あなたにとっての“京都らしさ”とは?

京都の城や神社仏閣などの歴史的建造物を舞台に、メタバースのバーチャル世界とリアルがクロスオーバーする次世代型アートプロジェクト「NAKED GARDEN ONE KYOTO」。CyberAgentとのコラボレーションが実現し、CG ARTコンテストが開催された。コンテストテーマは、時代を経て、特有の文化と和の精神を継承してきた京都を表現すること。京都はCGクリエイションでどのように表現できるのか?京都らしい「かたち」と「うごき」二つの部門でそれぞれ競い、1次審査を通過した26作品について紹介する。
最優秀賞、部門賞は2月初旬にCGWORLD.jp と 月刊誌CGWORLD内にて発表予定。

記事の目次

    "うごき部門"1次審査通過作品一覧(順不同)

    『Hirano Shrine』:岩崎航輔 さん

    ●作品コンセプト
    2018年に台風により本殿が倒壊した平野神社。子供の頃から身近に通って遊んだりしていた神社で、修繕費用の寄付を募ってらっしゃると聞いて自分なりに何か出来ないかと思い作った作品です。

    ●使用ツール
    Blender, Nuke

    『34°59'56.9"N 135°46'16.1"E』:TOCHKA さん

    ●作品コンセプト
    芸妓、舞妓が消えゆく花街で骨が踊るループアニメーション。こだわった点としては、京都を拠点に活動するダンサー東野祥子さんの動きをスマートフォンによるモーションキャプチャで取得、VR上でスカルプティングを行ったモデルを使用し、生データと身体で3DCGアニメーションを作ろうと試みたこと。背景は、京都の花街「宮川町」の一角をスキャンした点群データを加工した。

    ●使用ツール
    Blender, Substance 3D modeler

    『四季庭(シキテイ)』:金原朋哉 さん

    ●作品コンセプト
    石庭、枯山水をモチーフにしています。本来動かないものを気持ちよく、動きをつけたらどうなるのか? といった自分への興味もあり、枯山水の動きには特に、こだわりました。四季折々の色の豊かさも付け加え、優しい雰囲気になるように気を付けています。



    ●使用ツール
    3ds Max, DaVinci Resolve

    『Gion』:今川真史 さん

    ●作品コンセプト
    祇園祭り、西陣織、鴨川など京都を代表するモチーフを、個人的に好きな京都の夏の夕立後の空に合わせて神々しい雰囲気で仕上げました。


    ●使用ツール
    3ds Max

    『TORII GATE YORU』:柴田製案 さん

    ●作品コンセプト
    深夜の夜詣TORII GATE。異世界につながりそうな予感のある世界を目指しました。


    ●使用ツール
    Blender, Unreal Engine 5, Twinmotion

    『GOJYU A』:柴田製案 さん

    ●作品コンセプト
    「AIが画像生成しそうな五重塔」をイメージしてつくりました。50本の五重塔。京都らしい「打ち水」が施された地面に映り込む、華やかな塔の姿を狙いました。碁盤の目の様に整列する50本の塔を横スクロールで狙います。

    ●使用ツール
    Blender, Unreal Engine 5, Twinmotion

    『京文化の躍動』:植木智也 さん

    ●作品コンセプト
    京都らしさとは文化であると考え、文化とは民衆の日常と非日常によって紡がれます。昨今それらの文化は閉じ込められていましたが、ようやく払われ、躍動し始め、心より楽しめるようになったことを表現しました。

    ●使用ツール
    Maya, Unreal Engine 4, After Effects, Premiere Pro

    『Arrange』:O.K. STUDIO さん

    ●作品コンセプト
    コンセプトは「古くからの京都の伝統と現代未来の京都の融合・変遷をCGを使って再解釈する」です。こだわったのは京菓子と着物帯で、京都の伝統ある文様と近未来でポップなイメージのタイプグラフィを組み合わせた点です。

    ●使用ツール
    Maya, Houdini, Cinema 4D, After Effects, Premiere Pro, Redshift, Photoshop, illustrator, Procreate, Adobe Fresco

    『栄枯盛衰』:ZuiyO さん

    ●作品コンセプト
    伝統絵画である襖絵に着目し、架空の襖絵の立体アートとその襖が開いた先をフルCGで表現しました。京都ならではの色合いや豊かな自然、扇子など、京都らしい空間に加え、華やかな中での侘び寂びや、時が流れゆく栄枯盛衰の美しさを3DCGならではの「うごき」で表現しました。

    ●使用ツール
    Cinema 4D, Premiere Pro, X-Particles

    『SWAY』:NauGhtEd さん

    ●作品コンセプト
    京都らしいシルエットの和服に、現実では再現が難しそうな服の素材や質感を表現しました。また、布の揺らぎを感じられるようなモーションにこだわりました。

    ●使用ツール
    Blender, Substance 3D Painter, Marvelous Designer, Premiere Pro

    『修学旅行』:Atsuya Yagi さん

    ●作品コンセプト
    京都の修学旅行をコンセプトに制作しました。想像していた旅行の計画とは裏腹に、楽しみにしていた修学旅行はまるで10秒感のようにあっという間に過ぎてしまった、という意味を込めて制作しています。

    ●使用ツール
    3ds Max, Cinema 4D, Blender, ZBrush, Substance 3D Painter, After Effects, Premiere Pro

    『手に取れるメタバース箱庭・大山椒魚のアニメ彫刻』:Helical Lab さん

    ●作品コンセプト
    メタバースや観光名所の風景を、動きのあるままにモノとして手に取れる「触れるアニメ」や「飾れるメタバース箱庭」として立体彫刻する事を目指している。本作「山椒魚のモーションデータ」は、3Dプリントしても同様に動作する独自Pyson配列の24コマ彫刻群となる。ワンモデルだが印刷後に回すと動いて見える。

