現地時間2月2日、第95回アカデミー賞のアカデミー科学技術賞において、「Substance 3D Designer」の映画業界における実績が評価され、開発者であるSebastien Deguy氏、Christophe Soum氏、Sylvain Paris氏、Nicolas Wirrmann氏の4名に対して、技術成果賞が贈られることが決まった。


アカデミー賞は下記のコメントを発表。


Adobe Substance 3D Designer provides artists with a flexible and efficient procedural workflow for designing complex textures. Its sophisticated and art-directable pattern generators, intuitive design, and renderer-agnostic architecture have led to widespread adoption in motion picture visual effects and animation.


「Adobe Substance 3D Designerは、複雑なテクスチャをデザインするための柔軟で効率的なプロシージャルワークフローをアーティストに提供します。その洗練された、アートディレクション可能なパターンジェネレータ、直感的なデザイン、レンダラに依存しないアーキテクチャは、映画の視覚効果やアニメーションに広く採用されています」(訳:編集部)

受賞者のひとりであるSebastien Deguy氏(Adobe社3D & Immersive部門のVP)は早速Twitterにその感動を綴った。

「物心がついたときからVFXとアニメーションに情熱を注いできましたが、ようやくここまで辿り着いたと感じています」(訳:編集部)


Sebastien Deguy氏はAllegorithmic社のファウンダーのひとりで、同社で開発した「Substance Painter」と「Substance Designer」の生みの親である。ツイートからは熱い感慨が伝わってきた。


授賞式はロサンゼルスにあるアカデミー映画博物館にて、現地時間の2月24日に執り行われた。

開発者受賞インタビュー

受賞にあわせてYoutubeではSubstance 3Dデザイナー4名の開発者インタビューが公開されている。あわせてチェックしてもらいたい。

▲Adobe Substance 3D Wins 2023 Academy Award

「Substance 3D Designer」とは

ゼロからノードを組み合わせてシームレスな3Dマテリアルやパターン、3Dモデルの作成が行える、「Adobe Substance 3D」ファミリーの主要製品のひとつ。

今や映画やゲームを問わず幅広く利用され、現在では業界標準の地位を確立しているツールである。最大の特長はプロシージャル(手続き型。複数の処理を組み合わせて何かを生成または操作すること)であること。数百種類に及ぶノードとフィルタを組み合わせることで、あらゆる角度からテクスチャ制作にアプローチでき、無限にマテリアルを生成できる。

また、数千のマテリアルを擁する充実したコミュニティアセットからベースを選び、唯一無二のバリエーションをつくり出すような使い方も可能で、使い方の幅が広い。

原稿執筆現在のバージョン12.4では、ノードの自動クリーンアップ機能やパラメータフィールドへの数式入力、ランダムシード生成ボタンの追加など、作業効率を高める機能強化が行われている。

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