エンターテインメント業界を中心に、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオは、リアルタイムCGに高品質なレンズ効果をポストプロセスで実装できるミドルウェアの最新バージョン「YEBIS 4(エビス4)」の提供を開始した。
シリコンスタジオは2006年に「YEBIS」を発表して以来、実写レベルの光学エフェクトを実現すべく、研究開発を重ねてきた。「YEBIS」は、CGに実写レベルの光学エフェクトを追加できるポストプロセスミドルウェアで、被写界深度(DOF)、ボケ味、レンズフレア、収差など、カメラのレンズ特性を忠実に再現することが可能であり、これまで国内外の数多くのAAAゲームや映像作品に採用されてきた。
新たに発表された「YEBIS 4」では、最新のGPUアーキテクチャに最適化されたアルゴリズムを搭載し、より高品質な光学表現と高速な処理を両立。波動光学を用いた回折パターンや玉ねぎボケなど、さらに写実性の高い被写界深度・ボケ表現が可能になった。
また、ゲーム中とカットシーンで異なる品質のエフェクトを切り替えられる柔軟性や、開発・デバッグを支援する多彩な補助機能も強化。解像度の異なる複数ビューポートへの対応や動的解像度、各種内部バッファ表示など、現場で求められる使いやすさを追求した。
主な機能と特徴
被写界深度(DOF)とボケ表現
エッジ部分に現れやすいアーティファクトも軽減し、より自然な被写界深度とボケ表現を演出できる。
レンズの収差とボケ味のカスタマイズ
レンズを通った光がどのようなボケ像を形作るかをリアルタイムに確認しながら、収差やその補正状態を調整。これにより、バブルボケやソフトボケ、多彩なカラーフリンジなど、さまざまな表情をもつボケを簡単に演出可能に。
絞り形状の表現とカスタマイズ
「YEBIS 4」は絞り形状の表現力も向上し、自由度の高いカスタマイズが可能です。絞り羽根の枚数や円形絞りの強度、羽根のカーブや継ぎ目の微妙な歪みなどを調整し、手裏剣ボケなど多彩なボケ味と特殊な絞り形状を表現できる。
非点収差とぐるぐるボケ
像面湾曲と非点収差をサポートしており、ナチュラルなボケの歪み表現や、ぐるぐるボケといった特徴的なボケ表現も可能。
アナモルフィックレンズエフェクト
広く知られる楕円ボケと横フレアだけでは、本物のもつ独特の雰囲気の再現に十分とは言えません。YEBIS 4ではさらに特有の非点、歪曲、倍率色収差、ケラレ、ゴーストなどにより、本当のアナモルフィックレンズのような複雑で独特な空気感の演出が可能。
アップスケーリング技術との効率的な連携
DLSSなどのアップスケーリング技術と連携し、ポストエフェクトを効果的に適用することが可能です。アップスケーリングのタイミングの制御や中間スケーリングにも対応し、品質と速度バランスの細かな調整が可能。

YEBIS 4について

YEBIS 4は、実写やCGによるリアルタイムビジュアルに対し、さまざまなエフェクト(被写界深度ボケ、レンズフレア、モーションブラー、アンビエントオクルージョン、カラーグレーディング、アンチエイリアスなど)をポストプロセスで付加できるミドルウェアである。絞り開閉とレンズの収差、補正シミュレーションにより、写真のようなボケ味を再現することができる。YEBIS 4 を導入することで、リアルタイムビジュアルの映像品質と開発効率を大きく革新することが可能だ。
詳しくはこちらお問い合わせ
シリコンスタジオ株式会社
www.siliconstudio.co.jp