2022年に7周年を迎えた大人気スマートフォンゲーム『アイドリッシュセブン』。毎年大晦日の恒例企画「BLACK or WHITE」が、記念すべき7周年に合わせ大規模に開催され、4グループが次々と新曲を披露した。リアルタイムでファンを巻き込み魅了した映像制作の舞台裏をお届けする。
※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 295(2023年3月号)からの転載となります。
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Information
会期:2022年12月31日(土)
出演アーティスト: ŹOOĻ、IDOLiSH7、TRIGGER、Re:vale
idolish7.com/campaign/2022blackorwhite
©アイドリッシュセブン CD:Arina Tanemura
2023年2月17日(金)にライブ配信した「CGWORLD Friday」では、本作のLIVE映像制作を手がけたダンデライオンアニメーションスタジオより、伊東 巧右平氏(アニメーションスーパーバイザー)をお招きし、本作のワークフローや、演出意図をどのようにアニメーションへ落とし込んだかなどたっぷり伺いました。記事と合わせてお楽しみください。
ファンと共に体験する「今」という時間
『アイドリッシュセブン』のファンたちにとって、大晦日の夜の音楽番組といえば「BLACK or WHITE」(以下、「ブラホワ」)が定番だ。2022年は記念すべきサービス開始“7”周年をユーザーと共にに共有するべく、当日20時より4グループが1時間ごとに登場しステージで新曲を披露し競う新たな「ブラホワ」が企画された。
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映像制作ではバンダイナムコオンラインの下岡聡吉プロデューサー、振り付けとモーションアクターコーディネートで本作に長く携わるソリッド・キューブ、そして2020年のアイドル誕生日企画の映像『RabbiTube』を制作したダンデライオンアニメーションスタジオ(以下、ダンデライオン)ら、信頼厚いスタッフが再結集。ディレクターの西田映美子氏(ダンデライオン)がそれぞれの楽曲や衣装のコンセプトに合わせて香盤を構成し、振り付け・モーション収録を行なった後に、絵コンテで演出を詰めアニメーション制作へと進んだ。
「今回はミュージックビデオではなく、あくまで“番組収録”ですので、スタジオ観覧のお客さんに目線を送ったり、手を振る仕草を入れることで臨場感を出してもらっています」(下岡氏)
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振り付けも従来通りの担当者が各アイドルの個性と成長を掴んだ上で撮影し、ソリッド・キューブが初担当するŹOOĻには新たな振付師を起用するほどの力の入れ様だ。
ソリッド・キューブ・原田奈美氏は「アイドルたちが“生で立っている”ことを求められました。現場では下岡さんや西田さんが振付師さんに対してアイドル自身にディレクションするように演出してもらいました。『RabbiTube』の経験もあり、作品として確固たる軸があるため、こちらからの提案に対してもブレのないお返事をいただけたので、安心して演出ができました」と話す。
リアルタイムの価値がさらに増す、エンターテインメントの現在。ファンと共に体験する「『今』という時間を楽しんでもらうためにチーム総力を挙げて挑んだ作品」と下岡氏は総括した。
<1>キャラクターモデル&リグ 〜表現力を増すための過去アセットのアップデート
「ブラホワ」に登場するアイドル16人のキャラクターアセットは、『RabbiTube』で使用したモデルをリファインしたものを使用している。体型を「華奢」「普通」「ややがたいよし(≒マッチョ)」と大きく3パターンに分け、素体がFIXした段階で「プロポーションリグ」と呼ばれるリグでそれぞれ部分的な調整を行う。
「素体で組まれたリグを使ってプロポーションを決めることにより、バーテックスとジョイントの位置関係を極力保ちつつウェイト等の流用が可能となる、キャラクターアセットの大量生産を行うためのシステムです。またモデラー側もコントローラでプロポーション調整を行うため破綻が起きずらくなるメリットもあります」(キャラクターモデリングスーパーバイザー・伊藤雅俊氏)
プロポーションリグによるバリエーション化
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シルエットを美しく見せるための手の改良
