ロケハン3DKou Nakamura(中村 航)氏は7月26日(日)、ロボットや自律移動の検証環境「NVIDIA Isaac Sim」に対して、3DGS(3D Gaussian Splatting)のデータを導入し、産業用シミュレーションで活用するためのワークフローについて検証する記事「NVIDIA Isaac Simに3DGSを持ち込む」を公開した。スキャンした実在の街並みを実写品質の背景として活用しつつ、物理演算の同居や学習用画像の量産を実現するための実践的な手法がまとめられているほか、Isaac Sim公式ドキュメントに記載されていない技術的な障壁の存在と、産業用途における3DGSの弱点を補強するための解決策が提示されている。

描画上限と階層構造の構築失敗の回避

Isaac SimのRTXレンダラには、シーンの基本構成単位(Prim)ひとつにつき16,777,216点(2の24乗)までしか描画できないという仕様が存在する。この点数を超えると、描画を高速化するためのTLAS(Top-Level Acceleration Structure、トップレベル加速度構造)の構築に失敗し、画面には一切のデータが表示されなくなる。このエラーは変換ツールやPython APIでは検知されず正常終了の扱いとなるため、ビューポートで真っ暗な結果を見る前に、システムログから描画対象としての登録状況を直接確認する手法が必須とされている。

段階的統合とシーン記述フォーマットの適切な参照

上記の描画上限を回避するため、変換ツールを用いたガウシアンの間引き処理を行う。この処理は無作為な消去ではなく、近接する粒子同士を段階的に統合する方式で、視覚的な劣化を最小限に抑えることができる。間引いたデータはUSD(Universal Scene Description)フォーマットへ変換して配置するが、その際、型を明示して定義する手法(DefinePrim)を用いると3DGSとしての属性が失われる問題が発生するため、型を指定せずに上書き参照を行う手法(OverridePrim)によってデータを読み込むことが要件になるという。

軌跡データを活用した正確なカメラ配置

シミュレーション空間内でのカメラ配置において、対象物を囲むバウンディングボックスから距離を自動計算する一般的な手法は、撮影範囲外に散らばった「疎な外れ値」に計算が引きずられるため実用的ではない。Nakamura氏はこれを解決するため、スキャン実行時に記録されたカメラの軌跡(Trajectory)データを利用するアプローチを提示。データが最も高密度に存在する軌跡上の座標を基準とし、座標変換を元に戻す逆行列計算を用いてカメラの向きを設定することで、行列の転置ミスを防ぎつつ、極小ディテールまで破綻なく描画できる最適な視点構築を実現する。

物理判定と領域分割を補う「メッシュの併用」

3DGSは視覚情報の再現に特化している反面、シーン全体が単一の塊であるため、個別の物体分離や物理的なコリジョン、詳細な意味的(セマンティック)な領域分割(セグメンテーション)の情報を保持していないという、産業用途における本質的な弱点を持つ。これを克服するための現実的なアプローチとして、見た目は3DGSが担い、物理判定や分類用のラベルは、3DGSと同位置に配置した不可視の簡易的なプロキシメッシュに持たせるという役割分担のアーキテクチャを提唱している。

■NVIDIA Isaac Simに3DGSを持ち込む(ロケハン3D)
https://web.locahun3d.com/works/isaacsim-3dgs-import.html

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202607-Arnold-3DGS.html