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実に 8 年ぶりのリニューアルを果たした、デルのタワー型ワークステーション「Dell Precision T5600」。洗練されたデザインと高いパフォーマンスを兼ね備える本機、今回はフル CG 劇場長編『キャプテンハーロック』のCG映像制作を手がけた MARZA ANIMATION PLANET の中核スタッフにその実力を体感してもらった。
筐体デザインを刷新し様々なニーズにも対応
今回は『キャプテンハーロック』の制作に、キャラクターアニメーション、そしてモーションキャプチャのスーパーバイザーとして参加した坂本知万氏と、MARZA ANIMATION PLANET(以下、MARZA)のシステム管理を担当してる佐藤勇治氏のお二人に、数日試用してみた感想を語ってもらった。まずはじめに MARZA のようなハイクオリティな 3DCG アニメーションに特化した大手プロダクションであっても、デジタル・アーティストたちが使用するマシンはコモディティ化(均質化)しており、ウルトラハイエンドなグラフィックスボードや数十 GB ものメモリを搭載するといった高スペックマシンの導入は、ライティングやエフェクトなど一部のチームに限定されるという。
もちろん大規模なレンダーファームやファイルサーバを構築している MARZA だからこその考えとも言えるが、それゆえにワークステーションに対しても単なる数値的なスペック勝負ではなく、アーティストにとっての使いやすさやメンテナンスのしやすさといった、日頃の使い勝手の良し悪しが評価の要になっているそうだ。「今回、試させてもらった Dell Precision T5600 は、前モデルに比べてコンパクトになり、軽くなったのでメンテナンスがやりやすくなりましたね」(佐藤氏)。
『キャプテンハーロック』では、CPU3.6GHz クアッドで NVIDIA Quadro FX3800、メモリは 12 もしくは 24GB というスペックのワークステーションを使用していたそうだが、Dell Precision T5600 のパフォーマンスに対してはどのような印象を抱いたのだろうか。「僕のようなキャラクターアニメーターは、Maya や MotionBuilder における再生フレームレートがいかにリアルタイムに近いパフォーマンスを引き出せるかを重視しています。Dell Precision T5600 は、最新の NVIDIA Quadro K5000 になり、これまで使っていた Quadro FX3800 との比較で、Maya の viewport2.0 を ON にすると約 2.5 倍までパフォーマンスを高めることができました。今後プラグインなどが整ってきたらぜひ使っていきたいですね」(坂本氏)。Houdini によるエフェクト制作など、GPGPU の恩恵をダイレクトに得ることができる 3DCG 作業であれば Quadro K5000 のパフォーマンスをさらに引き出せることだろう。
クリエイティブワークに最適な使い勝手の良さを追求
先述の通り、近ごろは数値的なスペックよりも実際の使い勝手を重視する傾向にあるという両氏だが、Dell Precision T5600 の筐体デザインや内部構造に対しても好感を抱いたという。「実はハイエンドな 3DCG 制作現場ほど、プロジェクトの進捗に応じて頻繁にスタッフ構成が変わります。そのため人によっては席替えすることも多いので、シャーシと一体化したハンドルが付いた本機は持ち運びがしやすそうですね」(佐藤氏)。「アニメーション作業の際はリップシンクなど音に合わせて動きを付けることが多いのですが、前面にヘッドホン端子があるのがすごく良いなと思いました。特に自分の場合は机の下に筐体を置く派なので、縦置きにした時にも手が届く上部に各種 I/O がまとめられているのは使ってみて便利でした。フェイシャルアニメーションの参考のために自分の表情を Web カメラでキャプチャするときにも、一連の操作がやりやすかったです」(坂本氏)。こうした使い勝手の良さを実感したという MARZA では、次なるプロジェクトにおいて、Dell Precision シリーズでの制作を予定しているそうだ。「最近では、各社ごとのスペックや価格面での差が少なくなってきているので、メンテナンス性やデザイナーにとっての使い勝手を、導入の決め手と考えるプロダクションはますます増えてくると思いますよ」(佐藤氏)。
