SideFX社は10月1日(木)、9月にカナダで開催された「Houdini HIVE Equinox 2026」での奥野莉奈(Rina Okuno)氏による講演動画「Magic FX: Beyond the Preset | Rina Okuno | Equinox 2026」をYouTubeで公開した。SideFXのFXアーティストとしてHoudini 22向けのエフェクト制作に携わった奥野氏が、新たに追加されたSOP Particle FXのプリセットを紹介。キャラクターの周囲を光が飛び交う魔法エフェクトを制作し、ノードのカスタマイズからレンダーパスの設定、Copernicusによるコンポジットまでを実演している。

SOP Particle FXシェルフに追加の8レシピ

Houdini 22ではSOP Particle FXシェルフに、Fire Portal、4種類のFireworks、Magic Trail A〜Cの計8種類のレシピが追加された。各レシピはレンダリング用のLOP Networkや合成用のCOP Networkも用意されている。

奥野氏は、Magic Trail Aでは軌道のカーブを差し替えるだけでエフェクト全体が追従することを実演した。

Magic Trail Bを構成する3要素

Magic Trail Bは3要素で構成される。中心の「Particles Core」は、リボン状の形状をポイント化してノイズを加え、Path Deformでカーブに沿わせたもので、物理シミュレーションを用いない。「Particle Spray」はCoreから放出される浮遊粒子で、シミュレーションでは単純なポイントとして扱い、後ほどCopernicusのStar Glowで星形に加工する。「Particle Secondary」もCoreから放出するが、ランダムなフレームで断続的に発生させ、細い光跡を表現。このように、中心軌道と周辺粒子を分け、モーションとルックを独立して調整する。

カーブの差し替えとリボン形状・カラーのカスタマイズ

実演ではアニメーション付きのカピバラとカメラを配置し、手元の「Trail 1」と身体を囲む「Trail 2」を制作。

Trail 1はCurve SOPで描き、小さい軌道に合わせてCoreを50%に縮小。Carve SOPのキーフレームで開始・終了時刻と速度を設定し、Attribute Adjust Colorを用いて色を青から黄に変更した。

Trail 2ではSpiral SOPでらせん軌道を生成。Copy and TransformでCoreのリボンを2本から3本に増やし、縦方向の色模様が崩れないようにPath Deformより前に着色した。遠景でも光が見えるよう、Secondaryの粒子数と寿命も増やしている。

マット処理とスターグロー

2本の軌跡はCore、Spray、Secondaryごとに統合してLOP Networkへ読み込み、全体のBeautyパスと光粒子だけのStarsパスを出力。Starsパスを重ねるとキャラクターの背後の粒子が手前に見えるため、Render Pass LOPでキャラクターをMatte Objectに指定し、遮蔽を反映する。

CopernicusではStarsパスに輝度調整とBlurを加え、Star GlowのThreshold、光条数、長さを調整。各層をOverで合成して仕上げている。

Magic Trail Cの調整

Magic Trail Cは球体、渦状のライン、粒子、2層のボリュームで構成されるが、作例では渦と粒子のみを利用。差し替えたカーブに合わせてチューブ半径を縮小し、Twist Amplitudeを上げ、渦のかたちを整えた。軌跡の開始フレーム、継続時間、長さはCarve SOPではなくVEXで制御し、First UとSecond Uの属性で表示範囲を切り出す。先端の引き伸ばしに使うオフセットは0.03から0に変更。粒子は渦の後端から放出し、発生数の調整を行っている。

なお、質疑応答では「多数のラインを扱うためCarveよりVEXが適していた」と説明している。

■Magic FX: Beyond the Preset | Rina Okuno | Equinox 2026(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=EGwn4QNtLoU

CGWORLD関連情報

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鍋 潤太郎によるCGWORLD.jp連載「新・海外で働く日本人アーティスト」より、奥野莉奈氏へのインタビュー記事。一般企業からCG業界への転身を決意し、オンライン学習やカナダのVFX専門学校での経験を経てSideFXに採用されるまでの経緯を紹介しているほか、Houdini 22.0に標準搭載の公式サンプルエフェクト(魔法3種類、花火4種類)の制作にも言及している。
https://cgworld.jp/regular/122-okuno.html

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SideFXが日本語公式サイト上にFrame48のHoudini事例解説記事「小規模スタジオ環境における APEX、Solaris、USD の役割」を公開。Frame48のCGスーパーバイザーEnrique de la Garza氏が、Lenovo「Yoga Pro 7a」の広告映像制作を題材に、HoudiniのAPEX、Solaris、USDを活用したパイプラインの構築手法を解説している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202610-Houdini-Frame48.html

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202610-HoudiniLOPS.html