オートデスク株式会社は7月31日(水)、同社プロジェクト管理ツール「Flow Production Tracking」(略称、Flow PT)の最新アップデートとして、タスクからのスケジュール生成機能「Generative Scheduling」をリリースした。Autodesk AIが搭載された本機能の活用により、納期や予算、チームの稼働状況といった、常に変化するプロジェクトの変数を考慮した制作スケジュールが高速で生成できるという。

Flow Production Tracking(Flow PT)とは

Flow PTは2024年3月末、従来のプロジェクト管理ツール「ShotGrid」から名称変更により誕生した製品。オートデスクが現在推進する、メディア&エンターテインメント向けの業界クラウド「Autodesk Flow」に最初に接続される製品として旧ShotGridが重要視されていたことから、「Flow」を含む新しい名称に変更となった。ShotGridで提供されていた機能は維持しつつ、Flowとの連携強化による新しいワークフローを提供するという。

Generative Schedulingの概要と利用方法

Generative Schedulingは、多数のタスクを抱える制作チームが、迅速にスケジューリングシナリオを評価・検討するために実装された機能。スケジュール生成はFlow PTから独立しているため、本番のプロジェクトに影響を与えることなく代替のシナリオを比較できる。

本機能では、プロジェクトの依存関係や優先順位、利用可能なリソースを尊重しながら、AIが素早く最適なスケジュールを提案し、ガントチャートとして生成する。オートデスクのテストでは、タスクが1,000個ある入り組んだプロジェクトのスケジュール生成がわずか5分で済んだという。

複数のシナリオに沿ってスケジュールを生成し比較できる

納期やスタッフなどに変更が生じた際、新しい条件で即座に代替スケジュールを生成できるだけでなく、特定の部門の作業開始が遅れるといった場合にも、その影響をスケジュール上で評価できる。

コンポジット部門(紫色)の作業開始が遅れるというテストケース

日本語による詳細な設定方法は、下記オートデスク メディア&エンターテインメント事業部のWebサイト「AREA Japan」を参照してほしい。

Generative Scheduling 初期設定
https://area.autodesk.jp/product/flow-production-tracking/blog/2024/07/aa.html

Generative Scheduling Flow PT側のプロジェクト設定(要件)
https://area.autodesk.jp/product/flow-production-tracking/blog/2024/07/generative_scheduling.html

Generative Scheduling Resources タブの表示(Shaping と Capacity 設定)
https://area.autodesk.jp/product/flow-production-tracking/blog/2024/07/generative_scheduling_resources_resourcesconstrain_priority.html

Generative Scheduling Schedule タブの表示(Constrain と Priority 設定)
https://area.autodesk.jp/product/flow-production-tracking/blog/2024/07/generative_scheduling_schedule.html





下記はFlow Generative Schedulingのヘルプ文書(英語)。
https://help.autodesk.com/view/GENSCHD/ENU/

CGWORLD関連情報

●プロダクションにおけるチーム、ワークフロー、データ連携を実現する「Autodesk Flow」とは何か?

オートデスク M&E部門 EVP、ダイアナ・コレラ氏のインタビュー記事。当時のWonder Dynamics社との協業についても触れている。
https://cgworld.jp/article/autodesk-flow.html

●オートデスク製品の進化、USDやMaterialXへの適応とBifrostの機能とは? ~ Autodesk Day 2023(4)

CGWORLDとオートデスクのオンラインフェス「Autodesk Day 2023」内のセッション「オートデスクのオープンスタンダード対応とBifrostテクノロジーアップデート」のレポート記事。オートデスク製品の最新情報を、同社M&E テクニカルセールス マネージャの渡辺揮之氏が詳説した。
https://cgworld.jp/special-feature/202309-autodesk-day-bifrost.html

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https://cgworld.jp/article/autodesk-202304.html