オートデスクは3月にリリースした3ds Max 2025のマイナーアップデート、3ds Max 2025.1 Updateを5月23日(木)にリリースした。乱流カラーノイズシェーダを新搭載し、配列モディファイヤ、ブール演算モディファイヤ、ペイントウェイトの機能改善をはじめ、利便性や安定性向上に繋がる更新が施された。

ここでは、3ds Max 2025.1 Updateの新機能と更新の一部を紹介する。全更新内容はこちらから確認できる。

●シェーディング:OSLシェーダ 乱流カラーノイズ(Turbulent Color Noise)新搭載

OSL(Open Shading Language)シェーダのひとつとして、わずかな位置のディスプレイスメント処理を繰り返すことで乱気流をエミュレートする「Turbulent Color Noise」シェーダを新搭載。組み込みの虹色エフェクトを調整し油膜などを作成できるほか、浮動小数点数を出力して他のカスタムランプを制御することも可能だ。

●モデリング:配列モディファイヤ(Array Modifier)の改善

配列モディファイヤのパフォーマンスが向上し、最大250%高速化。また、乱数シードのアニメートにも対応する。

●モデリング:ブール演算モディファイヤ(Boolean Modifier)の改善

ブール演算モディファイヤでは、ボリュームベースのメッシュ作成が大幅に簡易化。ボクセルサイズはスピナー(値を調整する上下矢印)により0.1単位で調整でき、操作結果は自動的にビューポートに反映される。また、ボクセルサイズの誤設定により処理時間が長くなった場合、Escキーで計算を中止することも可能となった。

●セットアップ:ペイント ウェイト(Paint Weights)の改善

従来、ペイントウェイトにおいて[Shift]キー+[Alt]キーでボーンに対してブラシでスキンウェイトを適用する際、反応が過剰でコントロールが困難な場面があったが、強さのコントロールができるよう変更された。

●カラー管理:OCIOの更新

3ds Max 2025から新規シーンの規定カラー管理モードとなったOCIO(OpenColorIO)も改善。シーンの切り替えがアクティブな場合に、カラーセレクタの色相・ブラックネス・ホワイトネスがレンダリングスペースに表示されるようになり、リセット時のカラー管理設定の反映や警告のコントロールなども調整された。

3ds Max 2025.1のその他の更新として、Arnold 7.3.1.1を含むMAXtoA 5.7.1.1の付属(ノイズ除去の更新、MaterialX とOCIOのサポート改善)、Substance 3.0.0の搭載、スキンモディファイヤのMAXScriptサポート、Python 3.11.8の搭載などがある。

全更新内容は下記オートデスクのリソースを参照してほしい。

3ds Max 2025.1 リリース(AREA JAPAN)
https://area.autodesk.jp/product/3ds-max/features/2025-1/

3ds Max 2025.1 Update の新機能(3ds Max 2025 ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/3DSMAX/2025/JPN/?guid=GUID-584026C2-5EAA-4F03-B676-0A4D0C2372AA

3ds Max 2025.1 Update リリース ノート(3ds Max 2025 ヘルプ)
https://help.autodesk.com/view/3DSMAX/2025/JPN/?guid=3dsMax_ReleaseNotes_3dsmax_2025_1_releasenotes_html

なお、AREA JAPANのYouTubeチャンネルでは、3ds Max 2025の新機能解説動画を公開している。

3ds Max 2025 概要
01 OCIOカラー管理 | 3ds Max 2025 機能紹介ムービー(新機能解説動画7本中1本目)

※掲載画像・動画は全て公式サイトからの引用

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