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キャラクター造形で最も工数をかけたのは髪の毛の部分。ルックとして重要なパーツなだけでなく、ダンスなど激しい動きにも対応できるようにサラサラのヘアをつくり上げた。その際、デザイン画を精査して、髪の毛の構造をフロント、トップ、ボトムなどに分類し、それぞれをグルーピングすることで動きに整合性をもたせていった。またシミュレーションエラーの原因となる、毛束同士の干渉も起こさないよう配慮している。
髪の構造とリギング用ツール
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「Generate cage」ボタンを押すと、Density、Division、Straightのオプションの値を基に、ウェイトを塗る用のケージ、ジョイントを生成するケージがそれぞれ作成される。Densityを増やした例 -
Straightにチェックを入れた例
本作でダンデライオンとしては初の試みとして、ワークフローの一部にUnityを採り入れてシミュレーションを行なっている。
まずはMayaでベースのアニメーションを作成。そのモデルを基にUnity用の変換アセット(UNTアセット)を出力する。これに対して必要な骨のみをベイクし、FBXで出力する(物理骨でSkinCluster変形する予定がないメッシュは全てAlembicとして出力)。その後、Unityでシミュレーションを行い、最良の結果をMayaにベイクする。
このほか、物理骨でのFKリグからSpline Pointリグへ1クリックで移行できるツールも作成した。以前はジャケットの裾等全てのセカンダリ用の骨がFKのみだったが、この機能を追加することによりリグもSpline Rig + FK等の選択肢が増え、アニメーターも自分の好みやカットによりどちらとも選択できるようになった。
<2>アニメーション 〜それぞれのキャラクター性をふまえた感情表現
本作はモーションキャプチャを使用しているため、アニメーション工程ではキャラクターの顔の整形、感情表現づくり、ボディのブラッシュアップ、モーションの修正などを行なった。各修正については細かな動きを付けた上で、そこからセルルックに適したCGにするため、キャプチャした画像に作画監督の長谷川早紀氏がペイントオーバーでレタッチを入れていった。
表情のブラッシュアップ
表情のブラッシュアップは、プライマリではターゲットとフェイシャルリグ、アングルターゲットで演出やキャラ性に加味したアニメーションを付け、ターシャリでAnimShapeを使用して作監修正を反映した形状にする
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修正にあたっては、ダンデライオン独自のスカルプトツール「AnimShape」を使用し、頂点ごとにフレーム間でアニメーションさせている。これによりターゲットとリグだけを使うよりもさらに細かい形状の補正が可能となった。
フルリモート環境でのリテイク作業
従来のアニメーションの作業では、アニメーターに対して実際に身振り手振りで伝える方法を採っていたが、フルリモート作業環境になった現在ではチェックバックもテキストとビデオチャットが主となり、細かいニュアンスなどの意思疎通が難しくなった。そのため、キャプチャした画像にiPadでレタッチを入れ、視覚的にもわかりやすい情報も合わせて共有した。「表情のブラッシュアップ」で触れた必要なアレンジや変更などもここで指示している
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特に注力して行なった箇所は、顔の周りや指のシェイプ。いわゆるCGらしい立体的に正確な形状に固執するよりも、作監修正の印象を再現するためにアレンジを加えることを重視したという。ただし、「2Dらしくしすぎると、フルコマで動いたときにライティングと形状が合わず、逆に違和感が出てしまうので、3Dとしても整えるようにしています」(アニメーションスーパーバイザー・松島有香氏)
ボディのブラッシュアップ
ボディの形状もアニメーションで大きく調整を入れている。CGのアセットでは可動域や筋肉表現が自由にいかない部分などをAnimShapeを使用し、フレーム単位でシェイプ調整を入れて整えていく。「トウマの腕などアニメーターがこだわった部分がファンの皆様から大きな反響をいただき嬉しかったです」(松島氏)
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また、ボディについてはリアルな筋肉表現を求められたため、「AnimShape」や通常のリグに加え「AutoMuscle」を仕込んで補正している。これは腕や足を曲げたときにそれぞれ曲げ具合によって補正がかかり、擬似的な筋肉を自動で盛り上げるシステムだ。
擬似的な筋肉表現
CGモデルにおいて筋肉表現は重要な部分で、ここに違和感が生じるととたんに人形のように見え、魔法が解けてしまう。表情以外にも腕や足を曲げたときの筋肉の動きが重要で、これらを自然になるように整える。全て手作業で行なうのはあまりに作業が煩雑化するため、手や足の動きに合わせ、実際の人間のように自動で筋肉が盛り上がる「AutoMuscle」と呼ばれる補助リグを組み込み、擬似的な筋肉表現を効率良く組んでいった
