛けるようになったという感じですね。ちなみに、現在スタッフは17名いますが、女性比率が圧倒的に多いのは、やはり手掛けてきたコンテンツの影響が大いにあると思いますよ。
ウサギ王 ディレクター うもとゆーじ氏
2008年に妻のウモトサチコ氏とともにウサギ王を設立。テレビ・映画コンテンツの3DCGや脚本監督を手掛けるほか、東京工芸大学や和光大学の講師としても活躍する。
CGW:女性が多いということで、勤務体系や職場の環境に何か特徴はあったりしますか?
うもと:出社自体はとくに強制ではないのですが、住宅補助もあってスタッフはみんな職場の近くに住んでいるので、独身の人はほぼ出社しています。また、スタッフの当番制ではありますが、弊社では昼と夜にみんなの食事を提供しているので、それを当てに出社している部分も少なからずあるのかもしれませんね(笑)。あと、労働形態もわりと自由なので、昼過ぎに来て夜遅くまで働いている人もいます。与えられた業務をしっかりこなしていれば平日に休んで休日に出社するのも自由ですし、遅く出社して早く帰ったり、在宅でのリモートワークでもまったく問題ありません。
一方で、子どもを持つ母親のスタッフは、午前中に出社して夕方に帰るケースはよくありますし、リモートワークも上手く活用している感じです。子どもがいると急に帰らなければならないケースも多々ありますし、逆にいえば子連れでの出社もOKです。そのほか、ペット同伴もありなので、かなり自由度高く働けると思います。
CGW:確かに、そこまでの自由度は、他ではなかなか見られないと思います。そこまでする理由は何かあったりするのでしょうか。
うもと:あまりきつくし過ぎるとADHDの自分が無理なんですよね(笑)。経営者としてスタッフに気持ちよく、そして長く働いてもらうためには、「誰にとっても無理のないルールづくり」をした方が良いと思っています。
これは作品づくりも面でも同様で、クオリティは「最低70点クリアが大前提。80点行けば優秀」といったイメージを持っています。一球入魂で全力投球するやり方はもちろんありますが、自分としては持続して働けるような体制を用意することの方が大事だと考えています。ただし、その代わりといっては何ですが、納期は“絶対厳守”です。
活き活きとしたキャラの動きや軽快なテンポの絵コンテを心がける
ウサギ王 リードアニメーター・監督 赤羽祐香氏
ウサギ王 アニメーター・演出 宮下麻緒氏
CGW:スタッフのみなさんはどのような経緯で入社されたのでしょうか。
赤羽祐香氏(以下、赤羽):私は2014年の入社で、大学の求人を見たときに2D的なカワイイ二頭身のキャラクターに惹かれたのがきっかけです。また、仕事として「アニメーターの作業に携われる」という点もポイントでした。
宮下麻緒氏(以下、宮下):私は2019年に入社したのですが、元は別会社に勤めていて、出身大学の先生に声をかけてもらったのがきっかけでした。自分的にはCGやアニメーションはそれほど得意だとは思っていなかったので、「できるよ」と後押しされたのが大きかったですね。
CGW:直近で手掛けた作品は何でしょうか。また、制作でのこだわりや気を付けている点などがあれば教えてください。
赤羽:現在はAdobe Animateを使って新作のFlashアニメーションを作っています。また少し前ですが、漫画『コジコジ』のキャラクターを3DCGでテレビCM用に制作したこともありました。制作時に心がけている点は、クライアントから「うちに頼んで良かった」と言われるように高いクオリティで仕事を仕上げることでしょうか。あと、可愛いキャラクターを手掛けることが多いので、活き活きと動いて見えるように工夫を凝らしています。
宮下:私は現在、テレビ番組『お願いランキング』内で放映されている1分アニメで、日向坂46の丹生明里さんが原案に携わっている『みんなのまめお』を担当しています。ベースとなる絵をPhotoshopで描いてもらい、それを切り紙アニメーションとしてAfter Effectsで動かしているほか、背景はLightWave 3Dで作成して(こちらはうもと氏が担当)合成しています。この作品では絵コンテも自分が担当しているのですが、1分という短い尺の中に多くの内容を詰め込まないといけないケースが多くあります。だから、違和感なく軽快なテンポで進むように心がけていますね。
最優先するスペックは「メモリ容量」、「使い勝手の良さ」がマウスコンピューターの魅力
CGW:CG制作ではどんなツールを使っていますか。また、PC構成で重視するスペックは?
