ゲームクリエイター/TA/エンジニアのRED_SIM氏は12月6日(土)、オープンソースのUnityエディタ拡張「GPU Particle Volumes」をGitHubで公開し、その技術を用いた有料の雪シェーダ「GPU Snow - GPU Particle Volumes」をBOOTHで公開した。価格は1,000円。
パーティクルの計算処理をGPUにオフロードする「GPU Particle Volumes」
オープンソースのUnityエディタ拡張「GPU Particle Volumes」は、パーティクルの計算処理をCPUではなくGPUに全面的にオフロードする技術。Unityの標準パーティクルシステムでは、パーティクルの発生や移動計算にCPUのリソースが割かれるため、数千〜数万個レベルで描画負荷がボトルネックとなり、フレームレートの低下を引き起こしやすい。これに対してGPU Particle Volumesは、GPUの並列処理能力を最大限に活用し、CPU負荷をほぼゼロに保ったまま、画面を埋め尽くすような濃密な降雪や砂嵐といった表現を可能とする。また、RED_SIM氏が別途開発しているライティングシステム「VRC Light Volumes」とも統合されている。
雪シェーダ「GPU Snow - GPU Particle Volumes」
今回リリースされた「GPU Snow - GPU Particle Volumes」シェーダは、GPU Particle Volumesの実用性を証明する最初のパッケージとなる。先述のVRC Light Volumesへの対応により、舞い散る雪の粒ひとつひとつが、ワールド内に配置されたライティングの影響を正確に受ける。街灯の下を通過する雪は明るく照らされ、暗がりでは沈むといった、環境光とパーティクルの相互作用が物理的に正しく描画される。
また、本シェーダと同時にサンプルとしてVRChatワールドが公開されている。そこには限界性能を試すべく1,000万個のパーティクルが配置されている。RED_SIM氏は一般的なワールド制作では明らかに“オーバーキル(過剰性能)”であると認めつつ、現行のPCスペックを測定するベンチマークテストとしても機能することをねらっている。
■GPU Snow - GPU Particle Volumes(BOOTH)
https://redsim.booth.pm/items/7733242
■5Ka - Let it Snowǃ 10M particlesǃ - Public(VRChat)
https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_bcee891b-96b1-4061-88a0-3f75df13b9d2
■GPU Snow - GPU Particle Volumes(Patreon)
https://www.patreon.com/posts/gpu-snow-gpu-145203390
■GPU Particle Volumes(GitHub)
https://github.com/REDSIM/GPUParticleVolumes/
■VRC Light Volumes(GitHub)
https://github.com/REDSIM/VRCLightVolumes
CGWORLD関連情報
●VoxelKei氏、無料の3DGS編集用Unityエディタ拡張「Spatialograph Maker」ベータ版をBOOTHで公開! 小規模・大規模・ボクセル化の3種モードを搭載
VoxelKeiが3D Gaussian Splatting(3DGS)データをUnityおよびVRChat環境で利用可能な形式へ変換・最適化するUnityエディタ拡張「Spatialograph Maker beta」をBOOTHにて無料公開。PLY形式の点群(ポイントクラウド)データをUnityに読み込み、VRChatでの利用を前提とした最適化処理などをエディタ上で行える。対応環境はWindowsのUnity 2022.3.22f1。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202512-SpatialographMaker.html
●VRChat標準の揺れものコンポーネントPhysBonesを日本語訳するツール「Phys Bone.jp」リリース! 公式スクリプトには干渉せず日本語UIを実現
まめたろー(豆々庵)がVRChat標準の揺れものコンポーネントPhysBonesを日本語化するツール「Phys Bone.jp」をBOOTHにて販売開始。価格は500円。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202509-PhysBone-jp.html
●プロシージャルアバター制作用Unityエディタ拡張「Modular Avatar 1.14.4」ベータリリース! 新機能Mesh Cutter、Fit Preview追加
bd_氏がオープンソース(MITライセンス)のプロシージャルアバター制作用Unityエディタ拡張「Modular Avatar 1.14.0」をGitHubでリリース。メッシュの一部を削除/非表示できる新コンポーネント「Mesh Cutter」が実装されている。そして9月24日(水)には「Modular Avatar 1.14.4-beta.1」がリリースされ、EditモードでPhysBonesの設定やめり込み、はみ出しのチェックが可能な新機能「Fit Preview」が追加された。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202509-ModularAvatar.html