Epic Gamesは1月28日(火)、スマホのカメラを利用してフォトグラメトリー(複数の写真から3Dモデルを生成する技術)が可能な無料アプリ「RealityScan 1.6」をApp StoreおよびGoogle Playで公開した。新バージョンではカメラをマニュアルでコントロールできるモードが追加されたほか、新しい処理オプションパネルが追加されている。

▲アプリ起動時に表示されるスキャンできない/できる物体についての説明

カメラの設定をマニュアルでコントロールできる「Camera Control Mode」が追加

RealityScanには従来、リアルタイムで点群(ポイントクラウド)を表示し、カメラ位置ガイダンスを保持しながらキャプチャを行うのが仕様だったが、新バージョンでは従来のモードを「Augumented Reality Mode(拡張現実モード)」とし、新たに「Camera Control Mode(カメラコントロールモード)」が追加された。

▲プロジェクトスタート時にモードを選択できる
▲Augumented Reality ModeのUI

▲Camera Control ModeのUI。右はシャッタースピードとISOの手動設定の様子

カメラコントロールモードでは、フォーカスやシャッタースピード、ISO、ホワイトバランス、フラッシュ設定をマニュアルでコントロールできる一方で、リアルタイムの点群表示やカメラ位置のオーバーレイはできない。用途に応じて、拡張現実モードとカメラコントロールモードを切り替えてスキャンを行うことができる。

解像度などのカスタマイズに対応する新しいProcessing Options Panel

▲Processing Options Panelでは上からサムネイル、メッシュ解像度、メッシュフィルタリング、テクスチャ解像度の設定が行える

スキャン後のプロセス前には新しくProcessing Options Panel(処理オプションパネル)が表示され、サムネイルでキャプチャした画像を素早くプレビューできるようになった。

また、Mesh Resolution(メッシュの解像度)はNormal(最大10万ポリゴン)またはHigh(最大100万ポリゴン)のどちらかを選択でき、さらにMesh Filtering(メッシュフィルタリング)オプションをSmoothまたはDetailedに設定できる。Smoothは複雑なディテールを必要としないメッシュに対して有効で、ノイズの少ない結果が得られる。Detailedでは細かなディテールのあるコインなどのスキャンに適している。


さらに、Texture Resolution(テクスチャ解像度)は4Kまたは8Kといった、それぞれ2択のオプションが用意され、パネル内で選択できる。

▲Mesh Resolution、Mesh Filtering、Texture Resolutionの2択をそれぞれ変更したところ。解説文が変化している

なお、スキャンしたモデルはSketchfabにアップロードしてからFBX、USDZ、glTF形式などでダウンロードできるほか、アプリからもディフューズとノーマルのJPEG画像、OBJ、MTL形式のファイルをまとめたZIPファイルがダウンロードできる。

■RealityScan 1.6 Release Notes(英語)
https://forums.unrealengine.com/t/realityscan-1-6-release-notes/2307066

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