SideFX社は9月28日(月)、公式チュートリアルコンテンツ「MACHINE LEARNING FOR PYRO FX」を公開した。低解像度のPyroシミュレーションを機械学習で高解像度化し、Zibra VDBで圧縮した後、Unreal Engine 5でリアルタイム再生するまでのワークフローを解説。全12回構成で動画の総再生時間は約2時間、Houdiniの中級者を対象としている。

第1~4回:Pyroシミュレーションと機械学習の基礎

▲第1回:Overview

「MACHINE LEARNING FOR PYRO FX」の第1~4回では、Pyroシミュレーションと機械学習の基礎を扱う。Pyro Solverは、煙や炎の形状を表すボリュームデータと、それらを動かす各種の力を計算する仕組み。煙の濃さを表すDensity(密度)やながれを表すVelocity(速度)などのフィールドを理解し、浮力、乱流、衝突判定などがエフェクトの挙動に与える影響を学んでいく。

機械学習の解説では、低解像度と高解像度のシミュレーションを教師データとして使用し、両者の対応関係をモデルに学習させる考え方を紹介。高解像度の計算を毎回実行する代わりに、学習済みモデルによる推論処理でディテールを補う仕組みを説明する。

実習では、基本的なエミッタから煙を生成し、密度や動き、ノイズを追加。シミュレーションの制御パラメータを調整しながら、ビューポート表示の最適化やキャッシュの扱いも確認する。

第5~8回:煙と炎を制作し機械学習モデルをトレーニング

▲第5回:Smoke Simulation

第5~8回では、樽から立ち上る煙と炎を題材に、シミュレーション制作とモデルのトレーニングを実践する。煙の制作ではカスタムEmitterと衝突判定を設定し、Wind(風)、Turbulence(乱流)、Density(密度)、Buoyancy(浮力)などを調整。厚みのある塊状の煙を表現しながら、計算負荷を抑えた低解像度キャッシュを生成する。

炎の制作では、エミッタに時間変化を加え、炎の揺らぎや形状の分裂、動きの安定性を調整。煙と炎のそれぞれについて、低解像度と高解像度のキャッシュを用意し、アップスケーリング用モデルをトレーニングする。

学習工程では、対象フィールドの選択、解像度の拡大倍率、Epoch(学習データ全体を繰り返し処理する回数)、Batch Size(1回の学習処理に使用するデータ数)などを設定する。また、学習途中のチェックポイント(モデルの保存状態)を比較し、途中段階の生成結果をプレビューしながらモデルの改善状況を評価する方法も紹介している。

第9~12回:データ圧縮とUE5でのリアルタイム再生

▲第9回:ZibraVDB Plugin Setup

第9~12回では、機械学習によって高解像度化した煙・炎のデータを、UE5上でリアルタイム再生する工程を解説する。まずHoudini側のZibraVDBツールとUE5用プラグインを導入し、ライセンス認証を設定。トレーニング済みモデルを低解像度キャッシュに適用し、煙と炎のディテールを補完する。

続いて、一定の時間で繰り返し再生できるループ処理を施し、低解像度と高解像度の結果を比較。Zibra VDBでボリュームキャッシュを圧縮してからUE5にインポートし、シーン内に配置する。UE5側では、煙の密度、炎の色や強度を調整し、周囲の環境に合わせてルックを仕上げる。

仕上げとして、複数のボリュームキャッシュを再生した場合のGPU処理時間、ストレージ容量、VRAM使用量を検証。見た目の品質だけでなく、エフェクトの複数配置を想定した実行時負荷までを確認する。

■MACHINE LEARNING FOR PYRO FX(SideFX)

https://www.sidefx.com/tutorials/machine-learning-for-pyro-fx/

■YouTube再生リスト「Machine Learning For Pyro FX」
https://www.youtube.com/playlist?list=PLAcHDtW2QWqg

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