新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく、緊急事態宣言を受けて、3DCGを中心とするデジタルコンテンツ制作現場でもリモートワーク(在宅勤務)が中心になっています。そこで先日、CGWORLD編集部ではWebアンケート「テレワーク導入の実態調査」を実施しました。その結果を発表します。

TEXT_CGWORLD編集部

<1>回答者の属性

今回のアンケートは下記の要領で実施しました。

調査方法:Webアンケート
調査期間:2020年4月16日(木)~4月24日(金)
有効回答数:322

回答者の年齢

「30代」と答えた方が42.2%(136人)、「40代以上」が31.4%(101人)、「20代」が26.4%(85人)でした。



主な業種
※複数選択可(3つまで)

最多は「ゲーム業界(遊技機を含む)で164人、次いで「映像:アニメ」が137人、「映像:実写」が110人という結果に。「その他」の産業としては、「広告」「教育」「IT」などが挙げられます。

職種では、「3DCGデザイナー(ゼネラリスト)」が18%(58人)、「3DCGデザイナー(アニメーター、モーションデザイナー)」が14.6%(47人)、「3DCGデザイナー(モデラー)」が13%(42人)、「エンジニア」が11.5%(37人)の順に多かったです。



<2>アンケート結果

それでは、アンケートの結果です。今回は7つの質問に答えていただきました。

Q1.テレワークの状況

「はい(実施中)」が90.7%(292人)、「いいえ」が5.9%(19人)、「準備中」が3.4%(11人)という結果に。「いいえ」と回答された方の理由としては、「会社が徒歩圏内」「開発機材の仕様的にテレワークが不可能」「自宅待機(休業中)」「個人事業主のため」などが挙げられました。



Q2.作業PCの運用形式

「社有PC(リモートデスクトップ)」が43.2.%(131人)、「社有PC(自宅に貸与)」が32.7%(99人)、「個人所有PC」が21.5%(65人)という結果に。「その他」の大半は、「社有PCと個人PCを併用」と回答された方でした。



Q3.リモートデスクトップ

「Chrome リモートデスクトップ」が26.4.%(34人)、「Parsec」が17.1%(22人)、「Splashtop」が16.3%(21人)、「Windows 10 リモートデスクトップ」が15.5%(20人)、「AnyDesk」が7.8%(10人)、「Teradici Cloud Access Software」が6.2%(8人)という結果に。当然ながら、会社の規模や業務内容によって手法が変わってくると思います。「その他」の回答では、「TeamViewer」「Mechdyne TGX」「MotionPro」「HP-RGS」「VNC Viewer」「Amazon Workspaces」などが挙がりました。



Q4.ビデオ会議サービス
※複数選択可(3つまで)

「Zoom」が125人、「Skype」が82人、「Google Hangout Meet」が73人で、トップ3でした。次いで「Microsoft Teams」が66人、「Slack」が37人、「Chatwork」が7人、「Discord」が4人という結果に。取引先や案件に応じて、複数のサービスを使い分けている方が大半だと思います。「その他」の回答では、「Jitsi Meet」「ベルフェイス」「Cisco Webex Meetings」「LINE WORKS」「BlueJeans」などが挙がりました。また、「ビデオ会議は行わず、業務連絡はチャットや電話のみ」と答えた方もいらっしゃいました。



Q5.ファイル共有の方法
※複数選択可(3つまで)

「Googleドライブ」が99人、「FTP」が63人、「ファイル転送サービス(firestorageやGigaFile便等)」が49人で、トップ3でした。次いで「Shotgun」が35人、「Box」が27人、「Dropbox」が26人、「社内サーバ(VPN等)」が21人、「OneDrive」が3人で続きました。「未使用」と答えた方も14人に上りました。こちらも、複数の手法を使い分けている方が多いと思います。「その他」の回答では、「Apache Subversion」「Alienbrain」「Synology ビジネスファイルサーバ」などが挙がりました。



Q6.テレワークにおける悩み
※複数選択可(3つまで)

「家庭(プライベート)との両立」が172人、「パフォーマンス(会社の作業環境に劣る、ネットワーク回線負荷が大きい等)」が145人、「コミュニケーション(対面に劣る)」が141人で、トップ3でした。次いで「セキュリティ」が81人、「DCCツールのライセンス」が32人、「運動不足」が5人で続きました。「特になし(在宅勤務の方がパフォーマンスを発揮できる等)」と答えた方も11人に上りました。「その他」の回答では、「オーバーワークしがち」「腰痛(椅子が業務向きでない等)」「指示する側の人はチェックバックのコストが増えた」などが挙がりました。また、在宅勤務のメリットとして、「通勤時間が減った分、自由な時間が増えた」「ひとりだけの方が作業に集中できる」と答える方が多かったです。



Q7.テレワークについて知りたいこと
※複数選択可(3つまで)

「同業他社の対応状況」が205人、「導入事例(中小規模)」が186人、「導入事例(大規模))」並びに「リモートデスクトップサービス/アプリケーションに関する情報(機能や使い勝手等)」が160人で、トップ3でした。次いで、「技術検証(どこまで高負荷の作業に対応できるか等)」が141人、「導入事例(個人)」が101人、「データ共有サービス(機能や使い勝手等)」が92人、「DCCツールの対応状況」が69人で続きました。「その他」の回答では、「コミュニケーション不足になりがちなことへの取り組み」「行政が提供する支援サービス(助成金など)」「セキュリティ(情報漏洩リスクやNDAへの対応等)」「カラーマネジメント」などが挙がりました。

いかがでしたか? 2020年6月10日(水)発売予定の月刊「CGWORLD + digital video」vol.263(2020年7月号)では、テレワークに関する特集を組みます。今後もテレワークに関する企画を考えていきますので、お気軽にご意見・ご要望お聞かせください(下記まで)。

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