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デジタル作業とアナログ作業が境界なく混在するアニメ制作現場において、紙に近い描き心地と紙を超えるソリューションを長年提供してきたワコム。同社の最新モデルとなる「Wacom Cintiq Pro 24」の"現場での使用感"を、A-1 Picturesの中核クリエイターたちに体感してもらった。

TEXT_神山大輝(NINE GATE STUDIO
EDIT_沼倉有人 / Arihito Numakura(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota

24インチの大画面がもたらす恩恵

「画面が広いだけでこんなにも印象がちがうとは、期待以上の驚きでした。劇場版などで使う大判サイズの紙と同じ感覚で描くことができますし、細かいキャラクターなどを描く際に一部を拡大しても、原画の全体像が確認できるだけのスペースが確保できているのが良いですね」と語るのは、キャラクターデザイン・総作画監督を務める佐々木啓悟氏。24インチの液晶部はただ大きいだけではなく、色味に影響のない範囲でエッチング技術を用いた表面加工が施されており、従来のモデルよりも反射が抑えられている。また、液晶のベゼルは意図的に広めに取られているが、これはアーティストの身体への負担を考慮してのもの。アナログ作業では机やガラス板に"肘をついて作業をする"ということが当たり前に行われているが、タッチ液晶を持つハードウェアでは身体が端末に触れて誤タップを誘発する恐れがある。液晶が大きいことによる恩恵を受けながら、楽な姿勢で描くことを実現した仕様だ。

"絵の精度を高める仕事"に最適な描き心地

「描き味についても明確な向上が見られた」とコメントするのは自身も作画出身となるアニメーション監督の黒木美幸氏。「限りなく紙に近い描き心地になっています。これまではペーパーライクフィルムを貼って作業をすることもあったのですが、Wacom Cintiq Pro 24ではそれも必要ないように感じました。遅延もほとんどなく、ペン先と描いた線に違和感があるといったこともなかったですね」(黒木氏)。

Wacom Cintiq Pro 24には筆圧8,192レベルを誇る「Wacom Pro Pen 2」が同梱されるが、これについても「人間には知覚できないようなレンジの広さかと思いきや、明確にちがいがわかりますね。以前の機種では主線と補助線の描き分けが難しい時もありましたが、今回は鉛筆のような滑らかさで、ペンの"入り"と"抜き"の精度が非常に高いです」と語った。ペンを走らせた箇所と引かれた線に違和感が少ないのは、液晶が4K解像度(3,840×2,160ドット)と優れた色精度(Adobe RGBカバー率99%)であることも関係している。高解像度であることでドット粒子のアラが見えず、視覚的にも描いたままの線が表現されているためだ。アニメ制作現場においてはデジタルで精密な描画を必要とする美術担当や、あるいは1人で完パケまで作業を行うイラストレーターにとっても最適な機種と言えよう。

業界全体がデジタルに完全移行できない理由として、フレームワークやソフトウェアが多様であり、学習コストが高いことを指摘する両氏だが、その中で佐々木氏は「フルデジタルになれば、アニメーターの作業は格段に早くなります。等身がちがう場合は縮小できるし、似た構図はコピー&ペーストもできる。デジタルでは当たり前な恩恵をスタジオ全体に行き渡らせたい」と語る。"手描きに近い描き心地"と"自由度の高い広大な作業スペース"を実現したWacom Cintiq Pro 24は、アナログとデジタルの垣根を越え、現場の制作環境を次のステップに引き上げてくれるプロダクトにふさわしいのではないだろうか。

  • 佐々木氏がキャラクターデザインを担当
    『七つの大罪 戒めの復活』

    www.7-taizai.net
    原作:鈴木 央(講談社「週刊少年マガジン」連載)/監督:古田丈司/副監督:田中智也/シリーズ構成:吉岡たかを/キャラクターデザイン:戸谷賢都、佐々木啓悟/制作:A-1 Pictures
    ©鈴木央・講談社/「七つの大罪 戒めの復活」製作委員会・MBS

