オートデスク社は8月4日(火)、クラウドベースのAIプラットフォーム「Autodesk Flow Studio」のメジャーアップデートを実施し、新たな制作環境である3D EditorとCanvasを公開した。また、8月12日(水)には、Canvas内でByteDance社の動画生成AI「Seedance 2.5」が利用可能になったことを発表した。
シーン構築ワークスペース「3D Editor」
新たに実装された3D Editorは、キャラクター、アニメーション、カメラ、および背景世界であるワールドを用いて、映画のようなシネマティックなシーンを構築するための専用ワークスペース。外部ツールのインストールを必要とせず、Webブラウザ上で完全な3Dシーンの作成と編集が可能。Wonder Toolsで作成された素材は統合アセットライブラリを通じて自動的に3D Editorと同期される。アーティストは用意したデータや自作のキャラクターをシーン内に直接配置して、移動・スケール・回転やアニメーション付けを行える。
カメラのアニメーションにはキーフレームを用いることができるほか、実写動画からカメラモーションを自動抽出して適用することも可能。また、背景となる3Dワールドは、テキストプロンプト、画像、パノラマ画像、あるいは動画の参照データからAIを用いて生成できる。最終出力ではアスペクト比や解像度、フレームレートの指定が可能だ。
ノードベースの生成・編集ワークスペース「Canvas」
Canvasは、画像や動画を生成・編集するため新たに用意されたノードベースのワークスペース。Canvas上では、プロンプト、リファレンスメディア、生成された出力結果、そして3D Editorからのレンダリング素材を単一プロジェクト内でつなぎ合わせ、多段階にわたるマルチステップワークフローを構築できる。
Seedance 2.5による長尺・高品質な動画生成と制御
Seedance 2.5 now available in Flow Studio Canvas
— Autodesk Flow Studio (@adskflowstudio) August 11, 2026
Generate 30-second videos from up to 50 references. pic.twitter.com/CWPRus1L9R
Canvasには、利用可能な画像・動画生成モデルのひとつとして、ByteDanceの最新動画生成AI、Seedance 2.5が統合された。これにより、AIモーションキャプチャを用いてパフォーマンスを駆動させ、3D Editorでカメラと世界観を制御した上で、Seedance 2.5の生成能力を活かして最終的な映像のルックを洗練させることができる。Seedance 2.5を活用した映像生成では、最大50個のリファレンスを組み合わせることで、最長30秒の動画生成が可能となっている。
Seedance 2.5 is now in Autodesk Flow Studio.
— Autodesk Flow Studio (@adskflowstudio) August 13, 2026
Use AI MoCap to drive performance from video, 3D Editor to build your world and control the camera, and Canvas with Seedance 2.5 to refine the final look.
Start building in Flow Studio: https://t.co/HLBYZr0dBI pic.twitter.com/PwI88n54kc
■Autodesk Flow Studio 公式ページ
https://www.autodesk.com/jp/products/flow-studio/overview
■Flow Studio Release Notes(Wonder Dynamics Help Center)
https://help.wonderdynamics.com/release-notes/
■Seedance 2.5公式ページ(BytePlus)
https://ai.byteplus.com/en/activity/seedance2-5
プランと価格
Flow Studioでは、初めてAI搭載のVFXツールに触れるクリエイター向けに、クレジットカードの登録が不要で毎月300クレジットが付与されるFreeプランが提供されている。より柔軟にプロジェクトを進めたい個人向けには毎月2,100クレジットとフルHD画質での映像書き出しが可能なLiteプランが、小規模チームやクリエイター向けにはのStandardプランが用意されている。Standardプランでは、毎月6,000クレジットに加え、4K解像度での高精細な書き出しや、最大15体の独自のカスタムキャラクターのアップロード、同時に3人までのモーションキャプチャに対応する。また、さらに上位のプランとして大規模制作チーム向けのProプラン、最上位のEnterpriseプランも用意されている。
■料金プランの比較:Autodesk Flow Studio
https://www.autodesk.com/jp/products/flow-studio/compare
CGWORLD関連情報
●【AI×VFX最前線】Autodesk Flow Studio開発者ニコラ・トドロビッチ氏に訊く、CGキャラクターと実写融合の現在地と未来
オートデスクのAIプラットフォーム「Autodesk Flow Studio」の生みの親であり、映画監督・VFXスーパーバイザーとしても豊富な経験を持つニコラ・トドロビッチ氏へのインタビュー記事。新機能「AI Rigging」と「Neural Layer」の話題を中心に、クリエイティブの未来像を探っている。
https://cgworld.jp/special-feature/aivfxautodesk-flow-studiocg.html
●「AIはクリエイターの力を拡張する」オートデスク ダイアナ・コレラ氏に訊く、クリエイターファーストのAI戦略
オートデスクM&E部門EVP、ダイアナ・コレラ(Diana Colella)氏へのインタビュー記事。Mayaや3ds Max、Flow Production Trackingなどの既存ツールへのAI統合策から、Wonder Dynamics社およびRADiCAL社という気鋭のAI企業買収の裏側に至るまで、同社の戦略をつまびらかにし、「オートデスクが考えるAIとクリエイティブの現在地」を浮き彫りにしている。
https://cgworld.jp/article/2605-autodesk-diana.html
●オートデスク、Maya・3ds Max・Flow Studioの最新AIツール群を紹介 Mayaの自動モーション生成からパイプラインのアップデートまで
オートデスクが新しいAIツール群を解説する記事「How new Autodesk AI tools are boosting productivity while keeping artists in control」を公開。Maya、3ds Max、Flow Studioの最新アップデートから、新搭載のAIツール群がどのようにアニメーションやVFX制作における日常的な課題を解決し、制作期間を短縮できるかが紹介されている。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202604-Autodesk-AI.html