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キャドセンターが提供する「REAL 3DMAP TOKYO」シリーズ。東京23区全ての建物を3次元化し、外観のテクスチャや窓ガラスの反射など全ての建造物にマテリアルをアサインすることで、フォトリアルな3D都市データに仕上がっている。新発売となる 「夜景」におけるこだわりを聞いた。



※「REAL 3DMAP TOKYO」シリーズは、インクリメント・ピー株式会社、株式会社パスコおよび株式会社キャドセンターの共同事業です。
MAPCUBE®は、インクリメント・ピー株式会社、株式会社パスコおよび株式会社キャドセンターの登録商標です。

TEXT_神山大輝
PHOTO_弘田 充

待望のナイトシーン版がこの秋登場!

REAL 3DMAP TOKYO 夜景 2018年秋リリース from CAD CENTER CORPORATION on Vimeo.

建築、都市計画や広告向けに、3DCG技術をベースにしたビジュアライゼーション環境の構築・提供を行う株式会社キャドセンター。多岐にわたる事業の中でも今、その存在感を高めつつあるのが、フォト・リアリスティック3次元都市データ「REAL 3DMAP TOKYO」シリーズだ。キャドセンターが販売する「MAPCUBE®」という、測量データ、地図、航空写真を基に地形や建築構造物を高精度に構築した3Dモデルデータをベースに、フォトリアルなルックに仕上げたものが本シリーズ。実写と見まごうVFXで話題を集めた映画『いぬやしき』(2018)におけるフルCGで構築された新宿上空シーンの制作にも導入された「REAL 3DMAP TOKYO」。実は、発売開始当初から夜景版を求める声も多く寄せられていたという。そうしたリクエストに応えるべく、この秋に「REAL 3DMAP TOKYO 夜景」が満を持してリリース予定だ。



「夜景は実写の空撮が難しく、どうしても映像にノイズが出てしまいがち。また、撮影の可否は当日の天候にも左右されてしまう。3DCGの場合はビジュアルの鮮明さでも優位性がありますし、加工性も高いために映像制作に適しています」と語るのは、映像グラフィックグループの橋本 拓グループ長。

  • 橋本 拓氏(映像/グラフィックグループ グループ長)

一括スキャンで自動生成されたデータでは不可能な建物、植栽、高速道路等の分離を可能とし、オブジェクトもひとつひとつ変更可能なデータ構造となっている。これらは非常に膨大なデータ量ではあるが、松本 学テクニカルディレクターによると「最初は開くだけで数時間というボリュームでしたが、現在は東京全域を4Kレンダリング(3dsMax、V-Rayが推奨環境)した際も、RAM128GBのマシン単体で動作が可能なほど軽量化されています」とのことで、その広域な描画範囲を考えると非常に軽量で取り回しが良い仕様となっている。

  • 松本 学氏(映像/グラフィックグループ テクニカルディレクター)

©2018映画「いぬやしき」製作委員会
©奥浩哉/講談社

夜景ならではの画づくりを徹底 テクスチャをイチから描き直す

「 REAL 3DMAP TOKYO」では、東京23区全ての建物をフルテクスチャ化。さらに高層ビルなど目立つ建造物を「ランドマーク」と定義し、約1,600棟のランドマークについては窓ガラスの反射まで適用されている。こうした作業はキャドセンターのデザイナー総動員で、通常業務の合間を縫って取り組んでいるという。新作「REAL 3DMAP TOKYO 夜景」の実制作をリードしたのは、ルックデベロップメントチームの北島慎也氏。

  • 北島慎也氏(映像/グラフィックグループ ルックデベロップメントチーム)

ひとくちに夜景といっても、繁華街や住宅街によって求められる"光"が変わってくる。そこで実際の動画や写真と比較しながら細かくテクスチャやマテリアルを作成していったという。道路についても、建物と建物の間など照度が高い道路と人通りの少ない道路では明度や色合いが異なっている。さらに現実の混雑具合なども加味しながら、人通りの多いところが明るくなるように設定されている。そのほかにも、点滅アニメーションの付いた航空障害灯(高さ60m以上の物件に設置される、航空機の航行の安全を確保するための赤色の電灯)や、航空写真から抽出した道路中心線のスプラインに沿って移動する自動車のアニメーションなどもデフォルトで実装。このように豊富な実データとキャドセンターが誇るデザイン力によって、リアルな夜景が創り出されたのだ。



「REAL 3DMAP TOKYO」シリーズは、更新頻度の高さも魅力だ。ランドマークは毎年差分更新をしており、ランドマーク以外の建物を表現する汎用建物データやベースとなる航空写真についても数年おきに更新されている。

今回の「REAL 3DMAP TOKYO 夜景」によって、昼夜全ての時間帯をカバーできるようになるという。伊川一成プロデューサーは「官民産学の隔てなく、教育分野や防災分野、報道関係など広域な都市データが必要な全ての方に使っていただきたいと思っています。ゲームやリアルタイムCG向けの『REAL 3DMAP TOKYO for VR』もあるので、興味がある方はぜひお問い合わせください」と、自信をみせる。ありそうでなかった、東京全域の高精細な3DCGモデル。まさに、正確な測量データと3DCG技術を併せ持つキャドセンターだからこそ可能なプロダクトと言えるだろう。

  • 伊川一成氏(プロデュースグループ シニアプロデューサー)


支持される理由1 ハイクオリティ!



建築・都市景観のビジュアライズに豊富な経験を有するデジタルアーティストたちによる丁寧な作業によって、街ごとに異なる街明かりの色合いや雰囲気がハイレベルに表現されている。展示会などで50インチディスプレイで再生しても「誰も3DCGと気づかなかった」というエピソードも。更新頻度の高さや、実際の地図データとの整合性の高さも魅力。

支持される理由2 カスタマイズ性!

23区全体で約1,600棟が作成されている「ランドマーク」と名付けられたモデルは、単一オブジェクトとして、移動や削除はもちろん、様々な加工を施すことができる。アップになるランドマークのテクスチャをリファインする、破壊表現用のオブジェクトに差し替えるといった、加工性の高さも魅力である。

まずはデモを体験!試用も可能!

「REAL 3DMAP TOKYO 夜景」は、データ販売から受託制作まで幅広いニーズに対応する(価格は応相談)。下記専用サイトまでお問い合わせをすれば、ランドマークや道路、樹木などの要素をトータルに確認できるサンプルデータも提供可能とのこと。ハイクオリティな3D都市データをぜひ手元で試していただきたい。
www.cadcenter.co.jp/real3dmap-night