  • 黒木氏の共同監督作品
    『アイドルマスター SideM』

    imas-sidem.com
    原作:バンダイナムコエンターテインメント/監督:原田孝宏、黒木美幸/シリーズ構成:綾奈ゆにこ、菅原雪絵/キャラクターデザイン:田中裕介、飯塚晴子/制作:A-1 Pictures
    ©BNEI/PROJECT SideM

Point1
鉛筆の先を尖らせたような細かな描き心地を実現


「どの程度まで細かい作業ができるかのテストとして、Wacom Pro Pen 2で小さいキャラクターを何体か描いてみた」という佐々木氏。鉛筆の先を尖らせて、先端を立てて描くような細かな作業も可能になりつつあると評価した。液晶とペン先の視差が少なく違和感が低減していることに加え、8,192レベルの筆圧検知はペンの"入り"と"抜き"をリアルに検知し精細にアナログの描き心地を再現する。電池レス、バッテリーレスのため、「使いたい瞬間にいつでも使える」ことも業務用ツールとしてポイントが高い

Point2
4K対応、色精度がさらに向上。視差や反射も低減


4K解像度(3,840×2,160ドット)と優れた色精度(Adobe RGBカバー率99%)を実現。4K解像度については「これまではイラストを拡大するとジャギジャギに見えることもありましたが、そういったアラがまったく気にならなくなりました」(黒木氏)。オプティカルボンディング技術採用による視差の低減や反射の低減など、従来機種に比べて優れた表面加工が施されているのも特徴。ガラス仕上げの天板でありがちな"ペン先がつるつる滑ってしまう問題"については、エッチング処理によってほど良い摩擦が生まれるよう工夫されている

Point3
パースを引くのも楽々な24インチの大画面。余裕あるベゼル枠で快適な作業を


写真はCLIP STUDIO PAINT「パース定規」機能の使用例。24インチの大画面は背景を描く際も明確なアドバンテージがある。その理由は「パースの取り方」にある。従来のモデルであれば、構図によっては描いたイラストが豆粒のように小さくなるほど縮小しパースの確認をしていたが、大画面と高解像度を兼ね揃えるWacom Cintiq Pro 24では過度な縮小をしなくても遠い位置のパース消失点を確認できる。イラストの全景を確認しながらパースに狂いがないかをチェックするというフローは、従来機種や紙での作業では不可能だった利点だ

Point4
モジュール型ワークステーションが新登場。手軽さとハイパフォーマンスを両立


「Wacom Cintiq Pro Engine」(オプション)は、Wacom Cintiq Pro 24の背面に装着して使用するWindows 10搭載のPCで、NVIDIA Pascal GPUアーキテクチャを採用した「NVIDIA Quadro P3200」を搭載しており、VR(仮想現実)もサポートする。本体はゲームソフトのカセットを抜き差しするような感覚で容易に装着が可能だ。設定や互換性、ケーブルの取り回しなどに頭を悩ませることなく、ノンストレスで一貫した作業環境を構築できる。また、メモリやSSDなどは後から変更可能なため、性能のアップグレードも図れる

  • Wacom Cintiq Pro 24
    型番:DTK-2420(ペンモデル)、DTH-2420(タッチ対応モデル 2018年5月発売予定)/表示サイズ・アスペクト比:23.6型(522×294mm)・16:9/解像度:4K(3,840×2,160ドット)※1/液晶方式:IPS方式/画素ピッチ:0.136×0.136mm/最大表示色:10億7,374万色(10bit、接続PCのグラフィックス性能に依存)/応答速度:14ms/最大輝度:425cd/㎡/コントラスト比:1,000:1/視野角:水平178°、垂直178°/色域:Adobe RGBカバー率99%/筆圧レベル:8,192レベル ※2/外形寸法(W×D×H):677×394×47mm/質量:7kg(オプションスタンド除く)
    www.wacom.com/ja-jp/products/pen-displays/wacom-cintiq-pro-24

    ※1:最大表示解像度で表示するには、コンピュータ/グラフィックボードがこの解像度をサポートしている必要があります。
    ※2:8,192レベル筆圧機能は、これに対応したアプリケーションソフトでのみ有効です。

    問:ワコム
    TEL:0120-056-814
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