Maxon Computer社は9月4日(金)、Ryan Kingslien氏によるアナトミーベースの人体スカルプトライブ配信動画「Sculpt That Anatomy in ZBrush, with Ryan Kingslien」を公開した。ゼロから非対称でスカルプトを開始し、細部の筋肉よりも構造や平面、動きの方向性を優先することで、素早く説得力のある人体モデルを構築するプロセスを実演している。

ダイナメッシュを用いた非対称からのベース構築

Kingslien氏は序盤から、シンメトリーをオフにし、あえて非対称の状態で胴体のスカルプトを開始している。骨盤をボックス型、胸郭を卵型として捉え、ダイナメッシュを活用しながら胴体のベースとなるボリュームを素早く構築。頭のサイズを基準としたプロポーションを常に意識しつつ、重心や人体のひねりといったジェスチャーを初期段階からダイナミックに表現している。

フォームコンセプトによる関節周りの簡略化

中盤では、膝や足首といった複雑な関節周りのモデリングについて言及。Kingslien氏はこれらを複雑な骨格として捉えるのではなく、基本的な「フォームコンセプト」に落とし込むアプローチを推奨している。具体的には、膝は幅が頭の半分のサイズに相当するボックスとして捉え、足首も同様に四角いブロックとして構築する。さらに、足先については足の指やアーチを最初からつくり込むのではなく、靴として全体のアウトラインを彫刻する。これにより、構造の破綻を防ぎながら全体のバランスを素早く確定できる。

筋肉の描写よりも平面を優先

動画全体を通して繰り返し強調されているのが、筋肉などの解剖学的なディテールよりも、シルエットを形づくる平面(プレーン)を優先するという考え方。早期から筋肉の複雑な曲面を追うと全体の構造を見失いやすいため、まずは身体をシンプルな多面体として捉え、構造の整合性を担保する。この平面さえ正確に構築されていれば、細かい筋肉が彫り込まれていなくとも、十分に説得力のある人体像になると話している。

ZSphereを活用した腕のポージングと肩周りの構造調整

腕のモデリングでは、胴体とは独立したZSphereを使用。胴体と最初から一体化させないことで、胸郭や肩甲骨といった下地の構造を破壊せずに、腕の角度やジェスチャーを柔軟に試行錯誤できる。腕の配置が決まったら、首のくぼみから鎖骨、そして肩峰へと連なる構造をブロック状に配置し、そこから三角筋や広背筋などの筋肉を被せていく。

■Sculpt That — Anatomy in ZBrush, with Ryan Kingslien(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=HmtIrmBtxlk

CGWORLD関連情報

●Maxon、Shane Olson氏によるZBrushライブ動画を公開 スタイライズド3Dキャラのブロックアウトから3Dプリントまで

MaxonがShane Olson氏によるライブスカルプト動画「Tim Curry Darkness - Stylized ZBrush Sculpt Part 1 | Shane Olson」を公開。映画『レジェンド/光と闇の伝説』(1985)に登場する魔王をモチーフにしたスタイライズドキャラクターを題材に、ブロックアウトから動的トポロジーを利用したスカルプト、パーツ分割を見据えたカスタムブラシの活用法、ZRemesherによるメッシュ構造の整理などまで、一連の造形ワークフローを解説している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202609-ZBrush-Stylized.html

●Maxon、ZBrushによるスタイライズドハードサーフェスモデリングの様子をライブ配信 Heather Courage氏による講演

MaxonがFirestorm Studioのキャラクターアーティスト・Heather Courage氏によるライブスカルプト動画「Hard Surface Details with Heather」を公開。武器や装飾品といったハードサーフェスパーツのディテールアップ手法を中心に、トポロジーの管理や効率的な毛束の作成アプローチについて、約1時間半にわたって解説している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202608-ZBrush-HSurface.html

●ZBrushによるドラゴンのチュートリアル動画公開 Marmoset Toolbag 5でのライティング〜レンダリングまで

Pablo Muñoz Gómez氏が動画「How I Made This Dragon - From Start to Finish」を公開。ドラゴンの頭部を題材に、ZBrushによるベースメッシュの作成やスカルプト、テクスチャリング、そしてMarmoset Toolbag 5によるライティングとレンダリングまでを実演している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202606-ZB-Dragon.html