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ゲームやCGムービーで培った技術を活かしてインタラクティブアートやVRはもちろん、プロトタイピングや、現代美術にまで事業展開し、国内外で注目を集めているdaisy*(以下、デイジー)。社会環境や技術の進化に合わせながら柔軟に業態を変化させ、時代の一歩先ゆく3DCGの価値を提案し続けている。「昨日までモデリングしていたと思ったら、今日は3Dプリンタでモックアップの出力。明日はリアルタイムレンダラの技術検証。自分達がたまに"何屋さん"かわからなくなりますね」と笑って話すのは同社スタッフたちだ。
そんなフレキシブルな制作手法を支えているのはマウスコンピューターのPC。高いコストパフォーマンスと信頼性から、映像制作の現場でもすっかり定着しているが、近年ではゲーム、建築、プロダクトの分野での活用事例も増えてきている。デイジーもヘビーユーザーの一社だ。もともとは自作PCを中心に社内PCを構成してきた同社にその導入理由やその真価を伺った。

▲【上】用賀にスタジオを構えるデイジー。国内外からアーティスト・エンジニアが集う【下】同社所有の3Dプリンタ

映像・プロトタイピング・インタラクティブアートまで幅広く対応

デジタル化の進展とインターネットの普及により、従来の産業構造が音を立てて崩れている昨今。こうした中で業界の垣根を軽やかに越えつつ、国内外で活躍を続けているのがデイジーだ。自ら「デジタルクリエイティブスタジオ」と称する同社の事業領域は、ゲームやCGムービーだけに留まらない。インタラクティブアートやVRはもちろん、近年では3Dプリンタを活用したプロトタイピングや、現代美術の領域まで進出している。

「もともとゲーム・CGの制作会社として2004年に創業しましたが、次第に競争が激化していくのを感じ始めていました。そんなころ、たまたまフランスのJAPAN EXPOとイギリスのLONDON DESIGN FESTIVALにインタラクティブアートを出展する機会がありました。弊社としても自分たちがそれまで培ってきたノウハウを用いて、一般向けに展示作品を作ったらどうなるだろうという思いがあったんです。そこで確かな手応えを感じたことがきっかけでした」(代表取締役・稲垣匡人氏)

▲稲垣匡人氏(代表取締役)

同社の主要な事業領域は3つだ。第1に売上の柱であるゲーム・CG分野のBtoB向け受託業務。第2にはVRやプロトタイピングといった新たな技術を活用したBtoB向け新規事業。そして第3にテクノロジーを活用した現代美術の作品制作だ。参加者の表情を取り込み、仮想世界のキャラクターにしてしまう『HAKONIWA』や、ロボティクス技術・AI・インタラクティブサウンドを融合させた『Lazy Arm』は国内外の展示会で高い評価を得た。IoT産業の拡大などの追い風を受けて、さらなる新規事業での拡大も見込んでいる。

同社は10数年前ストラタシス社の3Dプリンタを製造業以外では日本で初めて導入した実績がある。大手家電、自動車メーカーなどとのコラボで、プロトタイピングやコンセプトモデル制作などを創業時から続けてきた。これらのプロジェクトには同社のCG制作や3Dプリンタが活用されている。
また、産学連携にも力を入れており、昨年はスタンフォード大学のインターンシッププログラムで、Oculus Riftとブレインスキャン技術を組み合わせた脳波測定器のプロトタイプを制作し特許の申請を行なっている。

「現代美術は市場が大きい一方で、テクノロジーとの融合があまり進んでおらず、今後の成長が期待できます。VRやIoTなどの新規市場も同様。もっとも、これらの分野に挑戦できるのもゲームやCGの受託開発で得たノウハウや売上があってこそ。それぞれが互いに影響を与えています」と稲垣氏は語る。新たに新規事業、海外展開でPRやプロデュースを担当するルアナ・マテイ氏を採用し、海外での展開も本格的に力を入れ始めた。同社の活動はさらに勢いを増していきそうだ。

daisy* 『HAKONIWA』 from daisy Inc. on Vimeo.

