名湯一門高見屋が運営する体験型アート施設「山寺ギャラリア」が10月1日(木)、山形県山形市にオープンした。総合プロデュース・企画はティーアンドエス、制作は同社のクリエイティブ部門THINK AND SENSEが担当。山寺(宝珠山立石寺)に伝わる約1,200年の精神文化を、映像、光、音、香りと身体反応に連動するインタラクティブ表現で再解釈した。現地での実写撮影や3Dスキャン、生成AIを組み合わせた制作に加え、Unityを用いた独自VFXシステムも導入されている。
旧美術館を再生し山寺の精神文化をデジタル技術で伝える体験型アート施設
「山寺ギャラリア」は、旧・山寺後藤美術館の建物を活用した屋内型の文化体験施設。JR山寺駅から徒歩約5分、山寺の堂塔群や自然を望む立地にある。今回の展示制作に先立ち、THINK AND SENSEは宝珠山立石寺の住職や地域の関係者への聞き取り、参拝・現地取材、文献調査を実施。歴史的建造物や伝統を単純に再現するのではなく、山寺の自然や思想を身体で感じる体験へと変換する方針を定めた。
バイタルデータで光と映像が変化するメイン展示「照応|SHO-O」
メイン展示「照応|SHO-O」は、「互いに響き合い、関係し合う」という言葉をコンセプトに、山寺の自然・精神・時間と鑑賞者の自己が作用し合う様子を表現する体験型インスタレーション。構成には、現代アーティストの作品を展示する「Mirror」、水墨画的な映像空間「Flow」、岩の造形物と映像を組み合わせた「Landscape」、不滅の法灯をモチーフとする「Continuum」、香りによる「Scent」が含まれる。
THINK AND SENSEは現地調査からコンセプト・体験設計、試作・実装までを担当。来館者のスマートウォッチで取得したバイタルデータを映像や光の変化へ反映させることで、「自己」という内面的な存在を視覚化し、外界と内界の相互作用を知覚できる構成とした。
「Flow」実写の墨の動きと生成AIを融合した独自のNEO水墨画
「Flow」は、山寺で撮影した写真や3Dデータ、実写の墨の動きを、AIと3DCGで再構成した13×3.4mの没入型映像作品。「諸行無常」「一心三観」を表現する。THINK AND SENSEは水を張った水槽に半紙を浸し、墨汁を垂らす様子を撮影。制作例では、撮影素材をモノクロ化し、画像生成AIによって岩などのディテールを加えた後、着色とエフェクトを施している。
墨の濃淡による黒い形状を岩へ置き換えるimage-to-image処理では、元画像の輪郭、位置、向き、縦横比と俯瞰視点を保持するようプロンプトで制約。「入力画像が俯瞰時の岩のシルエットであると明示すると、AIが岩だと誤認してくれる」とTHINK AND SENSEは説明する。
また、同社は映像・照明・音響を1画面で操作するソフトウェアベースの統合型メディアコントロールシステム「Ambience」も紹介している。
「Landscape」Artec Leoによる3DスキャンとUnity製VFXシステムで身体反応を映像化
「Landscape」は、山寺に実在する7つの奇岩をモチーフとした、身体反応連動型のインタラクティブ作品。THINK AND SENSEは岩を3Dスキャンし、半透明のオブジェとして3Dプリントした。
スマートフォンによるスキャンでは約5mm〜1cmのピッチで岩肌の細部が再現できず、Artec Leoを導入して0.5mm解像度、0.1mm精度で計測した。データ削減・箱型への成形には、コーディングエージェントで作成したツールも活用している。
映像は「芽吹く」「咲く」「枯れる」「風吹く」「凍る」「流れる」「苔むす」の7テーマを用意。
「咲く」では現地調査をもとに花の画像を生成し、色情報を抽出。本作のために開発したUnity製VFXシステムで花の選定・配置・アニメーションを制御し、スマートウォッチのバイタルデータに応じてリアルタイムに映像を生成。映像の光を岩肌オブジェに重ねて見え方を変化させる。
■山寺ギャラリア
https://yamaderagalleria.jp/ja
■THINK AND SENSE
https://thinkandsense.com/
■約1200年の歴史を誇る山寺に、体験型アート施設が誕生!「山寺ギャラリア」2026年10月グランドオープン(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000039926.html
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