    ●使用ツール
    Blender, 独自Pythonスクリプト, ミマキ3DUJ-553 3D Printer

    『光陰』:takao さん

    ●作品コンセプト
    シンメトリベースにすることで、アシンメトリをより際立たせ空間的な美を感じられるようにデザインしました。また、茶道や坪庭、紅葉、詫び錆びなど、自分が思う京都の良さを表現しました。

    ●使用ツール
    Maya, Blender, Substance 3D Painter, After Effects, Photoshop、SpeedTree、Megascan

    "かたち部門"1次審査通過作品一覧(順不同)

    『キツネ遊戯』:Atlas さん

    ●作品コンセプト
    「祭り」をコンセプトにした作品です。京都の神秘的な雰囲気を表現したく、色の配色、物の配置やライティングに拘りました。

    ●使用ツール
    Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Unreal Engine 4, Photoshop

    『いざない』:ZKI design 塩月卓也 さん

    ●作品コンセプト
    純朴な舞妓さんのかわいらしさと、日没とともに京都の街を包み込む艶かしい非日常との対比を、スケーラブルなデジタルアートのターンテーブルを通して表現した。門を境界として、2つのシーンを同時にモデリングし、俯瞰するのみの従来のターンテーブルにはない臨場感を試みた。

    ●使用ツール
    Blender, Davinci Resolve

    『明奏(めいそう)』:菊池摩耶 さん

    ●作品コンセプト
    京都の夜に灯った様々な明かりから悠久の時を感じ、ふと瞑想する時間をイメージして制作しました。

    ●使用ツール
    Maya, After Effects

    『日本初 層塔型天守 丹波亀山城』:丹波亀山城 城下町 復元プロジェクト さん

    ●作品コンセプト
    現在の京都府亀岡市に明智光秀が丹波統治の拠点として築城した「丹波亀山城」。その天守は日本初の層塔型天守ともいわれ、層塔型5重5階の大天守と2重の小天守が複合した複合式天守であり、城郭建築の歴史において大変貴重な天守です。その失われた天守を過去の資料や写真などを元に柱一本一本から建築手法も再現。城郭研究の専門家からも監修をいただき、当時のままの姿を忠実にCGにて再現しました。また、天守の外見だけでなく、天守の内部もご覧いただくことが可能です。

    ●使用ツール
    3ds Max, After Effects

    『鳳雛の一矢』:Hand to Mouse. さん

    ●作品コンセプト
    伝統からポップカルチャーまであらゆる文化を内包し、なお未来へ進化する京都を「通し矢」「寺社」「絵巻物」「キャラクター」などのエッセンスを交え、成長・躍動・進歩・未来を感じていただけるよう形にしました。

    ●使用ツール
    Blender, Marvelous Designer

    『茶盆に咲く五重の華』:三原 浩輝 さん

    ●作品コンセプト
    茶菓子の甘味を表現しつつ、雅さを損なわないライティングを重点において制作しました。

    ●使用ツール
    Blender

    『京都を想う』:山根豪太 さん

    ●作品コンセプト
    「京都とは」を考えた際浮かんだイメージを作成。京都の歴史と今とこの先をイメージして作成した着物を模したヒトがポイント

    ●使用ツール
    Blender

    『Ben and Yoshi』:akisacco さん

    ●作品コンセプト
    義経弁慶をモチーフに、人形劇をイメージしました

    ●使用ツール
    Blender, Nomad sculpt

    『ふしみのきつね』:のら さん

    ●作品コンセプト
    伏見稲荷大社の狐様をイメージして制作しました。二体の狐が見守っているような構図にしました。

    ●使用ツール
    Blender, ZBrush

    『SHOHAKU』:SAKI TAKEGAWA さん

    ●作品コンセプト
    コンセプト「盆栽のように変わらず永く栄える京都」
    盆栽の代表的な種類である「松柏」がタイトルの元になっています。こだわりのポイントは3点あります。

    ①京都らしい色、質感、形状

    ②懐かしくも新しい温かみのある光の表現

    ③OSMという地理情報から京都の街並みを立体化して配置
    SHOHAKUには京都が植物のように新しい芽が出てこれからも発展してほしいという願いが込められています。

    ●使用ツール
    Blender, Photoshop

    『”かたち”の引っ越し』:北村悠人 さん

    ●作品コンセプト
    遠い未来、京都の歴史は、場所が変わろうと、かたちを変え、その時代に合った生き方、在り方で受け継がれていくだろう。たとえ、世界が海に沈んでも。人類が居なくなったとしても。天空の島に引っ越すことになったとしても。京都を守る四神と共に。

    ●使用ツール
    Maya, Houdini, ZBrush, Substance 3D Painter, After Effects

    『五重塔』:FloorYUKA さん

    ●作品コンセプト
    日本の和風建築の美しさにある、繊細な造りと複雑な構造を魅力的に再現するために、組物の構造を理解し、造っていくことことに力を入れました。また、瓦を一枚づつ配置し、テクスチャも惜しみもなく使ったので、まばらな造形と色合いを表現することができました。

    ●使用ツール
    Maya, Substance 3D Painter

    『京都の舞妓さん』:MULBERI さん

    ●作品コンセプト
    京都らしい、ということで思い浮かんだのが舞妓さんでした。京都のクラフトマンシップを思いつつも、実際には使われないような布地を使って衣装の表現を楽しみました。

    ●使用ツール
    Blender, Substance 3D Painter, CLO, After Effects

    お問い合わせ

    KYOTO CG ART運営窓口(CGWORLD)

    MAIL:ad@cgworld.jp