COYOTE 3DCG STUDIOのテクニカルアーティストチームは8月25日(火)、技術解説記事「MayaからBlenderへキャラクターを移植!レストポーズの罠」を公開した。Mayaで作成したキャラクターデータをFBX形式でBlenderにインポートする際、キャラクターのレストポーズ(初期姿勢)が意図せず変化してしまう現象について、Mayaにおけるスキニングの内部構造を掘り下げて、その原因と解決策を解説している。
インポートしたデータのレストポーズの不整合はなぜ起きるのか
MayaからBlenderへFBX経由でキャラクターデータをインポートし、Blender上でポーズメニュー→「トランスフォームをクリア」を実行して全ボーンをレストポーズに戻すと、Mayaからエクスポートした際の姿勢とは微妙に異なるポーズになるという現象がある。検証の結果、このズレは関節のrotateや、関節の向きを定義するjointOrientといった、表面的なパラメータが原因ではないことをTAチームは明らかにしている。
原因はMayaのbindPreMatrixの性質にあった
姿勢変化の根本的な原因は、MayaのskinClusterノードに存在するbindPreMatrixというアトリビュートにあったことが判明。Mayaにおけるバインドポーズは、ジョイントのポーズを一括で目的の姿勢に戻すための単なる目印に過ぎない。一方で、bindPreMatrixは、メッシュとジョイントをバインドした瞬間のジョイントの姿勢(厳密には逆行列)を記録し、メッシュを変形させる際の計算基準となる重要な情報。バインドポーズを後からつくり直してもbindPreMatrixは自動更新されないため、この過去の姿勢情報がBlender側にレストポーズとして読み込まれることで、姿勢のズレが生じることが明らかとなった。
複数のbindPreMatrixが混在しないようデータを管理することを推奨
キャラクターに後から別のパーツを追加するなどして、過去と異なる姿勢のまま部分的にバインドを行うと、データ内に複数の異なるbindPreMatrixが混在してしまう。このような不整合を抱えたデータをBlenderに持ち込んだ場合、Blender側ではいずれか1つのbindPreMatrixしか採用されない。その結果、採用されなかったbindPreMatrixに関連付けられたメッシュは変形計算のつじつまが合わなくなり、見た目が崩壊する。そのため、Maya以外のツールへの移植を前提とする場合は、バインド時の姿勢を厳密に管理することが必須となる。
Blender側で対処する場合はレストポーズの上書きを
COYOTE のTAチームは、Maya上でリラックスした姿勢のままモデリングとバインドが行われたデータをBlender上で扱う際、Blenderの機能を用いてきれいな基本姿勢に上書きする具体的な手順を紹介。ポーズモードでボーンを目的の姿勢に回転させた後、メッシュ側のモディファイアープロパティからアーマチュアを適用し、ポーズメニューから「レストポーズとして適用」を実行する。その後、再度アーマチュアを追加することで、ウェイト情報を失うことなく基準姿勢を修正できる。ただし、表情などを制御するシェイプキーを持つメッシュにはそのまま適用できない点には注意が必要とのことだ。
■MayaからBlenderへキャラクターを移植!レストポーズの罠(TECH COYOTE)
https://3d.crdg.jp/tech/archives/7093
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