[PR]

4K・8K対応が求められる中、CG制作環境も進化し続けている。はたして、国内の主要プロダクションはどのような価格帯で、どのようなスペックのPCを使用しているのか。誰もが気になるこのテーマについて、本誌ではマウスコンピューターの協力の下、「CGプロダクション年鑑 2018」掲載企業に一斉アンケートを行なった。その結果、興味深い事実が明らかになってきた。

アンケート概要

調査対象:「CGプロダクション年鑑 2018」掲載企業
調査期間:2018年7月13日(金)~19日(木)
調査方法:Webアンケート
回答社数:105社

PC単価、GPUなど 意外な現状が浮き彫りに

「日本のCG制作環境をつまびらかにする」ことを目的に、マウスコンピューターの協力の下、一大アンケートを実施した本企画。「CGプロダクション年鑑 2018」掲載企業に協力を依頼したところ、わずか1週間で105社の回答が得られた。回答いただいた企業群の分布状況は「CGプロダクション年鑑 2018」全体の分布とほぼ一致しており、日本のCG制作環境の現状が今回のアンケートで明らかになったと言えそうだ。

その結果「PC単価は20万円台が平均であるが、上下共に幅がある」、「GPUでGeForceとQuadroが拮抗」、「システムドライブで512GB~1TBが約6割」など、これまで知られていなかった、興味深い事実が浮かび上がってきた。CGプロダクションにとってPCは制作効率に直結する存在であり、かつ数年間で新調される消耗品でもある。設備投資における製品選定の指針にしてほしい。

Q1:業務内容のカテゴリは? ※複数回答可

  • 映画・TV・TVCM・アニメ・ゲーム・モバイルゲーム・パチンコ・パチスロと、CGプロダクション年鑑 2018に掲載されている企業傾向とほぼ同じ結果になった。業態を問わず、幅広い企業から関心を集めていることがうかがえる

Q2:従業員規模は?

  • 従業員数が30名以下の企業で約7割を占め、特に10名以下と20名以下の企業が中心であることがわかった。その一方で101名以上の企業からの回答が12%と第3位を占めており、大手からの関心も少なくないことがわかる

Q3:現在、最も多く使用しているPCについてお聞きします。価格帯(税込)は?

  • 平均値は「20万円以上30万円未満」だが、上下に振れ幅が大きい結果となった。「15万円以上20万円未満」もあれば、「30万円以上50万円未満」の層も厚いといった具合だ。ゼネラリストからスペシャリストまで、各社のセクションの厚みによって、機材選びにも差が出ていると言えそうだ

Q4:購入時に、重視した構成部品は?

Q5:最も使用しているPCのCPU、GPU、メモリは?

Q6:最も使用しているPCのストレージの種類と容量は?

PC購入時に重視するパーツについて、当初の想定通り「CPU派」、「GPU派」、「メモリ派」で分かれる結果となった。自由回答のコメント欄と併せて分析したところ、CPU派はレンダリング用途、GPU派はリアルタイムCG用途、メモリ派は全体的な作業効率重視と言えそうだ。もっとも、各パーツを具体的に見てみると、当初の想定を裏切る興味深い結果が浮かび上がってきた。CPUではCore i7派が主流だが、Xeon派が2割強と少なくないこと。またGPUではGeForce派とQuadro派が約半々という結果になった。近年GeForceの性能向上が著しいが、安定性などの理由からQuadroに一定の評価が集まっているといえる。メモリについては32GBが半数以上で、次いで16GBと64GBが同率という結果になった。

またストレージではSATA SSDが約半数を占め、6割以上のユーザーが512GBまたは1TBの容量を搭載していることがわかる。ここで改めて「重視パーツ」の結果を見ると、3番目に重視する構成部品で、「ストレージ」という回答が14%に増加している。ここから「できればストレージ容量を重視したいが、購入価格帯の上限が決まっている中で、優先度が下がってしまう」という背景事情が感じられる。いずれにせよ、現状の制作環境が如実に示された結果になったと言えるだろう。

平均価格帯とストレージ容量で意外な結果

今回の結果の中で最も意外だった点に、PCの平均価格帯とストレージ容量がある。プリレンダーに加えてリアルタイムCG用途が急増している点や、同じプリレンダーでも4K・8K対応が求められる点、VRやARといった新分野が拡大している点など、CGをとりまく市場は多様化が進んでいる。こうした中で、PCに一定以上の汎用性をもたせようとすると、自然と求められるスペックも高くなる傾向にあると言えそうだ。これに対してユーザーも、以前にも増してコストパフォーマンスに対して敏感になりつつある。マウスコンピューターをはじめとした、BTOマシンにも高い注目度が集まっていると言えそうだ。

なぜマウスコンピューター製品が選ばれるのか?
WHY mousecomputer?

