>   >  鉛筆を使ったクイックスケッチでクリーチャーを可視化する方法を学ぶ
鉛筆を使ったクイックスケッチでクリーチャーを可視化する方法を学ぶ

鉛筆を使ったクイックスケッチでクリーチャーを可視化する方法を学ぶ

アーティスト:村上玲子/Reiko Murakami
http://www.reikomurakami.com

ここでは、シーン用のクリーチャーを作成する基本工程を見ていきます。マインドマップを使ったアイデアの作成から始め、次に、頭部とポーズを作っていきましょう。

「デジタルアーティストのためのスケッチガイドブック」より一部抜粋

アイデアを生み出す

スケッチブックにキーワードを書き出していき、クリーチャーのルックを想像しましょう。その後、デザインの中で浮かび上がるシンプルな疑問への答えを導き出します。疑問を出して、描きながら答えていきましょう。この段階では、自由に想像することが重要です。既存の考え方に縛られないようにしましょう。この段階の絵は、ディテールが少なめでも、解剖学的に正しくなくても問題ありません。アイデアを視覚化するために、手早くスケッチしていきます。





頭部のアイデアを練る

ここでは頭部のルックを考えていきます。リファレンスを探して、このクリーチャーにふさわしい頭部を決めましょう。私はいつも、クリーチャーの目的を忘れないようにします。今回は「捕食者」です。恐ろしい外観と攻撃態勢を見せなければなりません。彼はハンターなので、ウサギや馬のような草食動物の頭部は避けましょう。ここからが楽しくなるところです。動物の頭部をミックスして、どうなるかを見てみましょう!

[ポイント]シンプルに留める
ディテールを試していく際、シンプルに留め、横顔で頭部を描きましょう。円をベースにして、外に突き出した鼻・鼻口部・口先をさまざまな形状と長さで構築します。キャラクターの情報が増えてきたら、これらのデザイン要素を別角度に移すことができます。



ジェスチャーの開発と質感の追加

体の特徴を考えた後、犬のような頭部をもつ2足歩行のクリーチャーの仕様が適切だと判断しました。これでクリーチャー表現について考える準備が整いました。恐ろしい捕食者の姿勢を上手く表現する要素を考え、それらを探るために、いくつかのジェスチャーを手早く描いていきましょう。

ジェスチャードローイングでは、線の流れを維持することが大切です。これには多くの方法がありますが、私はどちらかといえば、内側から骨格のポージングを想像して描いていくのが好みです。最終的な姿勢とジェスチャーを決めるには、棒線画から始めても問題ありません。





01:ジェスチャーを描く

ジェスチャーラインと主なランドマークに着手し、キャラクターの動きを捉えましょう。まず、体の関節を探して軽くマーキングしていき、薄い線でそれらを繋ぎます。この時点でポーズが見え始めてきたら、上手くいっています。 濃く描かないようにしましょう。ここでは我慢して、すべてをできるだけ薄くマーキングします。内側から描いていることを忘れないでください。頭のランドマークを基にして、いくつかのつながった円を薄く描き、頭部の形状を形作っていきましょう。

02:肉づけをする

クリーチャーのポーズと全般的なルックに関するアイデアができました。では、骨格に筋肉をつけて、ディテールを作成していきましょう。ワイヤの骨組みに粘土を加えていくところを想像してください。全体像に関節のつながりを探す過程で結果的にできた鉛筆のマーキングのみ)。このような描き方に慣れていない場合、本物の動物やくと便利です。骨格の線の方向に沿って、流れるような鉛筆のストロークを入れます。これで、形らしきものができ上がります。

03:形状を作成する

消しゴムを使って線の内部をきれいにしていきましょう。また、部分ごとに暗くしていき、輪郭をはっきりさせます。この時点で、頭部にディテールを作り始めます。複数の目を加えると、ユニークなルックになるでしょう。このように、馴染みある部位の風変わりな組み合わせは、独創的な要素になります。クリーチャーの目のデザインでできることは他にもたくさんあります。たとえば、虹彩のない眼球にする(完全に黒、または白にする)と、意志疎通できない雰囲気や異世界感を演出できるでしょう。宇宙人や神のようなキャラクター・クリーチャーは、目が真っ黒/真っ白なことが多いです。このように、目を通常の数にしないことで、 クリーチャーに異様な感じが加わります。たくさんの目がある、あるいはまったくないホラー系クリーチャーを目にしたことがあるかもしれません。 今回のクリーチャーの目は、頭部に等間隔かつ、頭部表面の流れに沿った形で配置しています。

04:質感を加える

クリーチャーの体と頭部に形状とデザインを作成できたので、次はふさわしい質感とディテールを決める必要があります。最終ルックを決定する前に、少し模索してみましょう。まず、鉛筆を使った円形のストロークで、皮膚に斑点をいくつか加えつつ、影の少ない滑らかな皮膚を作ってみます。次に、体の輪郭に沿ってS字型に方向をつけてマーキングしていき、イエティのような体毛を試します。今度も体毛をつけることにしましたが、イエティの見た目よりさらに毛むくじゃらにしてみます。鉛筆で手早くマーキングをして、各部分が体毛で覆われている感じを出しましょう。このようなクイックスケッチでは、表面の流れに沿って短く素早いストロークを入れるだけで十分です。最終デザインでは、胸の部分を短い曲線のストロークで囲みました。筋肉などの曲線的な表面にまっすぐな線を描くと、その部分が平坦に見えてしまいます。



書籍情報

  • デジタルアーティストのためのスケッチガイド
    Beginner's Guide to Sketching 日本語版
    制作:3DTotal.com
    発行・発売:株式会社 ボーンデジタル
    ISBN:978-4-86246-336-4
    サイズ:210 x 279 x 18 mm (A4)
    価格:3,888 円(税込)
書籍のご購入はこちら

特集