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近年、3DCGを活用するコンテンツの増加が著しい。TV・映画、ゲーム、アニメといったエンタテインメント分野はもとより、医療・建築・製造といった非エンタメ領域への活用も進んでいる。そこで本企画ではCGコンテンツの制作を手掛けるプロダクションにインタビューとアンケートを実施。3DCGの利点や需要増の背景、そして3DCGツールとしてデファクトスタンダードとなっているオートデスク製品を活用する理由について改めて探ってみた。第一回は「TV・映画」分野において多数の作品を手がけるプロダクションにフォーカスを当て紹介していこう。

CASE01:カナバングラフィックス
>>>3DCGは最も自由にイメージをカタチにできる道具だ

2004年にフリーランスのCGデザイナーだった富岡 聡氏を中心に設立されたカナバングラフィックスは、作品の原案から企画、脚本、絵コンテ、キャラクター・背景デザイン、CGアニメーションまでトータルに手がけることのできる稀有なスタジオだ。
元々、富岡氏が個人制作で手掛けた特徴的なアニメーションに惹かれた個性豊かなアーティストが集まって出来上がってきた同社。創業当初からMV・TV番組のOPなど中心に、個性的な作品を実績を多数残してきた。そして、2006年には初のオリジナルシリーズアニメーション『ウサビッチ』を手がけ、ユニークな世界観やキャラクター設定は幅広い層の人気を得た。2009年にはオリジナルコンテンツ『やんやんマチコ』を自社プロデュースで配信しグッズ展開などライセンシングビジネスも展開。2017年3月には、スペースシャワーTVで新作アニメーションシリーズ『イナズマデリバリー』がスタート。その勢いはとどまるところを知らない。


【上左】『イナズマデリバリー』/原作・脚本・絵コンテ・デザイン・美術設定・監督・CG制作を担当
©INAZMA Project
【上右】『USAVICH ZERO』/原作・脚本・絵コンテ・デザイン・美術設定・監督・CG制作を担当
©2017 Viacom International Inc. All Rights Reserved.
【下左】『やんやんマチコ』/絵コンテ・デザイン・美術設定・監督・CG制作を担当
©T.Nishimura/KANABANGRAPHICS.
【下右】『LINE ぷるぽん アニメーション』/脚本・絵コンテ・デザイン・美術設定・監督・CG制作を担当
©LINE Corporation/ KANABAN GRAPHICS

そんな同社のクリエイティブを支える3DCGの利点について富岡氏に伺うと、「表現自体には制限がなく、お客さんに楽しんでもらうためにイメージしたものが自由に作ることができる」点を挙げる。「もちろん、コストや時間には制限はありますが、何を優先するのかを決め、プリプロダクションで全てを固め、ワークフローを工夫して制作をすれば、限られたリソースの中でもお客さんに楽しんでもらうことが出来ると思います」と補足する。

▲『イナズマデリバリー』に登場するキャラクター達のコミカルな動きは カナバングラフィックスがMayaで独自に開発したリグシステムによって実現している。 【左】ヘミングウェイの全身を動かすリグ。キャラクターが可動するジョイント部分にそれぞれリグが仕込まれている。アニメーターはこのリグを調整しキャラクターに動きを与える。【右】リグの適用例。胴体全体と頭部にスクワッシュと呼ばれるギュッと形状が潰れるようなアニメーションが適用されている。

一方で「気を付けなければならないのは、3DCGだけでは何も武器にならないという点です。自分達のクリエイティブや技術が最終的にどのような形でお客さんに楽しんで貰えるのか考えることが重要です。日本のCG業界は3DCGデザイナーが3DCGデザイナーにとって素晴らしい3DCGを議論しているように見受けられます。そのような内向きの考え方ではなく、ITや食品やスポーツや雑貨などの他業種の動向にもしっかりと目を向け、お客さんに楽しい、素晴らしいと思ってもらうために自分達が何が出来るのか考え続けて行きたいと思います」と語る。
"最も自由な表現手法"である3DCGは、今後様々な業種とのコラボレーションを進めることにより、その価値を増大させることができそうだ。

CASE02:ModelingCafe・AnimationCafe
>>>3DCGはジャンル・作風を問わない。国境さえも飛び越える

▲2017年、東京は代官山に移転したばかりのCafe Group東京オフィス

"モデリング"に特化したCGプロダクションとして2012年に設立されたModelingCafe。ショット単位での請負が一般的だとされる業界の中で、業務範囲をコンセプトデザインからモデリングまでに絞るスタイルは注目を集めた。同社福岡スタジオの代表を務める北田栄二氏にその意図について伺うと「老舗の大手CGプロダクションに対抗して、少人数のスタジオが総合力で勝負するのは難しい。そこで代表の岸本をはじめ創業メンバー達が得意だったキャラクターモデリングに特化することで、大手にも負けない高品質なアセットで勝負できると考えたのです」と語る。

【左】『FUTURE FACTORY - ロボット工場長、採用。|グッスマ15周年』/コンセプトデザイン・モデル制作を担当
©GOOD SMILE COMPANY 2016
【右】『北九州市観光協会 関門海峡PRムービー COME ON!関門!』/モデル制作を担当
©Kitakyushu City & Shimonoseki City All Rights Reserved. 

