Maxon Computer社は2月12日(水)、プロダクション向けGPUアクセラレーションバイアスレンダラ「Redshift 2025.3」をリリースした。エリアライトとドームライトに対するカメラ寄与スケールオプションの追加、スタンダードボリュームとクラシックボリュームシェーダのマルチスキャッタ強化、スタンダードボリュームのディスプレイスメント入力、MayaでのUSD Proceduralのサポートなどを実装している。

エリアライト&ドームライトのカメラ寄与オプション

Redshift 2025.3では、ドームライトからHDRを使った時の背景表示オンオフの機能が消え、代わりにコントリビューションにカメラのパラメータ追加されました。これにより、背景表示がより柔軟になりました。

エリアライトやドームライトがカメラの視認性に依存しないよう変更され、ライティングの自由度が向上。カメラに対するライトの可視性がカメラの「Contribution」→「Camera」スライダでコントロールできるようになった。

▲カメラの「Contribution」→「Camera」スライダでライトの可視性をコントロール

また、エリアライトの「Visibility」パラメータは「Blocks Rays」に変更され、ライトの可視性を切り替えることができるようになった。

▲Blocks Raysパラメータによるライトの可視性の切り替え
▲ライトが不可視でも透過マテリアルを通して視認することができるようになった

ボリュームのマルチスキャッタエフェクト強化

▲マルチスキャッタエフェクトオン(左)とオフ(右)

スタンダードボリュームとクラシックボリュームシェーダが、強化されたマルチスキャッタ(Multiscatter)エフェクトによりアップデート。新しい「Extinction Falloff(消滅減衰)」パラメータを使用することで、パフォーマンスの低下なしに数百のボリュームバウンドをシミュレートできるようになった。

▲マルチスキャッタのパラメータとしてExtinction Falloffが追加

スタンダードボリュームのディスプレイスメント入力

▲Noiseのディスプレイスメントを入力(左)、ディスプレイスメントなし

ボリュームとエミッションチャンネルに同時に作用する新しいディスプレイスメント入力により、ボリュームのディスプレイスメントを簡単に追加できるようになった。

▲スタンダードボリュームにNoiseノードを入力

USD Proceduralが新たにMayaをサポート

Redshift USDローダーであるUSD ProceduralがHoudini、Solaris、Katanaに加えてMayaを新たにサポート。RS Proxyを用いてUSDファイルのロードとレンダリングが行えるようになった。USDアセットはレンダリング時のみロードされるため、プライマリシーンファイルの軽量化とシーン抽出時間の短縮が実現できる。

▲Maya上でUSD Proceduralを作成
▲USD Proceduralのパラメータ

その他、NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズ(Blackwellアーキテクチャ)のベータサポート、USDコマンドラインの改善、Solaris Visualize VOPのサポート、Katanaプラグインのアップデートなども実装している。全更新内容はこちら。

■Redshift 2025.3.0 (2025.02) - 2025年2月12日(Maxon日本語ヘルプセンター/リリースノート)
https://support.maxon.net/hc/ja-jp/articles/8814051767964-Redshift-2025-3-0-2025-02-2025%E5%B9%B42%E6%9C%8812%E6%97%A5

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