3DCGアーティストのJ Hill氏は4月9日(木)、自身のYouTubeでチュートリアル動画「How to TEXTURE EVERYTHING in Substance Painter」を公開した。Adobe Substance 3D Painterを用いた実用的なテクスチャリングの全行程を約3時間にわたり解説。実務で多用される非破壊的なマスキング手法や、プロシージャルなディテール追加テクニックを紹介している。

ブロックアウトと塗りつぶしレイヤーの活用

テクスチャリングの初期段階では、マテリアルごとにフォルダを作成し、ベースとなる塗りつぶしレイヤーを設定してシーン全体をブロックアウト(素材ごとに大まかに塗り分け)する手順を解説。J Hill氏は、各フォルダのブレンドモードを「Pass Through」に設定し、Base ColorやRoughnessなどのチャンネルごとに管理する基本ワークフローを強調している。これにより、のちの複雑なテクスチャリング工程においても柔軟な非破壊編集が可能となる。

Anchor Pointを用いた高度な塗装剥げ表現

続いて、特に実践的なテクニックとして、Anchor Pointを活用した非破壊的なマスク制御方法が紹介されている。レイヤースタックの下層にペイントマスクを設定してアンカーポイントを作成し、それを上位レイヤーのマスクから参照することで、プライマー(下地)の露出やエッジの摩耗を連動させる手法である。さらにBevel Smoothなどのエフェクトと組み合わせることで、手描きのマスクから複雑で立体感のある塗装の剥がれを自動生成する高度なアプローチも紹介している。

ノーマルマップのスタンプを使ったディテール追加

テクスチャリングの段階でモデル自体に手を加えることなく、ノーマルマップに直接形状をスタンプしてディテールを追加する手法も解説。ネジ穴やパネルラインのノーマルスタンプをレイヤーの最下層に配置し、それをAnchor Pointで取得させる。これにより、上位レイヤーに配置されたSmart Masksなどがスタンプされた凹凸を認識し、擬似的に追加されたディテールに対しても自然に汚れやエッジの摩耗が蓄積する。

デカールとテキストフォントの配置

  • ▲画像素材によるデカール
  • ▲フォントを用いた非破壊のデカール

チュートリアルではさらに、モデルの情報量を高めるため、画像素材の直接投影によるデカール表現も解説している。貼ったステッカーの縁の厚みや、擦り切れダメージを細かく調整し、下地の質感を透過させている。また、テキストツールを用いて外部フォントをインポートし、ケーブルのカーブ面に沿って非破壊で印字テキストを配置・調整する手順も紹介。

PBRの検証とUnreal Engineへの書き出し

仕上げの工程では、Unreal Engine向けにPBR値を検証するフィルタの使用法を説明。特にUnreal Engineでの暗部の黒つぶれを防ぐため、Albedo Dark Range Threshold(暗部のしきい値)を50 sRGBに設定し、暗すぎるベースカラーを補正する実務的なチェックを行なっている。最後に、カスタムの出力テンプレートを用いて、オクルージョン、ラフネス、メタリックの各マップを単一のテクスチャのRGBチャンネルにパックして出力した。

■How to TEXTURE EVERYTHING in Substance Painter(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=GvjfkhCW3aM

■Substance 3D Painter公式ページ
https://www.adobe.com/jp/products/substance3d/3d-painter.html

CGWORLD関連情報

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Adobeが「Substance 3D Painter 12.0」を発表。デカール投影やポストエフェクトの改善、複数レイヤーのグループ化による一括でフラット化などの機能実装が施されている。
https://cgworld.jp/flashnews/2603-substance.html

●騎士のヘルメットのバイザーデザインと3D化チュートリアルが話題! Louis Squara氏の投稿、ZBrush・Photoshop・Substance 3D Painterを利用

キャラクターアーティストのLouis Squara氏が、騎士のヘルメットのバイザーデザインと3D化までのワークフローを1枚の画像にまとめたチュートリアルをXに投稿。ZBrushとPhotoshop、Substance 3D Painterを組み合わせて木の枝のような複雑なデザインをバイザーに施す方法をステップバイステップで紹介している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202508-KnightVisor.html