うもと:ツールは案件ごとにいろいろ使い分けているのですが、おもに3ds Max、LightWave 3D、Adobe Creative Cloud(After Effects、Photoshop、illustrator、Premiere Pro、Animate)、VEGAS Pro、SOUND FORGE Pro、Blender、ComicStudioなどが挙げられます。またスペックは、扱うコンテンツがほぼ2Dや2Dライクな3DCGででそれほど高負荷がかかりませんし、別途レンダーマシンも3台ほど用意しています。もっとも重視するのは「メモリ容量」。基本的に全マシン64GBを搭載させてストレスなく作業できるようにしています。あとはCPU→GPUといった順ですね。
CGW:幅広いツールの使い分けやメモリ最優先という点は、ウサギ王さんならではですね。そういった背景にあって、作業用PCには「DAIV」や「MousePro」、「G-Tune」などのマウスコンピューター製PCを多く導入されている理由は何でしょうか。
うもと:理由はいくつかありますが、まず挙げられるのは「使い勝手の良さ」です。そのほかだと、適度なサイズ感や移動に便利なキャスター付きといったデザイン面もメリットでしょう。
そもそも、弊社にはPCを管理するシステムエンジニアのようなスタッフがいないため、それぞれが使うPCのパーツ交換などは基本的に各自で対応してもらっています。例えばメモリ(あるいはGPU)の増設もそのまま女性スタッフにやってもらっている感じです。また、何らかの故障が起きた場合は、私が直せる範囲であれば対応するようにします。
そのような背景から、他社の特殊な構造をしたワークステーションよりも内部構造がシンプルでスッキリした構成のマウスコンピューター製PCは、とても扱いやすいです。誰にでも内部にアクセス出来てメンテナンス出来るいい意味での“ユルさ”は、ウサギ王のポリシーにも通じる相性がとてもいい部分なのかもしれません。
これに加えて、圧倒的な「コストパフォーマンスの高さ」も見逃せません。弊社の場合は極端にハイスペックなPCは必要ないので、20万円程度で必要十分な高性能デスクトップPCを購入できる点は大きな魅力です。また、減価償却の面でも助かる部分は大いにあると感じています。
ちなみに、PCの“価格”に対しては、用途を踏まえた見極めが必要になるポイントだと個人的に思っています。なぜなら大学で私が教えてる学科はPCが不可欠なのですが、PCの知識がない学生などは、よくわからないままに何十万円もするような最高級モデルを購入しているケースがあるからです。
もちろん、最高級モデルが悪いわけではありませんが、私としてはある程度のスペックを備えたコスパの良いモデルを数年単位でリプレイスして使っていく方が、何かと都合がいいと感じています。それだけに、PCは「決して安いものではないが“消耗品”だ」という考え方を講師として学生に広めていく必要がある考えています。
ウサギ王が導入したマウスコンピューター製デスクトップPCの機材構成
ウサギ王ではメモリのスペックを最優先にしていることから、すべてのPCで64GBを搭載。CPUはCore i7やCore i9など、導入時に購入できた上位クラスのモデルが選ばれている。一方で、CPUとGPUは導入時期によってスペック差があり、最新モデルと比較すると非力である点は否めない。ただ、別途用意されているレンダーマシンを活用することで「作業的には大きな支障はない」(うもと氏)とのこと。また、各スタッフは複数ディスプレイで作業しているが、「GeForce GTX 1660でも問題なく使えている」(うもと氏)そうだ。
現行機(その1)
- CPU
インテル Core i7-9700 プロセッサー(8コア / 8スレッド / 3.00GHz / TB時最大4.70GHz / 12MBキャッシュ)
- GPU
GeForce GTX 1660
- メモリ
64GB
現行機(その2)
- CPU
インテル Core i9-9900K プロセッサー(8コア / 16スレッド / 3.60GHz / TB時最大5.00GHz / 16MBキャッシュ)
- GPU
GeForce RTX 2070 SUPER
- メモリ
64GB
現行機(その3)
- CPU
インテル Core i7- 8700K プロセッサー(6コア / 12スレッド / 3.70GHz / TB時最大4.70GHz / 12MBキャッシュ)
- GPU
GeForce GTX 1060
- メモリ
64GB
問い合わせ
株式会社マウスコンピューター
TEL(法人):03-6833-1041(平日:9~12時/13時~18時、土日祝:9~20時)
TEL(個人):03-6833-1010(9時~20時)
https://www.mouse-jp.co.jp/store/brand/daiv/
TEXT_近藤寿成(スプール)
PHOTO_タケシタトモヒロ