アニメ作品であれ、フォトリアルな作品であれ、クライアントの求める最高品質のアセットを、ワークフローに合わせた形で提供する同社のスタイルは評判を呼び、創業当初はTVCMやゲームなどの単発の仕事を中心に手掛けていたが、設立3年目にはゲームのシネマティックスやフルCG映画のアセットなど大きな案件に受注するようになったという。
その後、同社は飛ぶ鳥を落とす勢いで規模を拡大。2014年には"アニメーション"に特化したプロダクションAnimationCafeを設立。現在は両社合わせて80名、外部協力者を含めると100名の規模に拡大した。

▲Cafe Groupスタッフの皆さん。現在20台の若手を中心にスタッフが増加している。その要因の一つとして「最短の時間で最良のクオリティを生み出す」という理念に共感する方が多いと北田氏は分析する。「規定時間を超えて働くことをスタッフに認めていません。その代わり、決められた時間の中で最良の結果を出せるように常に方法を模索するように指導しています」と語る。こうした合理性追求の姿勢は制作環境にも反映されている。「表現力や作業効率の向上につながる設備投資は可能な限り行います。新しいツールの導入にも積極的です」とのことだ

北田氏は3DCGの利点として「幅広いジャンルの仕事を手がけることができる」点を強調する。我々の場合、モデリングに特化しているため殊更にその傾向は強いと思います。映画・CMの他にもゲーム、デジタル造形など幅広いジャンルが舞い込んできます。現在は主にエンタテインメントのジャンルが中心ですが、今後は医療や自動車向けのナビゲーションシステムといった分野にも広がっていくでしょう」とその汎用性の高さについて語った。
なお、今後の計画としてはCafe Group全体として、新会社設立、分社化などグループ全体を整備しつつ、海外案件比率を最大30%まで増やしたいとのことだ。得意分野であるモデリングに業務分野を絞ることで、様々な分野の上流工程に食い込み規模を拡大してきた同社。今後同社のグローバルな展開にも目が離せない。

以降では、インタビューに協力してもらった上記2社を含め、映画・TV分野において数々のCGコンテンツを活躍するCGプロダクションの声を紹介しよう。

導入プロダクションの声

Q1:会社概要について教えてください(業務内容や強み特徴など)
全てに共通することは【アニメーション=動き】を重視し、追及することです。AnimationCafeは、アニメーターが中心となりハイエンドなCGを制作する専門チームです。映画・CM・ゲーム問わず、リアル系からカートゥン系まであらゆるジャンルの映像・モーション制作に対応します。

Q2:メインで使用しているオートデスクの3DCGツールについて、また同社の3DCGソフトウェアを使用し続ける理由について教えてください。
Maya、MotionBuilder等。

Q3:今後の目標について教えてください。
弊社は世界で通用するレベルの映像表現を目指しています。目標達成に必要なインフラ、人材、労働環境等に今後も継続して投資を行います。海外就労を目指すクリエイターも応援します。

▲AnimationCafe制作実績
『KAMUY』
©2016 NION,Inc

Q1:会社概要について教えてください(業務内容や強み特徴など)
オリジナル作品を長く作り続けているスタジオになります。原案、企画、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、背景デザイン、CGアニメーション、全てを担当し、クオリティの高い作品を世に送り続けています。

Q2:メインで使用しているオートデスクの3DCGツールについて、また同社の3DCGソフトウェアを使用し続ける理由について教えてください。
Mayaをメインに使用しております。拡張性が高く、社内ツールと連携が取りやすいというところに大きなメリットを感じており、また、お取引のある企業様もMayaを使っていることが多く、対外的にもやりとりがスムーズに進むのも良いところです。

Q3:今後の目標について教えてください。
今までにない新しいクリエイティブを生み出し、世界に向けて発信していきたいと思います。またクリエイティブのみではなく、ビジネスも提案が出来るプロダクションを目指します。

