オートデスク社は9月28日(月)、同社Webサイト「AREA JAPAN」にて記事「mocopi×3ds Maxが変えるアニメ制作フローとは TVアニメ『勇者パーティを追い出された器用貧乏』」を公開した。ソニーのモバイルモーションキャプチャシステム「mocopi」と3ds Maxの連携事例として、TVアニメ『勇者パーティを追い出された器用貧乏』のアニメーション制作を手がけたanimation studio42の3DCGディレクター・室薗勇輝氏がその活用方法を解説。専用プラグインの開発経緯や技術的な特徴、制作中の第2期におけるモブキャラクターのモーション制作、アニメーション制作工程への応用などについて解説している。
現場の要望から生まれた3ds Max連携プラグイン「mocopi Receiver」
開発のきっかけとなったのは、3ds Maxをメインツールとして使用するstudio42からの要望。従来、mocopiのモーションデータを3ds Maxで利用するにはMotionBuilderを経由する必要があり、データ変換やリターゲットなどの工程が導入の障壁となっていた。
2026年2月、室薗氏がソニーの開発チームに直接連携を提案したことからプラグインの開発が始まり、studio42がプロトタイプの評価やフィードバックに協力。こうして開発された「mocopi Receiver Plugin for 3ds Max」は、9月10日にオープンソースとして公開された。ライセンスはApache License 2.0、Windows版3ds Max 2023~2027に対応する。
■mocopi Receiver Plugin for 3ds Max(GitHub)
https://github.com/sony/mocopi-receiver-plugin-3dsmax
「mocopi Receiver Plugin for 3ds Max」は、mocopiアプリから送信されるモーションデータをUDP通信で受信し、3ds Max標準のBiped(二足歩行キャラクター用リグ)にリアルタイムで適用する。新規作成したBipedだけでなく、シーン内に存在するBipedへのリターゲットにも対応。実際の制作で使用するキャラクターモデルを動かしながら、体格や衣装によるメッシュのめり込み、関節の可動域、カメラアングルから見た動作の印象を確認できる。
また、収録したモーションをBipedのタイムライン上にベイクし、BIP形式で保存する機能も搭載する。既存のBVH/FBXファイルをBIP形式に直接変換するオフライン処理にも対応している。収録から動作確認、キーフレーム編集までを3ds Max内で進められる点が特徴となる。
モーション工程のみならず3Dレイアウトにもmocopiを活用
制作中のTVアニメ『勇者パーティを追い出された器用貧乏』第2期では、モブキャラクターやモンスターの群れなど、多数のキャラクターが登場するカットが増えているという。室薗氏はこうしたカットにmocopiで収録したモーションを活用することで、背景キャラクターにも個別の動きを与え、画面の密度を高められると説明。特に、従来は作業工数の制約から動きを付けられなかったモブキャラクターへの適用を想定しており、限られた制作リソースで群集表現の充実を図る手段として期待している。
studio42では、現在主に室薗氏自身がmocopiを使用し、デスク周辺で30分~1時間程度の空き時間を利用してモーションを収録しているという。収録データは3ds Max上でキーフレーム調整を施し、作品に適したタイミングへ手付けで修正する。
室薗氏は、mocopiで動きのベースを作成することで、クリーンアップや演出に合わせた調整を、比較的経験の浅いスタッフにも分担しやすくなる点がメリットだと話す。身体を実際に動かして重心移動や各部位の連動を理解しつつ、コマ抜きや動作のデフォルメを学ぶ教材としての活用も検討中とのことだ。
なお、mocopiは3Dレイアウト段階における演出検証にも活用できるという。例えば、キャラクターが歩きながら会話するシーンでは、歩行速度、移動距離、セリフの長さを考慮し、カットの尺やキャラクターの配置を調整する必要がある。mocopiで簡易的な動きを収録し、3ds Max上で再生することで、こうした時間的・空間的な関係を早期に確認できる。
さらに、mocopiであれば、短時間でベースモーションを作成して具体的な映像として提案できる。3DCGでの実現が難しそうな動作であっても、絵コンテや口頭での説明に加えてラフモーションを適用した3Dキャラクターを利用できれば、演出上の選択肢が広がる。
■mocopi×3ds Maxが変えるアニメ制作フローとは TVアニメ『勇者パーティを追い出された器用貧乏』(AREA JAPAN)
https://area.autodesk.jp/case/animation/kiyou-bimbou/
■mocopi×3ds Maxが変えるアニメ制作フローとは TVアニメ『勇者パーティを追い出された器用貧乏』(Sony XYN)
https://xyn.sony.net/ja/case/3dsmax-studio42
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https://cgworld.jp/flashnews/01-202607-3dsMax-EASports.html