今やCG制作に欠かせない存在となったBTOマシン。その中でもコストパフォーマンスやサポートの充実度で高い評価を得ているのがマウスコンピューターだ。アンケートではマウスコンピューター製品の導入実績や評価点などについても調査。高い認知度や製品の採用実績に加えて、新たな課題も浮かび上がってきた。

Q1:マウスコンピューターを知っていますか?

  • 「会社または個人で導入・購入経験あり」と答えた割合が6割以上を占め、ブランドの認知度も100%に達することがわかった。今後は所有感の向上など、ブランドに対する評価軸の多様化が求められていきそうだ

Q2:導入・購入したマウスコンピューター製品のブランドと所有台数は?(Q1で「会社またはオフィスで既に導入・購入経験あり」を選択した方のみ)

  • クリエイター・エンジニア向けブランドである「DAIV」が頭ひとつ抜けた結果となった。ビジネス・法人向けブランドである「MousePro」が2番手となり、その他が3番目、ゲーマー向けブランドの「G-Tune」が最も少ないということに。「DAIV」は2016年に新設され、3年目という若いブランド。にもかかわらず、多くの企業から支持されていることがわかる

Q3:構成以外で選んだ理由は?(マウスコンピューター製品を「導入したことがある」と回答した方のみ)※複数回答可

  • 断トツで多かったのが「コストパフォーマンス」だ。逆に言うと、それ以外の長所が的確に伝わっていないことがわかる。PCパーツの大半は汎用品であり、コストパフォーマンスだけを追求するには限界がある。今後の課題と言えそうだ

Q4:これからも継続的に導入・購入しますか?

  • 7割強の「YES」に対して、「NO」が2割弱という無視できない結果になった。ただし自由回答のコメント欄では「特に理由はない」という回答も目立った。「価格次第・内容次第でその都度、検討する」という層が多く、「必ず購入する」という圧倒的なブランドになり得ていないことがわかる

Q5:(「YES」と回答した方のみ)どのモデルを導入・購入継続しますか?

  • 圧倒的に多いのがDAIVで、次がMousePro。G-Tuneは最下位となった。G-Tuneはもともと、ゲーマー向けに3Dグラフィックスを強化したモデル。このユーザー層が他の2つ、特にDAIVに流れていると言えそうだ

導入企業一覧(五十音順)

旭プロダクション/アルパカピクチャーズ/イアリンジャパン/イェーガー/Exys/イグニス・イメージワークス/ウサギ王/NTTラーニングシステムズ/オートクチュール/KATACHI/キャドセンター/キャニットG/京楽ピクチャーズ./クリーク・アンド・リバー社/クリパリンク/コラット/コンセプトラボ/CONTORNO/Composition/サムライピクチャーズ/シネボーイ/ジャストコーズプロダクション/シンソフィア/スタジオ・グッファ/スタジオ・バックホーン/ステロタイプ/スパイス/Spooky graphic/Spade&Co./ゼロニウム/ダイナモピクチャーズ/タムソフト/ダンデライオンアニメーションスタジオ/チドリグラフ/デイジー/テトラ/トイロジック/東映アニメーション/ナイス・デー/Hi-Organic-jp/pHスタジオ/HERE./ピコナ/ビジュアルマントウキョー/ファンタジスタ/フィジカルアイ/FelixFilm/Volca/マウンテンスタジオ/YAMATOWORKS/ライトフット/ランド・ホー/ランハンシャ/リバティアニメーションスタジオ/lunaworks/ワンダリウム

導入企業が語る、マウスコンピューター製品のお気に入りポイント

以下では、導入企業の声を紹介しよう。

「マウスコンピューターは、いち早くSSD対応モデルを用意していましたので、早期にこれを導入。結果、これまでのHDDモデルで起きていたようなストレスが軽減され、スタッフたちの作業スピードが上がりましたので、非常に満足しました」 
「大手メーカーのような余計なソフトが入っていない」
「とにかく値段がリーズナブルなこと。強いPCを1台用意するより、そこそこのPC を2台用意した方が効率が良いように思いました。筐体が小さくオフィス内で場所を取らないことがスペースの有効活用につながって嬉しいです」
「堅牢なつくりと安定性価格」
「コストパフォーマンスと筐体の見栄え」
「担当営業との連携」

業界で多くの人に高い注目をいただいていることが嬉しい

CGWORLD(以下、CGW):一斉アンケートを実施して、これまで不透明だった業界の機材選びの傾向が見えてきました。

金子 覚氏(以下、金子):それを踏まえて30万円前後のDAIV DTと、自由回答より「より良いパフォーマンス、安定性、静音性のPCがmouseにない」というお言葉もあったので、Xeon搭載ワークステーションを紹介します。