▲カナバングラフィックス制作実績
【左】『イナズマデリバリー』
©INAZMA Project
【右】『LINE ぷるぽん』
©LINE Corporation / KANABAN GRAPHICS

Q1:会社概要について教えてください(業務内容や強み特徴など)
コロッサスは常に最高品質の表現を目指しています。 CG技術はもとよりデザイン、演出に至るまで作品のクオリティを高めるために私たちが出来ることは何でもチャレンジしてきました。 年々優秀なデザイナーが集まり、案件の増加に伴って制作ラインも少しずつ増やしています。 また質の高い作品を安定して提供できるように若手の人材育成にも力を入れています。 近年は高解像度キャラクターの制作、ドームやプロジェクションマッピングなどの大型映像にも力を入れています。
常に進化し続ける映像制作集団、それがコロッサスです。

Q2:メインで使用しているオートデスクの3DCGツールについて、また同社の3DCGソフトウェアを使用し続ける理由について教えてください。
MayaをメインにMotionBuilder、3ds Max、デザイナーによっては現在もSoftimageを部分的に使用しています。Mayaをメインにしているのは日本のCG業界で広く使われているからです。スタッフを獲得しやすいこともメリットのひとつです。

Q3:今後の目標について教えてください。
既存のお客様からの信頼を強固なものにしていくことが最重要ですが、新しい分野にもチャレンジしたいと思っています。特に弊社は技術的なノウハウを多数保有しているので、それらを生かした新しい事業展開を模索中です。

▲コロッサス制作実績
【左】『東京よみうりランド 飛び出すマッピング』/プロジェクションマッピング用3DCG 制作
©YOMIURI LAND All Rights Reserved.
【右】『東京モーターショー NTNブース』/プロジェクションマッピング用映像制作
©NTN 株式会社

Q1:会社概要について教えてください(業務内容や強み特徴など)
弊社は本拠地東京での3DCGアニメーション制作と、ロサンゼルスにある提携スタジオでのモーションキャプチャーを中心に展開している映像プロダクションです。 バーチャルカメラを取り入れ、スピーディーで高品質な制作体制を整えております。 ゲームだけでなく、プリビズ、実写映像など、培ってきた技術の横展開にも積極的に取り組んでいます。 「常に挑戦する気持ち」を大切にし、新しい驚きを皆様に提供してゆくことをお約束します。

Q2:メインで使用しているオートデスクの3DCGツールについて、また同社の3DCGソフトウェアを使用し続ける理由について教えてください。
Entertainment Creation Suite Ultimate。3DCG分野においてアニメーション・モデリング・エフェクト・コンポジットなど総括的な制作環境を実現できるため。 

Q3:今後の目標について教えてください。
3DCGの効率性を活かしたプリビズという武器を使い、CG・実写問わず映像業界にジャストコーズの名前を広める事。また、アニメーション以外にレンダリング・コンポジットを含めた最終映像までを社内で手がける事です。

▲ジャストコーズプロダクション制作実績
【左】『シン・ゴジラ』/2016年公開。プリビズ制作を担当
©2016 TOHO CO.,LTD.
【右】『モンスターストライクPV「まだ見ぬ世界へ 篇」』/2015年公開。演出・アニメーション制作を担当
©mixi, Inc. All Rights Reserved.

Q1:会社概要について教えてください(業務内容や強み特徴など)
ビジュアルマントウキョーは、近年、一層複雑化しているVFX制作において、それらを簡素化できるようなHUBとなり、撮影から仕上げまで、よりスムーズにクリエイティブな作品創りができるようなディレクション、スーパーバイズを行うスタジオです。VR・ARをはじめとする映像制作も積極的に取り組んでいます。

Q2:メインで使用しているオートデスクの3DCGツールについて、また同社の3DCGソフトウェアを使用し続ける理由について教えてください。
Mayaをメインツールとして利用しています。スクリプトを活用することによって、状況に応じてツールをカスタマイズしやすく、一度作成されたツールは他の案件でも活用しやすいことが最大の魅力だと思っています。

Q3:今後の目標について教えてください。
常に新しい映像表現の可能性を追求し、既存メディアの枠にとらわれることなく、あらゆる領域でクオリティ高い作品制作に取り組んでいくことが目標です。

▲ビジュアルマントウキョー制作実績
【左】『トヨタ自動車 TVCM 「先生と犬 東京タワー」篇』/TOYOTA PRIUSのTVCMにて、車、東京タワー、映り込み等を担当
©TOYOTA MOTOR CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
【右】『FRISK NOW mints TVCM 「Street」篇」』/ピクセル化する街を制作
©FRISK INTERNATIONAL NV. / Kracie FOODS,Ltd. All Rights Reserved.