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感情表現については、「表情筋は脳に近い眉とから動くとか、口角が上がると下まぶたが下がるといった順番まで意識しました」(アニメーションスーパーバイザー・伊東巧右平氏)。加えて、各キャラクターが考えていることを想像して動きが付けられており、特に客席への意識の向け方、メンバー間の信頼関係や意思疎通など、生きた表情をつくることを心がけたという。
「 『RabbiTube』から関わってきたアニメーターも多かったので、あらかじめキャラクターの土台の部分を把握できていたことは大きなメリットでした」(伊東氏)
大きな演出変更への対応
モーションキャプチャは基本的に正面のカメラに向けて芝居をするため、演出意図通りに撮れない状況も発生する。TRIGGERの映像はそれぞれ画面に向けてアピールをする演出がポイントになっているため、手付けのアニメーション作業で変更を加えている。「キャプチャで撮った自然な動きの重力感から突然手付けになった印象にならないよう、気をつけて作業してもらいました」(松島氏)
Magica Clothによるシミュレーション
本作では揺れもののセカンダリアニメーションにUnityのプラグイン「Magica Cloth」を使用している。以下、担当したMOZOOによる解説。シミュレーションは設定を何度も変えながら結果の確認をくり返す必要があるため、スピーディな確認作業が重要だった。作業フローは、ボディモーションをUnityにインポートし、「Magica Cloth」でセカンダリ骨にシミュレーションをかけ、パラメータの調整を行う。Unity内でシミュレーション結果を骨に焼き付け、MotionBuilderへもっていき、そこで骨のアニメーションを編集する。3枚の布が重なっている箇所では、距離が近すぎる場合は布同士のコリジョンは諦め、ボディとの干渉判定のみとした。素材感、重さ、カメラから見た見た目の印象などを考慮しパラメータを調整。同じキャラの同じ揺れものでも、カットごとにパラメータを変えている
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<3>BG/FX/ルックデヴ&コンポジット 〜ユニットや楽曲の世界観ごとに構築した画面づくり
「ブラホワ」ではショーとして魅了するため、背景やエフェクト、ルックデヴ、コンポジットにも力を注いでいる。特に背景についてはユニットや楽曲の世界観に合わせ、いくつもの香盤を組んでいくため、見映えがするセットをいかに効率的に組んでいくかが重要になった。その際、全体の工数も考慮する必要があった。
LEDアートを模した玉すだれ
IDOLiSH7のステージは原案では中央に円柱型のプラネタリウムがあるというものだった。そこから発展させ、実際にチームラボが制作したアート作品をヒントにLEDライトによる玉すだれを制作した
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ŹOOĻのステージであれば後半にある激しいダンスシーンに注力するため、前半は動きを抑える代わりにコンポジットによる空間演出でインパクトの強い画面をつくっている。「照明などの光の演出は特に力を入れてコンポジットしました。具体的にはカメラの動きに合わせ照明の強弱をつけたり、照明の光がカメラをよぎった瞬間のまばゆさを強調して入れたりしています」(リードコンポジター・林田 透氏)
コンポジットによる空間演出
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Houdiniで作成した豊富なエフェクト
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キャラクターのルックデヴは、リードコンポジターがデフォルトコンポを作成して指針となる画を作成した後、量産を進めていく。質感調整においてはシェーダの調整やテクスチャの追加などを行い、ライティングの調整を施す。さらに、グラデーションなどコンポジット用マスクテクスチャを作成した後、ファーやヘアなど、ポリゴンではない特殊処理の作成も行う。
コンポジットスーパーバイザーの佐々木真美氏は「煌びやかな衣装デザインが多かったので、衣装についている宝石等の装飾品の質感にこだわりました」と語る。その後、太さや色といったラインの調整、エレメントを作成した後、AEで合成を行う。
豪華な衣装を強調したキャラクタールックデヴ
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VRay Hair Materialを利用 -
