VTuberの「中の人」が表に出てくることはタブーとされているが、それを逆手にとり、キャラクターとモーションアクターが一緒に踊る動画がSNSで話題となっている。それが、CGプロダクション・デジタルモーションの広報担当として活動するVTuber「デジモちゃん」だ。

デジモちゃんの動画は「自分の推しのVTuberもこんなスーツを着て配信しているのか!?」といった驚きの声や「キャラクターとアクターさんの動きの違いが面白い」といった声を集め、注目されている。

今回は、デジタルモーションの広報担当として、そしてVtuberとしてYouTubeやTiktokを中心に活動する「デジモちゃん」に、VTuberとしての活動の目的やモーションアクターとの共演を始めた理由についてお話をうかがった。

デジモちゃん@デジタルモーション YouTubeチャンネル

企業広報としてVTuber活動を行う「デジモちゃん」

CGW:本日はよろしくお願いいたします。

デジモちゃん:よろしくお願いします! デジタルモーションの公式キャラクターとして、Twitter、YouTube、TiktokなどのSNSを中心に広報活動を行なっています。

デジモちゃん

デジタルモーション公式キャラクター
各SNSを通じてデジタルモーションの広報担当として、またVtuberとして活動を行う。

YouTube
Twitter

CGW:デジモちゃんのYouTubeショート動画を拝見しました! こちらの動画が400万再生突破したそうですね。

YouTubeにて再生回数467万回(2023年3月時点)を記録したショート動画
デジモちゃんとモーションアクター・野田氏が『ビートDEトーヒ』のペアダンスを踊っている。
2人で踊っているように見せるため、野田氏は編集で反転させているそうだ

デジモちゃん:ありがたいことに多くの反響をいただいています! 今回のインタビューもそうですが、この動画がきっかけでお声かけいただくことが増えています。また、海外の方や、VTuberがお好きな方からのコメントも多く、様々な方に見ていただいているのを実感しています。

CGW:デジモちゃんは普段どういった活動をしているんですか?

デジモちゃん:2D/3Dアニメーション制作会社である「デジタルモーション」の公式キャラクターとして、Twitter、YouTube、TiktokなどのSNSを中心に広報活動を行なっています。もともとは数年前からVTuberとして動画投稿を始めていたのですが、今年に入ってから、広報としての活動をもっと広げていきたいということで、モーションアクターさんと一緒に出演する、制作の裏側のような動画も始めました。

CGW:YouTubeやTiktokなどの動画投稿は、どういった目的で開始されたのですか?

デジモちゃん:「デジタルモーション」という会社があることを、この業界だけでなく多くの方に知っていただきたいというのが一番の理由ですね。加えて、これまであまり表に出てこなかった「VTuberがどのように制作されているのか」というところも広く発信していきたいと考えています!

デジモちゃんのモーションアクター・野田氏が、TiktokやYouTubeなどのショート動画で流行しているコーディネート紹介動画のかたちでモーション撮影のためのOptitrackスーツやマーカーを紹介

バーチャルにも人の手が加わっていることを示したい

CGW:アクターさんとキャラクターが一緒に踊るという手法を選んだのはなぜですか?

デジモちゃん:まず第一にデジタルモーションの強みとして社内にOptiTrackというシステムを使用したモーションキャプチャを撮影する環境があり、キャラクター、ワールドなどのモデル制作、モーション収録、映像編集まですべて一気通貫でできるというところをアピールしていきたいと思ったんです。モーションキャプチャ収録によってアクターさんの表現がこんなに豊かにキャラクターに反映できること、それとバーチャルなものづくりにも必ず人の手が加わっている、ということをもっと示していきたいですね。

CGW:デジモちゃんのダンス収録で気をつけていることはありますか?

デジモちゃん:アクターさんから伺ったのですが、VTuberとして踊る際には、収録後にデータを編集する方のことを考えて踊らないといけないみたいです。なので、キャラクターの動きがモデルデータを貫通しないようにキャラクターと自分の動きを考えたうえでパキっとおおげさに踊ることを心がけているそうです!

CGW:デジモちゃんは踊っているときの表情も豊かですが、これも収録しているのですか?

デジモちゃん:表情は、モーション収録と同時に、専用のコントローラーを使用して表情付けを行なっています。

CGW:デジモちゃんは、VTuberとして「歌ってみた」「踊ってみた」などの動画も出されていますよね?

デジモちゃん:はい。歌ってみたでは、原曲をリスペクトしながら、デジタルモーションとしての魅力もアピールできればと思い、MVのステージ制作、モーション収録、映像編集などもすべて自社で制作しています。

トンデモワンダーズ/デジモちゃん・チビモちゃん【歌ってみた】【踊ってみた】
【千本桜】DigitalMotion テクニカルムービー

デジモちゃん:また、実はオリジナル曲を出したりもしています。

CGW:VTuberとして精力的に活動されているんですね! では最後に、今後デジモちゃん、そしてデジタルモーションとして目指すところはどこですか?

デジモちゃん:まずは、YouTubeの登録者10万人を目指して頑張りたいですね! そして動画を通してCG制作やデジタルモーションの魅力を伝えられればと思います。大きな目標でいうと、「デジモちゃん」として、ライブなんかもやってみたいですね!

CGW:ありがとうございました!

アクター協力:野田真理愛氏