▲UnityとKinectを用いたVR作品『HAKONIWA』。来場者に3Dスキャンを行うと仮想現実に自分のアバターが登場。来場者はそのアバターを操作して世界を探検したり、自分のアバターを観察することができる。参加人数が増加し、次々にアバターも加わることで、HAKONIWAは生命力にあふれるにぎやかな世界になる
出展:アートはサイエンス展2017/MILANO DESIGN WEEK 2015/Game Developers Conference (GDC) 2015/TOKYO DESIGN WEEK 2014, 2015/LONDON DESIGN FESTIVAL 2014

daisy* 「Lazy Arms」Installation Movie from daisy Inc. on Vimeo.

▲インスタレーション作品『Lazy Arms』。ロボティクス、AI、リアルタイムサウンドシステムを融合し、オーケストラの指揮者の如く、音と色を奏でることができる。体験者の動きを含めてエモーショナルな空間を構築する。
出展:ロボットって何だろう展 2017/TOKYO DESIGN WEEK 2015/DIGITAL CONTENTS EXPO 2015

"変化"し続ける現場に、自作派にとっても納得の構成と信頼性

一つの分野に留まらず、技術革新にあわせて軽やかにスタイルを変えていく同社の姿勢は、機材選びにも表れている。稲垣氏は「大手メーカーのワークステーションはスペックや価格がエントリーとハイエンドクラスで両極端になりがちなので、長く自作PCを使ってきました。しかし台数が増えるにつれてメンテナンスコストがかさむようになり国内、BTO系メーカーの製品を検証してきましたが、その中でもマウスコンピューターのPCは、パーツ構成や充実したサポート体制など、コストと併せて総合的に見て一番バランスが取れています」と語る。

前述のように同社の作品群は多岐にわたり、社内のアーティストも担当職種がプロジェクトごとに変わる。そのため機材選定も、ベースとなるモデルおよびマシンスペックを定め、用途やアウトプットによってグラフィックスボードやメモリ容量、インストールするソフトウェアなどを変えることで対応している。マシンは大きくコンテンツ制作用と展示用途に分けられ、前者では安定性やメモリ容量、後者ではそれらに加えて、リアルタイム処理が求められる傾向にあるという。

▲インタビューに応じていただいた同社スタッフ。左から、太田修司氏(シニアCGディレクター)、ルアナ・マテイ氏(プロデューサー・PR)、木村 歩氏(CGディレクター)

同社でシニアCGディレクターをつとめており、機材選択の責任者も兼ねる太田修司氏は「コンテンツ制作向けに2016年5月、マウスコンピューターのクリエイター・エンジニア向けブランド『DAIV』シリーズより、Quadro M4000搭載モデルを5台購入しました。クリエイター向けマシンとして、主要なDCCツールの認証がついている安心感やドライバの安定性やDisplayportでの4画面出力に対応している点も大きかったです」と語る。

▲前述の『Lazy Arms』はRhinocerosを用いてアーム部分が設計されている【上】。ロボットアームの制御はUnityで行われている【下】。これら一連の作業はQuadro M4000を搭載したDAIVにて行われている

もっとも近年ではVRコンテンツの展示用や、GPUレンダラの登場などで、リアルタイム用途の重要性も高まってきた。そこで今年は展示用に、同じDAIVシリーズよりGeForce GTX1080Ti 搭載モデルを購入したところだという。VRコンテンツの展示再生では90フレーム/秒を安定して保持することが求められ、少しでもフレームレートが低下すると「VR酔い」の原因になる。また、同じくCGディレクターでR&Dもつとめる木村 歩氏は、GPUレンダラのRedshiftの検証を進めており、すでにHoudiniでの制作ワークフローに導入したと明かした。

▲現在同社では木村氏を中心にGeForce GTX1080Tiを搭載したDAIVでHoudini+Redshiftを検証中だ。「圧倒的なスピードが出せるので、今後コンテンツ制作の手法が変化しそうです」(木村氏)とのこと。

数あるBTO系メーカーの中でマウスコンピューターを選択した理由は、信頼性とコストパーフォマンスが大きかったという。その上「可搬性やメンテナンス性の高い筐体に、用途に応じてさまざまなパーツを選定でき、サポート体制が充実している同社の製品は理想に近い。なにより壊れない」(稲垣氏)と、実際の使用後も良さを実感していると続けた。プロのコンテンツ制作からハードな展示ユースまで、さまざまな用途に最適な一台が組める点はBTOならでは。そこで選ばれ続けている点が信頼の証しだろう。

