オートデスク株式会社10月16日(水)3ds Max 2025.3 Updateをリリースした。配列モディファイヤやブール演算モディファイヤの処理が高速化したほか、CATとBipedの安定性が向上。その他、USD for 3ds Max 0.9、Arnold for 3ds Max 5.7.5.0、OpenPBR対応などの更新も盛り込まれている。

配列(Array)とブール演算(Boolean)の高速化

3ds Max 2025.1と比較して、配列モディファイヤは50〜210%、ブール演算モディファイヤは20~50%処理時間が短縮した。

配列モディファイヤの高速化(提供:Changeso Eun氏)

CATとBiped の改善

CAT(Character Animation Toolkit)とBipedの機能・安定性を改善。CATについては、モーションレイヤによるCATの不安定化の解決、CATにより周囲の評価がブロックされる問題の修正、CATモーションエディタを使用した適切な地面へのスナップなどを実現。Bipedについては、FBX使用時にBipedエクストラボーンが使用できるようになり、Biped MaxScript機能も改善された。

『ベビー・ドラゴン』(提供:Norberto Aguilero氏)

プリミティブのプロパティエディタを追加したUSD for 3ds Max 0.9

USD for 3ds Max 0.9では、修正(Modify)パネルにプリミティブプロパティが表示されるようになり、ここでUSDのプリミティブを検査・編集できるようになった。また、USDカーブを3ds Maxシェイプとして読み込む機能が追加され、USDポイントインスタンスについて「既定」、「カード(ボックス)」、「カード(クロス)」の3つの描画モードからひとつを作成できるようになった。

USDのプリミティブプロパティを表示

オープンソースシェーディングモデルのOpenPBRが利用可能に

OpenPBRが利用できるようになり、スレートおよびコンパクトマテリアルエディタからOpenPBRマテリアルにアクセスできるようになった。このマテリアルはビューポートでサポートされるほか、3ds Max 2025.3のArnold for 3ds Max 5.7.5.0プラグインにより、Maya 2025.3と同様、OpenPBRサーフェスシェーダが導入され、OpenPBRマテリアルのレンダリングが可能となった。

マテリアルエディタからOpenPBRマテリアルにアクセス

■3ds Max 2025.3 Update リリース ノート(3ds Max 2025 ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/3DSMAX/2025/JPN/?guid=3dsMax_ReleaseNotes_3dsmax_2025_3_releasenotes_html

■3ds Max 2025.3 Update の新機能(3ds Max 2025 ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/3DSMAX/2025/JPN/?guid=GUID-92D9655E-EDC8-4933-B95A-C3A211609EB3

■3ds Max 2025.3 リリース(AREA JAPAN)
https://area.autodesk.jp/product/3ds-max/features/2025-3/

3ds Maxチュートリアル動画の追加

なお、この2ヶ月でオートデスクはYouTube「Autodesk 3ds Max Learning Channel」に、ブール演算、リトポロジー、配列などを扱ったチュートリアル動画を多数追加している。

ブール演算モデリングの概要
メッシュをリトポロジ化する方法
配列の概要
3ds Maxのビジュアライゼーション(シリーズ)
高度なArrayの使用
配列アプリケーション

CGWORLD関連情報

●3ds Max用環境制作ツールキット「ForestPack 9」リリース! 3ds Max 2025サポート、ForestIvyプラグインによるプロシージャルなクライミング植物制作が可能に

ITOOSOFT社が3ds Max用の環境制作ツールキット「ForestPack 9」をリリース。シーンのジオメトリに反応するリアルなクライミング植物を制作できるForestIvyプラグインを新搭載するほか、3ds Max 2025もサポートする。
https://cgworld.jp/flashnews/202409-ForestPack9.html

●3ds Max用パーティクル&マルチフィジックスシミュレーションプラグイン「FumeFX 6.5 for 3ds Max」リリース! PhysXベースのGPU流体シミュレーションが可能に

Sitni Sati社が3ds Max用の定番VFXプラグイン「FumeFX」の最新バージョン「FumeFX 6.5 for 3ds Max」をリリース。FumeFX 6.0で導入されたノードベース環境NodeWorksを拡張するかたちで、PhysXベースのGPU流体シミュレーションシステムが実装されている。
https://cgworld.jp/flashnews/202409%E2%88%92FumeFX65.html

●3ds Max 2025.2リリース! SVGサポート、USDアップデート、Flow Retopologyによるリモートメッシュ処理など

3ds Max 2025.2 UpdateではSVGファイルの読み書きに対応するほか、データチャネルモディファイヤ(DCM)の新しいプリセットのサポート、USD for 3ds Max 0.8、Flow Retopology for 3ds Max 1.0などの更新が実装されている。
https://cgworld.jp/flashnews/202408-3dsMax2025-2.html