Re:valeの百と千。「アイドルを引き立てる宝飾品・アクセサリーが今回は多かったので、きらめきを加味しています。TRIGGERのファーについている真珠やRe:valeの衣装はめり込みが多く、調整が大変でした」(林田氏)
本作ではキャラクター数も多く、単純作業は内製ツールを使い効率化を図った。コンポルックチームのユニットリーダーが作成した、Maya上でのレンダーシーンビルドツール「Bistro」を使用することで同設定のシーン作成を効率的に進めたり、「renderSceneEdit」でレンダーシーン編集の調整を円滑に進めていった。
「今後、他のプロジェクトでも利用すること考え、汎用的に利用できるようにフィードバックをくり返しながら使い勝手を良くしていきました」(佐々木氏)。
制作をサポートした内製ツール群
レンダーアセットの量産・効率化を図るために、ルックデヴ用の各種社内ツールを利用している
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<4>演出 〜それぞれのグループと楽曲に合わせて綿密に設計
「Utopia」ŹOOĻ
ダークなイメージのŹOOĻにふさわしく、廃墟のようなステージに佇む4人のメンバー。虎於による聖なる存在への先制攻撃をきっかけに全員が動き出し、ステージへと向かう。悪しき者を排除する聖域の力が発動するも通じず、彼らが躍動する舞台へと化す。映像づくりのキーワードは「進化」。現状の檻を自ら壊して抜け出し理想郷へと向かう解放の過程を表現した。
背景の設計、廃墟から橋を渡ってステージへ
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演出ポイント① 悪党イメージの演出
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序盤で天井からのカメラが映す「坏蛋(ピンイン)」の文字。これは「悪党・ろくでなし」という意味。「彼らの憤りみたいなものを表現する文字があってもいいと思い、日本語だと直接的すぎるので中国語で表記しました」(西田氏) -
拡大画像
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演出ポイント② 聖なる力の発動と破壊
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サビのタイミングでŹOOĻの力によって檻が燃え上がる。「実際のライブでも表現ができるような、物理的に可能な演出を心がけました。この檻の光や炎はLED管の中にテクスチャの入ったものが流れているという想定です」(西田氏) -
聖域の蓮もまた瞬く間に燃やし尽くされる。ステージ下の鋭いサイバーな模様は虎於のムーブ同様、聖なる者を攻撃するイメージ
演出ポイント③ ド派手なステージの色遣い
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サビで歌うように、ステージが彼らのUtopiaであり、改めて客を前にしたステージングを見せる -
西田氏は「壊れて狂ったような色遣いにしてほしい」とコンポジットにオーダー。佐々木氏は「どこで止めても美しい画になるよう心がけました」と語る。色合いの調整にはファンアートからも刺激を受けたという
「YOUR RHAPSODY」Re:vale
トップアイドルRe:valeの優しい歌声に乗せて、王者としての風格を漂わせるパフォーマンス。冒頭からそれぞれの個性を存分に見せつつ、サビのタイミングで後ろのカーテンが開くと、蝶が舞い地球が現れ、2人のアンサンブルを見せる。キーワードは「夢の鍵」。開けた先には彼らの望む悠久の世界が開け、ありのまま2人でこれからも歩んでいくという演出を込めた。
背景の設計 スクリーン主体のステージ
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前半は悠久や生命力をイメージしており、序盤は水が豊かに静かに流れている。ステージ全体がスクリーンとなっているため構造自体はシンプル。悠久をイメージできるようなモチーフを採り入れたり、布を垂れ下げることで立体感を出している -
後半はバックの半円スクリーンにプロジェクションマッピングで2人が大きく映し出され、より見映えのするライトアップに。「“悠久”を象徴する様々な要素が会場に満ち満ちて、見えなくなる永遠の先までずっと続いていく。変化するのではなく、これからもずっと2人でやっていく強い決意があるという演出を考えました」(西田氏)
演出ポイント① 前半の舞台とカーテンが担う意味
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演出ポイント② ŹOOĻと対照的な悠久感
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鍵で開ける大事な何か」について、西田氏は「彼らはトップで揺るがない存在なので、それは物質的なものではなく、これまで来た道を信じてこれからも生きていくと解釈し、地球や大地、音楽(譜面)、光、風、愛(蝶)といったものが飛び出していく」イメージをつくり上げた -