POINT01:
制作現場にフィットした"使い勝手の良い"筐体設計

▲Quadro M4000を搭載したマウスコンピューターのDAIV。デイジーでは、インタラクティブ・VR向けコンテンツから、CADデータを用いたプロダクトのモックアップ制作まで多様なシーンで活躍している。VRAMが8GB搭載されているだけあり、デイジー導入の各種アプリケーションに対しても、いかんなくそのパフォーマンスを引き出すことができる。
【Quadro M4000搭載機 使用アプリケーション一覧】:Maya、3ds Max、Houdini、Rhinoceros、ZBrush、mental ray、V-ray、MotionBuilder、RealFlow、After Effects、Premiere Pro、Nuke、Unity、Unreal Engine、Redshift、Arnold,Photoshop、Illustrator、PhotoScan、Substance Designer(Painter)

モデラーやコンポジターといった明確な職種区分は設けず、状況に応じてさまざまな職種をこなすゼネラリストが求められる同社の社風。「あるプロジェクトではモデラーだった人物が、別のプロジェクトではプロジェクションマッピングを担当するなども珍しくない」(太田氏)のだという。そのため同社では、マウスコンピューターのクリエイター・エンジニア向けブランドDAIVをベースに、GPUにQuadro M4000を搭載したモデルを選択。決め手となったのがQuadro搭載モデルという"安定感"もさることながら、筐体にハンドルがついていたり、オプションでシャーシ下部にキャスターがつけられたりと、可搬性を高める工夫が随所にみられる点だ。プロジェクトごとに席替えが多く、PCを持って移動することも多いため、こうした工夫が実作業に大きく影響するのだという。ドライバーなどの工具を用いることなく、ワンタッチで前面パネルの取り外しが可能なため、PCの大敵「ホコリ除去」が容易に行えるなど、メンテナンス性が高い点も評価ポイントだ。このほか意外と気になるのが空冷ファンの風斬り音だ。この点についても稲垣氏は「ファンが静音設計になっており、他社製品に比べて作業に集中できる点も嬉しいですね」と評価した。

POINT02:
インタクティブの現場に求められる"タフな"構成

▲『HAKONIWA』の展示風景

展示会場でデモ展示が行われることも多い同社の作品群。その多くでモーションセンサーやゲームエンジンを活用したリアルタイム処理が行われており、CPUやGPUが常にフル稼働している。作品によっては複数台のPCを並列で使用することもあり、中でも中核となるレンダリングマシンにはデスクトップPCが使用されている。もっとも、展示の都合上でPCがバックヤードに押しこまれたり、時には外部から見えないように箱に収められてしまうこともしばしば。この状態で展示期間中、休みなくフル稼動することが一般的なのだという。こうした苛酷な展示状況の中でも、「展示会によっては1ヶ月くらい連続で稼働することもあります。それでもマウスコンピューターのPCはこれまで、故障らしい故障をしたことがなく、非常に安定していますね」とCGディレクターの木村氏は評価した。ストレージをSSDに限定しているのも、長時間の稼働と運搬時の衝撃に対応する必要がある展示用マシンならではの仕様だ。(クリエイター用PCにはSSDとハードディスクが併用されている)

デイジー導入PC01:
NVIDIA Quadro M4000搭載 クリエイター向けDAIVシリーズ

  • DAIV-DQZ500H1-SP2

    ●OS:Windows 7 Professional 64ビット
    ●CPU:インテル Core i7-6700K プロセッサー (4.00GHz/4コア/8スレッド)
    ●メモリ:32GB (8GB×4デュアルチャネル )
    ●ストレージ:SSD 480GB+HDD 3TB
    ●VGA:Quadro M4000 / 8GB
    ●電源:850W 電源

    ※2016年5月購入時構成 ※価格および各パーツのスペック予告なく変更される場合があります

デイジー導入PC02:
NVIDIA GeForce GTX1080 TI搭載モデル DAIV-DGZ510H2-SH5

[問い合わせ先]

株式会社マウスコンピューター
TEL(法人): 03-6739-3808(平日:9~18 時、土日祝:10~20 時)
http://www.mouse-jp.co.jp/creator/

TEXT_小野憲史
PHOTO_大沼洋平