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創業20年を迎えたイニスは、ゲーム事業の新時代へ向かって、イニスジェイとして再始動した。今後の事業戦略と求められる3DCGアーティスト像、そしてオリジナルキャラクターの制作エピソードを聞いた。


■求人情報
イニスジェイでは現在下記職種を募集中です。
①キャラクターモデラー/Character Artist
②背景モデラー/ Environment Artist
③アニメーター/ Animator
④エフェクトデザイナー/ Visual Effect Artist
⑤アートディレクター/ Art Director
⑥進行管理/Project Manager
⑦UI/UX デザイナー/UI/UX Designer
⑧ゲーム/映像業界を志望する新卒の方

詳しくはJOBSをご覧ください。

音楽ゲームのイニスから総合力のイニスジェイへ

今年で創業20周年を迎える老舗ゲームディベロッパーのイニス。その同社が2017年3月にイニスジェイとして再スタートを切った。これにあわせてオリジナルキャラクター『Robust Warrior』、『三蔵法師』を発表。開発体制の強化をめざして3DCGアーティストを募集中だ。

▲【左】『Robust Warrior』【右】『三蔵法師』

「これまで弊社には、ともすると『海外案件』、『音楽ゲーム』、『家庭用ゲーム』というイメージがありました。実際はさまざまなタイトルを開発していたんですけどね。そこで新生イニスジェイでは、より幅広い姿勢をアピールしたいです。『国内案件』、『多様なゲームジャンル』、『モバイルゲーム』にも積極的に挑戦していきます」(CG部部長・齋藤亮介氏)。 これにあわせて人材登用にも力を入れている。特に「キャラモデラー」、「背景モデラー」、「アニメーター」で、ハイエンドなCG作成をこなせる、若手3DCGアーティストの採用を進めている。コンシューマはもちろん、モバイルゲームも急速に進化し、今後はよりクオリティが求められていくという考えからだ。

実際、今回公開された2体のオリジナルキャラクターからもわかるように、技術力は折り紙付きだ。もっとも、CG部の平均年齢は30代と高めなのが玉にきず。それだけに「みな若手を育てたくて、うずうずしているメンバーばかり。遊技機向け映像制作など、ゲーム業界以外からの応募も歓迎です」(齋藤氏)と語った。オリジナルキャラクターの制作も現場の要望だった。モデリングチームが、本誌「CGWORLD」202号に掲載された旧イニスオリジナル作品の"Unreal Engine 4(以下、UE4)テストシーン『打ち捨てられた廃墟』"をみて、「キャラクターでもやらせて欲しい」と齋藤氏に提案したのだ。齋藤氏はCGの技術検証にもつながると快諾。このようにクリエイターのさまざまな提案が受け止められる自由な社風が特徴だ。

▲Unreal Engine4 テクニカルデモムービー 『打ち捨てられた廃墟』

それぞれ1ヶ月で仕上げたという2体のオリジナルキャラクター『Robust Warrior』、『三蔵法師』はCG部の林 亮佑氏と亀井慎也氏が制作を担当し、社内のアーティストにデザイン画を発注するところから始まった。ZBrushとMayaでCGモデルを作り、Substance Painterでテクスチャを作成。UE4でレンダリング。『Robust Warrior』には攻撃モーションも加えられている。 完成したキャラクターは奇しくも「肉体と鎧」の組み合わせとなった。UE4でレンダリングした際に金属の材質が映えるからというのが理由だ。しかし男性と女性でデザインの方向性や、肌の質感の違いが異なっているのがわかるだろう。「今回のキャラクターに象徴されるように、これからもハイエンドなグラフィックで多彩なゲーム開発に取り組んでいきます」(齋藤氏)。腕に自信のある経験者はもちろん、ステップアップを検討中の若手には、良いチャンスではないだろうか。

Episode 1
ZBrushのFiberMeshで眉毛、ひげを表現『Robust Warrior』

▲『Robust Warrior』

海外のアクションゲームが好きだったこともあり、「筋肉と鎧と大剣」をコンセプトにデザイン画を発注した林氏。ラフ画をもとにコンセプトアーティストとディスカッションしつつ、細部は自分の判断でモデルを作り上げていった。鎧が左右非対称になっている点もポイントで、「女性キャラが『三蔵法師』のイメージだったので、右肩の鎧は猿をモチーフにした」という。また、鎧と剣で同じデザインの部分があると個性が強まるという理由から、ベルトのバックルと剣の柄部分で同じ紋様が刻印されている。