会場に悠久の力が流れ出し、見えなくなる永遠の先まで続いていくという演出。真後ろから映すことで終点が見えないようにしている
演出ポイント③ 随所に見られる2人の個性と関係性
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ライブではあるが、常にお互いを気にしているような仕草を入れている。飾らないありのままの姿を見せる意図 -
サビ前に合流してハイタッチ。振り付けの際には様々な箇所で「もっと仲良く」とディレクションしたという
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歌い終えたときの互いの目配せ。ほかにもサビ中に逆アングルから視線を交わす仕草がある。「他の映像に比べ、キャラが素に近く、パートナーとの空気が心地良いと思っている雰囲気」(西田氏) -
最後のポーズでウィンクする百。ここにも彼の性格が表れている
「BE AUTHENTIC」TRIGGER
セクシー&ワイルドなイメージを持つTRIGGER。キーワードは「映画・ラブロマンス」だった。映画のように場面転換していく3階建てのセットの最上階。暗闇にセンターの九条天が立ち、ライトが灯ると八乙女楽、十龍之介が現れ次々と視聴者を魅了する。揃った3人は最下層へ。誰を選ぶのかと言わんばかりにアプローチした後、情熱的なダンスを見せステージは再び暗転する。
背景の設計 クジャクを モチーフにした映画セット
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演出ポイント① 随所に盛り込まれた映画的な要素
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天の衣装デザインは劇場支配人をイメージしていたことから、【劇場の開演前を思わせる演出】のシーンを構築した -
ハートを持った女性像の前で扉が閉まることで、「あなた自身だけではなく、あなたの心をも閉じ込めた」という演出
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演出ポイント② 三者三様のアプローチ
各々のやり方で画面の向こうにアプローチをかける動きは手付けで行われている。他のユニットの映像と比べて顔のアップが多く魅了するつくりが特徴
演出ポイント③ エロティックなライティング
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「TOMORROW EViDENCE」IDOLiSH7
IDOLiSH7のキーワードは「空の魔法」。冒頭から7人が勢揃いし、コンビネーションやソロを展開する。広い舞台にはLEDの玉すだれが垂れ下がり、楽曲の流れに合わせて夜空から朝焼け、昼の青空、そして雨模様へと変化する。サビでは七瀬陸らを乗せた飛行船が上昇し、段差を付けたステージングの最後に7つの星が流れる。最初から最後までキラキラしたパフォーマンスだ。
背景の設計 飛行船とプラネタリウム
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演出ポイント① 「空の魔法」の実現
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演出ポイント② キャラクター性の表現
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右の2人(逢坂壮五、四葉環)はMEZZOというユニットを組んでおり、ダンスの中でもその関係性を示す目線と表情が示されている -
玉すだれを使っているためキャラクターに環境光が反射している。また床面の映り込みについてリードコンポジターの五藤桂吾氏は「床の鏡面反射、すだれやモニタ、各キャラの色をかなり意識して作成しました。反射素材は通常はV-RayのReflectionで書き出しますが、今回はそれだけだと綺麗な鏡面反射にならなかったので、反射用の素材を追加するなど、コンポの調整がいつもよりも大変でした」と語る
演出ポイント③ こだわりのエンディング演出
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月刊CGWORLD + digital video vol.295(2023年3月号)
特集:アニメCGの現場 SPECIAL
定価:1,540円(税込)
判型:A4ワイド
総ページ数:112
発売日:2023年2月10日
TEXT_日詰明嘉
EDIT_藤井紀明 / Noriaki Fujii(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada