>   >  3DCGのニーズに対応する「150%モデル」、西川コミュニケーションズ「LRuCA」実演レポート~CGWORLD デザインビズカンファレンス
3DCGのニーズに対応する「150%モデル」、西川コミュニケーションズ「LRuCA」実演レポート~CGWORLD デザインビズカンファレンス

3DCGのニーズに対応する「150%モデル」、西川コミュニケーションズ「LRuCA」実演レポート~CGWORLD デザインビズカンファレンス

2021年7月15日(木)、建築、製造、アパレルなどのデザインビズが学べる「CGWORLD デザインビズカンファレンス」が開催された。本カンファレンスでは、西川コミュニケーションズ株式会社により、多くのパーツで構築されるプロダクトをニーズに合わせて組み換えできる「LRuCA(ルカ)」の実演が行われた。本レポートでは説明や実演の内容をレポートする。

TEXT_江連良介 / Ryosuke Edure
EDIT_山田桃子 / Momoko Yamda、沼倉有人 / Arihito Numakura(CGWORLD)

西川コミュニケーションズが提供する3つの3DCGサービス

▲西川コミュニケーションズが提供する3DCGサービス

本セッションで登壇したのは、西川コミュニケーションズ株式会社のプロダクトマネジャー石川浩司氏とデベロップメントマネージャーの石原延悦氏。まずはサービスの概要について石川氏から説明があった。

西川コミュニケーションズが提供する3DCGサービスは、「3DCGデータ整備効率化」、「様々な用途に合わせた3DCGコンテンツ制作」、「コンテンツを体験するハードウェアの販売」の3つを軸にしている。1つ目の「3DCGデータ整備効率化」については、複雑な組み合わせが必要なプロダクトの制作やデータ管理を得意とするサービスだ。2つ目の「様々な用途に合わせた3DCGコンテンツ制作」に関しては、特徴的なコンテンツとして、ヴァーチャルランドスケープの制作、コンフィグレーター、XRコンテンツなどを提供している。「ヴァーチャルランドスケープは実際のロケ作成の代替え、コンフィグレーターやXRコンテンツはショールームの代替えになるように制作しています。基本的には業務効率化と同じアプローチですね」(石川氏)

3つ目の「コンテンツを体験するハードウェアの販売」としては、XRに取り組む技術者、研究者、設計者向けに開発されたデバイス「XR-3」の販売を行なっている。

これらの事業を通じて、西川コミュニケーションズは顧客の3DCGサービス開発ニーズに寄り添っている。

■バリエーションの切り替えを思いのままにできるオリジナルシステム「LRuCA」の実演

▲西川コミュニケーションズが提供する「LRuCA」実演シーン

続いて、西川コミュニケーションズが提供する「LRuCA」の実演に移った。まずは石原氏から、西川コミュニケーションズが提唱する「150%モデル」についての説明が行われた。

「昨今の消費者は、自分の欲しい情報を使い勝手の良い媒体から得ることが一般的になっています。そんな消費者ニーズに対応するため、弊社ではコンテンツをワンソース流用ではなく、どんな情報でも得られるマルチソース、マルチユースをコンセプトにしてコンテンツを制作しています。従来の厳選された1つのコンテンツを100%とした場合、どんなバリエーションにも展開できるマルチコンテンツを150%モデルと定義しています」(石原氏)

次に、「LRuCA」のデモカーを用いて150%モデルが構築される模様が実演された。

まずは、アップロードページに入り、データベースを構築する仕様書をエクセル形式でアップロードする。こちらは最大5つアップロード可能だが、必ずしも5つ全てアップロードしなければならないわけではない。

▲エクセル形式で仕様書をアップロードする

▲エクセル形式の仕様書の一例

次に、3DCGの制作に移る。制作はMayaで行うが、仕様書をインポートするだけで複雑な作業は必要ない。インポートが行われるとMayaで3DCGが表示され、LRuCAでコントロールが可能になる。

LRuCA側で各ボタンを選択すると、選択した仕様がMayaの3DCGモデルに反映される。

▲仕様書インポート後のMayaとLRuCA

■Unreal Engineに展開しコンフィギュレータの作成が可能

ここまでの紹介では、制作者やプロダクションに所属する担当者が触れて活用できる機能が紹介されてきた。

しかし、LRuCAをエンドユーザーにも使ってもらうよう、今回に西川コミュニケーションズではUnreal Engineを用いたコンフィグレーター制作に活用できるようアップデートを行なった。

▲コンフィギュレーション用テンプレートが表示された画面

最初はコンフィギュレーション用テンプレートは床とライトが設置されている。ここにLRuCAの情報を送信することで、データベースの情報をUnreal Engineにインポートできる。

▲Unreal Engineインポート時の画面

Unreal Engineにインポートが完了すると、Mayaと同じ状態で、インポート時は全てのパーツが表示されている。

Unreal Engineでプレイボタンを押すとコンフィグレーターとして完成した状態になる。この画面ではカラーや各部品の取り外しなどをボタンひとつで行うことができる。

▲コンフィグレーターとして表示された画面

デモの最後では、カーコンフィギュレーターに背景を追加した画面が映し出された。デモに用いられたレクサスは、コンフィグレーターによって任意の色や部品、背景を変更することが可能だ。

また、ムービーとしてレクサスを動かしながら途中でカラーをリアルタイムで変更する実演も行われた。

「LRuCAからUnreal Engineに情報を送り、バリエーションの切り替えを思いのままに行えるようにしようというのが私たちの試みです」(石原氏)

セッションの最後では同コンフィグレーターを用いた360度対応の車内の内装や、キッチンのマテリアルの変更など、多くの活用事例が紹介された。

150%モデルは一貫してバリエーションを瞬時に確認できるため、今後も顧客の多様化するニーズへの対応が期待できるだろう。

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