技術面では眉毛、ひげやドレッドヘアなどの毛の表現を追及した点が特徴だ。顔はFiberMeshで眉毛、ひげを作成し、ドレッドヘアはNARBSでカーブを作り、チューブ状にしてリボルブ(回転)やツイスト(ひねり)を加えるなどして、編み込みが行われている。作業自体は大変だったが、完成後のサイズ調整が容易で、UVも同じになるため、テクスチャやノーマルマップが省力化できたという。もっともUE4の標準レンダリングではディテールがつぶれやすく、調整に時間が取られるという思わぬデメリットもあったという。このほか剣の光沢はUE4のエミッシブマテリアルで表現。ライティングには近距離ライトを10個以上使い、目にハイライトを入れるなどの工夫が行われている。

▲【左】ZBrush FiberMesh機能での表現【右】Mayaキャプチャ画面

▲【左】Substance Painterでのテクスチャ作成【右】UE4でのライティング。弱めのライトを多数使用している

Episode 2
ノーマルマップに頼らず細部までメッシュで表現

▲『三蔵法師』

「ファンタジーで鎧を着たキャラクター」というテーマで女性キャラクターのデザイン画を発注したら、『三蔵法師』が上がってきたという亀井氏。「ハイエンド系で日本ならでは」というサブオーダーもあり、特に表情にこだわった。欧米系やアジア系のキャラクターにはない、繊細さと端麗さを併せ持つ顔立ちで、眉毛や睫毛の細かい部分まで丁寧に作られている。ポージングでは幼さを残し、神格的なキャラクター性とのギャップを活かした。

制作で苦労した点は鎧や光背のディテールだそう。実務では細部までキッチリとデザインされることが多いが、今回は自分で細部を決めながらモデリングする必要があり、予想以上に時間をとられたという。もっとも、それだけにゲームキャラクターでは採用されにくい、立体的な造形に挑戦できた。普段はノーマルマップを活用した、平面的な鎧になりがちだが、今回は腰当てをあえてフレームの組み合わせで表現するなど、手間のかかるやり方が採用されている。レース風の布も最適な密度感になるように試行錯誤が繰り返されたという。肌の質感はSubstance Painterでテクスチャを作り、UE4で透明感が出るようにシェーダを調整した。髪の毛にはGMH2 Maya Hair Scriptが使用されている。

▲【左】ZBrushでスカルプトしたモデル【右】Mayaのキャプチャ画面

▲【左】Substance Painterでのテクスチャ作成【右】UE4でのライティング

▲【左】特にこだわったという光背【右】立体的なデザインの腰当て

TEXT_小野憲史


■求人情報
イニスジェイでは現在下記職種を募集中です。
①キャラクターモデラー/Character Artist
②背景モデラー/ Environment Artist
③アニメーター/ Animator
④エフェクトデザイナー/ Visual Effect Artist
⑤アートディレクター/ Art Director
⑥進行管理/Project Manager
⑦UI/UX デザイナー/UI/UX Designer
⑧ゲーム/映像業界を志望する新卒の方

■雇用形態
正社員/契約社員/アルバイト/業務委託(経験、希望により決定)

■勤務地
〒153-0051
東京都目黒区上目黒2-9-35 中目黒GS第2ビル2F
*東急東横線/東京メトロ日比谷線 中目黒駅より徒歩2分

■待遇
●給与
年俸制(正社員)
・年俸を12分割して支給
・経験・能力により優遇、相談の上決定します

●諸手当
交通費全額支給

●昇給
年1回

●就業時間
フレックスタイム制 10:00~19:00
*コアタイム 10:00~15:00

●各種保険
社会保険完備(雇用、労災、健康、厚生年金)
退職金制度あり

■休日休暇
完全週休2日制(土・日)、国民の祝日、年次有給休暇、夏季年末年始休暇、誕生日休暇

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