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2017年6月15日(木)、統合型3DCGソフトウェア「Shade3D」の新バーション「Shade3D ver.17」の新製品発表会が東京秋葉原のハードウェアコワーキングオフィスのDMM.make AKIBAで開催された。 今回のバージョンアップの目玉は何といってもプロフェッショナルモデルに搭載されたCADモードだ。 その搭載にあたっての理由と戦略、そして実際にデモンストレーションされた機能紹介の様子をお届けする。

「まったく違う」CADモードを搭載した理由

  • 代表取締役 笹渕正直氏
  • 新製品発表会の冒頭、挨拶を務めたShade3D社代表取締役・笹渕正直氏はShade3Dの過去と未来についてをテーマに話を始めた。 Shade3Dが最初のバージョンをリリースしたのは1986年のこと。 以来、累計では50万ライセンスを販売し、8万人のユーザー登録が行なわれた。 笹渕氏によると、「74%が個人ユーザー、16%が教育機関、10%が法人」という構成になっているそうで、使用目的別では「建築パース製作」が40%、「プロダクトデザイン」が35%を占めるという。

同社では2年ほど前から登録ユーザーのアンケートを取りはじめ、そこからShade3Dは2DCADでの利用が圧倒的多数だったことが分かった。 加えて一般2DCADのユーザーからも挙がった様々な意見をもとに生産効率と開発精度を上げ、さらに費用対効果の高い3DCADソフトを制作することを目標とした。 その結果、Shade3D ver.17のプロフェッショナルモデル「Shade3D Professional ver.17」に搭載されたのが今回のCADモードだ。 前バージョン(ver.16)から、約1年ぶりのアップデートとなる今回のバージョン。 「1986年以降、3DCGソフトとして開発してきているので、まったく違うソフトの機能を搭載することは大きなチャレンジであった」と営業マーケティング統括マネージャーの中田衣都香氏は語った。



NURBS形状によって可能になったさまざまな機能

  • 会場ではShade3DのUIなどのグラフィックデザインを担当した伊藤でった氏によるCADモードでのデモンストレーションが行なわれた。 Shade3D ver.17では3DCGモードとは別にCADワークスペースを実装し、NURBS形状の作成に特化した作業環境に変更することができる。 これにより必要な作業に応じて効率的にモデリングをすることが可能となった。
  • 新機能の解説をする伊藤でった氏

NURBS形状を扱うにあたってはプリミティブ作成の強化を行なった。 ツールパラメータに数値を入力するだけで形状作成ができるほか、CADの定番である中心点や角度を指定して円弧をつくる機能のほか、フィレットやシェル化機能も搭載している。 また、NURBS形状を作成することで、従来ではできなかった重心・表面積・体積などの計測も可能となった。 これは「コストや精度に関わる幾何情報の初期段階の設計に必要な機能なので大変便利」(伊藤氏)だという。

フリーハンドと数値による正確な形状作成

これまでは図面上でフリーハンドでつくってから数値を合わせる必要があったが、Shade3D ver.17ではフリーハンドの状態でも引いている直線の長さや角度が随時表示されるため、打ったポイントをリストで確認することができる。 さらに図面をクリックすることなく数値入力だけで線形状を作成することも可能だ。さらに、平面(底面)を作成してからZ軸にドラッグすることで高さを自由に変更することもできる。 これらを組み合わせることによって、フリーハンドでつくってから数値で調整し、そこから正確な立体をつくることが可能になった。 また、これまでは正確な数値が出せなかったため、円と円を繋ぐ外接線を引くのは非常に難しかったが、このバージョンからはこの機能を利用して「自転車のチェーン」などを手軽につくることができるようになった。



3次元CAD利用技術試験準一級が基準に
  • 今回のCADワークスペースではNURBS形状をつくることに特化し、精度を上げることを目的とした。 基本的につくれるものは線形状・長方形・円・円弧・球・立方体・円柱だ。 モデリングの指標としては「3次元CAD利用技術試験の準一級の問題を解くのに十分なレベル」とし、実際にShade3D ver.17はその試験を行なうACSP(一般社団法人コンピュータ教育振興協会)の推奨ソフトとなっている。

これは先ほどの2DCADユーザーからアンケートのなかにあった「就職先でスキルを証明できるソフトがほしい」(学生によるアンケート回答)という声に応えたものだ。 発表会には同協会の事務長・佐藤文武氏も登壇し技術者試験についてもPRを行なった。 また、Shade3D社は2年前から山崎教育システムに中学生向けの設計ソフトとしてShade3Dを供給している。 若年のうちからプロダクト作りに親しませるのがねらいだ。今年3月に開示された新学習指導要領にも対応しているという。 発表会ではユーザープロファイル分析による結果を「Shade3Dシリーズの過去」とし、リテラシー教育や就業機会を増やすことを「Shade3Dシリーズの未来」と位置づけていた。


CADデータでのVRコンテンツも作成可能に

  • また、Shade3D ver.17には、全てのグレード共通の新機能としてパノラマレンダリングでの立体視レンダリングに対応している。これによって作成した静止画や動画をVRゴーグルなどのデバイスで観ることができる。 さらにUnityと連携してVRコンテンツを作成することもできる。

同社のウェブサイトでは「VRコンテンツへの道」というサイトでPRを行なっている。 Shade3D Professional ver.17ではVRの解像度は8K以上に対応。「スペックが許す限り無限に設定することが可能」だという。 これによって高解像度CADデータのVRコンテンツが作成でき、3DCGと3DCADの連携が可能になる。


最後に中田氏はShade3D ver.17からのメッセージとして次のように総括した。 「Shade3Dは3DCG・3DCADすべての3Dの入口となるソフトウェアであり、3DCGのリテラシーを身につけることができます。 さらに、Shade3D ver.17からはCADモード搭載により、精度が高くよりリアルに近づける機能を搭載しております。 3次元CAD利用技術試験の準一級推奨ソフトウェアとしてスキルアップにも役立ち、また3DCGと3DCADの連携で可能になる高解像度のVRコンテンツの作成にもお使いいただけます。 Shade3Dはこれからも3D技術でお客様の未来を支えてまいります」。

■「Shade3D ver.17」商品情報

発売日:2017年7月14日(金)
価格:
Shade3D Basic ver.17...9,800円(税別)[アカデミック版...7,800円(税別)]
Shade3D Standard ver.17...5万5,000円(税別)[アカデミック版...2万円(税別)]
Shade3D Professional ver.17...9万円(税別)[アカデミック版...4万5,000円(税別)]

詳細はこちらから

Shade3D Basicには、ガイドブック付きの商品も用意されている。 また、今回の会場となったDMM.make AKIBA会員は同所でShade3D ver.17を無料で使用することができるので、ぜひ一度体験に訪れてはいかがだろうか。

TEXT&PHOTO_日詰明嘉