  • 金子 覚氏(株)マウスコンピューターコーポレート営業部部長

CGW:GPUでGeForceとQuadroが拮抗しているのも興味深いです。

金子:弊社製品でもGPUにQuadroを搭載したノートPCがあり、薄くて持ち運びやすいと高評価をいただいているんです。業務で扱うなら、安定性や信頼性が重要ということでしょう。

CGW:いずれにせよ、ユーザーのPC選びがシビアになっている印象です。それが同時に、マウスコンピューター製品を選択する理由にもつながっています。

金子:おかげさまで業界内認知度は、ほぼ100%に達しました。購入経験者も約6割に達しています。そもそも、こうしたアンケートに105社もの方々がご回答いただいたことに、感謝申し上げます。

CGW:自由回答欄のコメントでも、具体的に書かれたものが多かったですね。

金子:賛否両論、非常に多くのご意見をいただけました。パソコン、マウスコンピューターに対する熱い思い、期待が伝わってきました。

CGW:「担当営業との連携」を評価点に挙げる声がありましたね。

金子:ありがたいですね。実際に営業部隊がいることに驚かれることがあります。ただ、弊社では「人が製品を企画し、人が販売し、人がサポートをする」といった具合に、人の存在を強く打ち出しています。電話窓口であればコーポレート営業部、法人向けにはビジネスパートナー営業部といった具合に、それぞれの部署が対応しています。決してWebだけで完結しているわけではありません。

CGW:一方で「納期が遅い」という指摘もありました。

金子:大概の製品を3~4営業日で出荷、追加オプションサービスで最短翌営業日出荷も行なっています。なお、大容量メモリ、ストレージ搭載モデルやサーバー、ワークステーションモデルでは、負荷試験の作業時間ほか、信頼性と品質を担保するために7~8営業日いただくモデルもございます。納期については引き続き努力していきます。

CGW:今後の抱負をお願いします。

金子:近年では、CG、CAD、放送系の業界イベントや、販売パートナー主催イベントなど、大小合わせ年間100回近く出展し、実機に触れていただく機会を提供しています。パフォーマンス、安定性、静音性などカタログスペックに現れない部分を、体験していただき、ぜひお気軽にお問合せください。

マウスコンピューターが2018年にオススメするマシン構成

DAIV-DGZ520U3-M2SH5-DGP
大容量ストレージとGTX 1080 Ti 搭載の30万円台クリエイター向けデスクトップ
2018年8月価格 299,800 円(送料別・税別)



  • OS:Windows 10 Home 64ビット(Windows 10 Pro 64ビットへのアップグレード選択可能)
    CPU:インテル® Core® i7-8700K プロセッサー(6コア/3.70GHz/TB時最大4.70GHz/12MBスマートキャッシュ/HT対応)
    グラフィックス:GeForce® GTX 1080 Ti/11GB
    メモリ:64GB PC4-19200 DDR4(16GB×4/デュアルチャネル)
    SSD:480GB ADATA XPG SX8200 NVMe対応
    ハードディスク:4TB Seagate Serial ATAIII 5400rpm
    電源:700W(80PLUSR BRONZE)
    保証期間:1年間無償保証・24時間×365日電話サポート

MousePro-W995DP62-M1
デュアルXeon、Quadro P6000と大容量SSDで4K案件も楽々の超スペックワークステーション
2018年8月価格 1,898,000 円(送料別・税別)



  • OS:Windows 10 Pro for Workstations 64ビット
    CPU:インテル® Xeon® Gold 6130 プロセッサー(16コア/2.10GHz/TB時最大3.70GHz/22MBスマートキャッシュ)
    グラフィックス:NVIDIA® Quadro® P6000/24GB
    メモリ:128GB PC4-21300 DDR4 ECC Registered 対応(8GB×16)
    M.2 SSD:Samsung PM981 1TB
    電源:1200W(80PLUS® PLATINUM)
    保証期間:1年間無償保証・24時間×365日電話サポート

MousePro-NB991Z-M2
Quadro P3000搭載15.6型モバイルワークステーション
2018年8月価格 249,800 円(送料別・税別)



  • OS:Windows 10 Pro 64ビット
    CPU:インテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー(4コア/2.80GHz/TB時最大3.80GHz/HT対応)
    グラフィックス:Quadro® P3000/6GB
    メモリ:16GB PC4-19200/DDR4-2400(8GB×2/デュアルチャネル)
    M.2 SSD:Samsung PM981 256GB
    電源:内蔵バッテリー(リチウムイオン/4セル/19V/3500mAh)またはAC100V(150W ACアダプタ経由)
    保証期間:1年間無償保証・24時間×365日電話サポート

問:株式会社マウスコンピューター
TEL(法人):03-6739-3808(平日:9~18時、土日祝:9~20時)
www.mouse-jp.co.jp/business/






取材先:株式会社マウスコンピューター
金子 覚氏
TEXT _小野憲史