株式会社バンダイナムコエンターテインメントは、株式会社バンダイナムコ研究所と協力して、AI技術を活用したライブ配信・実況を行うAIキャラクターのプロジェクト「プレイBYライブ」を発足した。
詳細はこちら

■概要

「プレイBYライブ」は、バンダイナムコエンターテインメントが展開する、IP(キャラクターなどの知的財産)メタバースや動画配信、ライブ会場などのエンターテインメントに、バンダイナムコ研究所が研究開発を進める最先端のAI技術を組み込むことで、完全独立型の新たなバーチャルキャラクター像を具現化させるプロジェクトである。

AIキャラクター向けに最適化されたゲーム環境において、高品質な音声合成を含むゲーム実況システムなど最先端のディープラーニングベースAI等を搭載したAIキャラクターが視聴者を盛り上げる存在として実況・配信する。

まずは、2022年6月より実験・公開しているAIキャラクターによるゲーム実況「ゴー・ラウンド・ゲーム(ごらんげ)」を今秋本格稼働する。この「ゴー・ラウンド・ゲーム(ごらんげ)」は、AIキャラクター同士がゲーム対戦し生配信するチャンネルで、AIキャラクターが視聴者からのコメントを読み取り思考したうえで、感情を表現しながら返事をしたり、コメント欄からの指示や投票を頼りにゲームを攻略したりするため、誰にも先の見えない展開を繰り広げることが魅力である。

現在はYouTubeチャンネルにて麻雀の実況を行なっているが、今後の展開として、新たなAIキャラクターを登場させるほか、視聴者のコメントを反映しながらそれぞれのAIキャラクターが個性豊かなプレイスタイルへ成長していくとともに、キャラクター同士のリーグ戦など「AIキャラクター同士の戦いをバーチャル観戦・応援する楽しみ」を拡大していくという。

また、「プレイBYライブ」システムは現在、バンダイナムコエンターテインメントが制作中のガンダムメタバースに向けても開発が進んでおり、ガンダムファンが集う場所を盛り上げることに特化したAIキャラクター「メロウ」も登場予定である。

■「プレイBYライブ」システムの特徴

(1) 視聴者の存在を意識しながらゲームを攻略する意思決定AI
これまでのゲーム攻略AIはゲームプレイヤーを楽しませることを目的に、そのプレイヤーと一緒にゲームを遊ぶ対戦相手・協力相手のAIとして進化してきた。一方で、「プレイBYライブ」で開発しているAIは、観戦している動画プラットフォームの視聴者を楽しませることを目的に開発されているため、視聴者が盛り上がるプレイやキャラクターの個性が感じられたりするプレイを意識してゲーム攻略を思考する。さらに、視聴者の意見を取り入れて攻略方針を柔軟に変えたり、AIが現在進行形で考えていることや次に実施したい作戦を視聴者に説明出来たりと、ライブ配信者として必要な思考機能を搭載したシステムとして開発を進めているという。

(2) 「1対 複数」の場で視聴者の声を拾いリアクションすることに特化した集団対話AI
現在、多くのサービスで利用されているチャットボットなどのAIは、質問への回答やプライベートな話し相手になることを目的に1対1での対話を前提にした技術が使われている。「プレイBYライブ」の対話AIは、AIキャラクターひとりに対し数百人の視聴者が自由に配信チャットに投稿する場を想定しているため、大量の感想や質問、キャラクターに投げかけるコメントの中から、いま取り上げると面白いコメントや紹介したいコメントをピックアップして、その場を盛り上げるようなリアクションを返すことができる。人間のライブ配信者が行っている行動を、AIならではの記憶力や迅速なテキスト解析力とバンダイナムコグループが培ってきたIPプロデュース力を組み合わせてAIに搭載することで、配信を盛り上げることが可能になった。

(3) 感情を表現しながら語りかける新型の音声合成AI
一般の音声合成AIは、サービスの案内役として何かの案内を行うことを目的としているため、穏やかに文字を読み上げて情報を正確に伝えることに重きを置いて開発されることが主流であるが、「プレイBYライブ」のAIキャラクターは、その場を一緒に楽しんでいる存在だからこそ、ライブ感あるリアクション音声で話すことができる。成功も失敗も視聴者と共に分かち合うことを目指して開発された、感情のこもった新型の音声合成システムを搭載している。

■「ゴー・ラウンド・ゲーム(ごらんげ)」とは

AI実況配信者によるゲーム実況番組で、2022年6月より「season1」としてYouTubeにて試験運用を開始している「プレイBYライブ」の第一弾企画。