オートデスク株式会社は7月31日(水)、3ds Max 2025.2 Updateをリリースした。SVGファイルの読み書きに対応するほか、データチャネルモディファイヤ(DCM)の新しいプリセットのサポート、USD for 3ds Max 0.8、Flow Retopology for 3ds Max 1.0などの更新が実装されている。

ベクトルデータSVGファイルのサポート

3ds Maxに読み込んだW3C SVGロゴ(Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0 International: CC BY-SA 4.0)

ベクトルデータ形式のSVG(Scalable Vector Graphics)ファイルの読み書きに対応。SVGデータ内の複数のベクトルデータは個別またはグループの3ds Maxスプラインとして読み込まれ、SVGのレイヤー情報に基づいてZ深度としてソートされる。カラーデータもオブジェクトカラーまたはマテリアルとして読み込むことができる。SVGのストロークは、レンダリング可能なスプラインデータとしてサポート。

また、編集可能ポリゴンとしてデータを読み込むオプションもあり、その際にはスプライン頂点ノットを閉じる場合に自動連結、あるいは自己交差する曲線をクリーンアップするという、自動クリーンアップ オプションも利用できる。

SVGファイルの書き出しでは、オブジェクトカラーがSVGオブジェクトの塗りつぶしカラーとして定義され、X位置がSVGレイヤーに置き換えられ、ピボットデータの書き出しもできる。レンダリング可能なスプラインはストロークとして書き出される。

データチャネルモディファイヤの新しいプリセット

アニメーションを行うと、DCMの新オプション「トップを選択」(Select Top)で選択した頂点が表示され(左図赤色部分)、モデルの回転に伴って更新される。その後、配列モディファイヤを使って頂点に草を分配(モデルとセットアップ:Changeso Eun氏)

データチャネルモディファイヤ(DCM)に新しいプリセットオプションが追加。メッシュデータを選択対象に変換してモディファイヤスタックに渡す新しいプリセットオプションと、チャネルデータを変更する新しい方法が用意されている。

USD for 3ds Max 0.8

USD(Universal Scene Description)プラグインがアップデートされ、ビューポート内でUSDカメラを使えるようになった。角度、視野、アニメーションなど、参照ファイルのカメラ構成を確認できる。その他、USDデータを使用する3ds Maxコントローラとして、Xformプリミティブから変換するXformコントローラ、XformプリミティブまたはUSDオブジェクトのアトリビュートから位置・回転・スケールを取得するコントローラなども追加。

Flow Retopology for 3ds Max 1.0

提供:Fanny Vergne氏

リモートクラウドコンピューティングを利用してメッシュ操作を処理し、作業を続けながらジョブを完了できるFlow Retopologyに対応。3ds MaxのRetopologizeツールと同様に機能し、複雑なジオメトリを簡略化できる。

Arnold for 3ds Max 5.7.2.1 プラグイン

Arnoldプラグインの更新はMaya 2025.2と同様で、トゥーンのトーンマッピング、ボリュームのノイズ除去の改善、ライトリンクのグローバル ライト サンプリングのサポート、OSLの相互運用性の改善、OpenVDB 11の更新などが実装された。





全更新内容は下記オートデスクのリソースを参照してほしい。

●3ds Max 2025.2 リリース(AREA Japan)
https://area.autodesk.jp/product/3ds-max/features/2025-2/

●3ds Max 2025.2 Update の新機能(Maya ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/3DSMAX/2025/JPN/?guid=GUID-763AC114-A0FF-4839-8978-8985FAFFC2AC

CGWORLD関連情報

●3ds Max 2025.1リリース! 新OSLシェーダ搭載、モディファイヤ・ペイントウェイト・カラー管理の機能改善など利便性&安定性がアップデート

2024年5月にリリースされた3ds Max 2025.1の更新内容からポイントをピックアップして紹介。
https://cgworld.jp/flashnews/202405-3dsMax2025-1.html

●プロダクションにおけるチーム、ワークフロー、データ連携を実現する「Autodesk Flow」とは何か?

オートデスク M&E部門 EVP、ダイアナ・コレラ氏のインタビュー記事。当時のWonder Dynamics社との協業についても触れている。
https://cgworld.jp/article/autodesk-flow.html

●Maya、3ds Maxの最新開発事情は?オートデスク バイスプレジデントに聞く、 コロナ禍で激変する世界のユーザー環境とメディア&エンターテインメント製品開発の最前線

オートデスク M&E部門 VP(Vice President)を務めるモーリス・パテル氏(Maurice Patel)に、グローバルのユーザー動向や最新の開発事情を聞いたインタビュー記事。
https://cgworld.jp/article/autodesk-202304.html

●オートデスク製品の進化、USDやMaterialXへの適応とBifrostの機能とは? ~ Autodesk Day 2023(4)

CGWORLDとオートデスクのオンラインフェス「Autodesk Day 2023」内のセッション「オートデスクのオープンスタンダード対応とBifrostテクノロジーアップデート」のレポート記事。オートデスク製品の最新情報を、同社M&E テクニカルセールス マネージャの渡辺揮之氏が詳説した。
https://cgworld.jp/special-feature/202309-autodesk-day-bifrost.html