Information
『キャプテンハーロック』
2013年 秋・全国ロードショー
原作総設定:松本零士/監督:荒牧伸志/脚本:福井晴敏、竹内清人/アニメーション制作:東映アニメーション、MARZA ANIMATION PLANET
harlock-movie.com
©LEIJI MATSUMOTO/CAPTAIN HARLOCK Film Partners
TOPIC1:PERFORMANCE
NVIDIA Maximus に対応した
ハイスペックコンパクトモデル
Dell Precision T5600 は最新の Kepler アーキテクチャを採用した NVIDIA Quadro シリーズをサポートしており、NVIDIA Tesla GPUを組み合わせることにより、「NVIDIA Maximus」テクノロジーの恩恵を得ることも可能だ。豊富な ISV 認証はもちろんのこと、メンテナンスのしやすさも特筆に値する。
工具が不要でワンタッチで開口できる側面パネルのおかげで平易にマシンの中を確認したり、部品交換、メモリやボードの増設などが可能だ。もちろん部品交換などは、目的のスペックにセットアップ済みのコンピュータを入手した全ての人が必要な機能ではない。しかし数十台規模といった数多くのマシンを扱う現場のシステム管理者やメンテナンス担当者にとっては、この容易さは大きな魅力だ。また、筐体内に配置されたケーブル類のワイヤリングも全体としてすっきりとしており、混沌としたケーブルの中をぬって交換作業をする苦労も軽減される。
筐体のカバーを外すのが容易。工具なしでメンテナンスや確認ができる(画像左)、電源の容量アップも工具なしで交換可能。ファン音も大変静かだ(画像右)
今回は「NVIDIA Quadro K5000」搭載機を試用、申し分ないパフォーマンスだったという
TOPIC2:USABILITY
かゆいところに手が届く
心にくいデザイン
Dell Precision T5600 の優れたデザイン性とユーザビリティには感心する。これまでに世界中のユーザーから届けられたフィードバックに対して真摯に応えた結果と言えるだろう。その好例が、天面にある少し凹んだ物置きスペース。外付けハードディスクを仮置きしたり、クリエイターであればお気に入りのフィギュアが置けるスペースにもなる。凹んでいるので、ボールペンなどの文房具を置いても転げ落ちない。また、筐体自体の様々な設置方法にも配慮がなされており、デスクの上に縦置きだけでなく、横置きやラックマウントに設置するといったことも想定されたデザインに仕上がっている。どのような置き方であってもアクセスしやすいように各種 I/O が筐体前面に集められている点も評価したい。そして最大のポイントは、筐体デザインのシンボルとも言える前面と背面に据えられたアルミ製ハンドルである。持ち運びがしやすく、シャーシと一体化しているので見た目もスマートだ。
前面と背面にハンドルが付いているので持ち運びが便利になった(画像左)、意外と重宝するのが天面の凹み、丸みを帯びた形状物を置いても転がり落ちない(画像右)
前面の I/O は上位置にまとめられており、筐体を床面に置いてもアクセスしやすい
インタビューを終えて
中島 章 氏 (デル マーケティング統括本部)
高い処理性能という部分だけでなく、メンテナス性や持ち運びの便利さなど、マシントータルでプロの制作現場を支えられる重要なインフラであるのが、ワークステーションなんだと改めて実感しました。これからもデルは、プロの皆さんをサポートしていきます。
澤井理紀 氏 (エヌビディア Tesla Quadro 事業部)
最新の Kepler アーキテクチャを採用した Quadro は、高い映像処理・並列処理性能だけでなく、最大4画面までの同時出力や、4K ディスプレイへの接続にも対応しているので、複数のアプリケーションを並べて使える作業効率の高いデスクトップ環境もお勧めしたいですね。
TEXT_CGWORLD 編集部