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3DCADが設計・製造業に導入されて久しい。近年では設計から3Dプリンタによる試作などに留まらず、構造物の強度解析や熱流体シミュレーションといった高負荷な作業領域まで担うケースも増えている。これらの遂行において求められるスペックやパーツ構成について、本分野における3Dデータ活用のスペシャリスト、mfabricaの水野 操氏に聞いた。

▲パソコン工房 CG・映像制作者向けブランド「CG・MOVIE GARAGE」販売サイト。本企画で水野氏が監修した設計・製造系3DCADソフトを使用する紹介されている。各ラインナップともに、目的に合わせて余分な構成は省き高いコストパフォーマンスを実現している。今後さらなるラインナップが登場予定だ >>>製品紹介ページはこちら

GPUを抑えてCPUに投資 メモリは用途に応じてカスタム

水野 操氏(以下、水野):当社は、3DCADによる設計業務やパーツの試作と、構造解析や熱構造解析を柱に、様々なサービスを展開しています。クライアントの多くは設計・製造業界で、3Dプリンタ関連の書籍監修やデータ制作などの仕事もありますね。

パソコン工房スタッフ:普段使用されているPCやツールはどういったものになりますか?

水野:3D設計ではInventorを中心に、データ形式やクライアントによってSOLIDWORKSやFusion360を使い分けています。3ds MaxやBlenderを使用することもありますね。解析業務ではMarcやSCRYU/Tetraを使用しています。3D設計は外資系メーカーのモバイルワークステーションを、解析はミドルクラスのデスクトップワークステーションを主に使用しています。

パソコン工房スタッフ:価格帯やパーツ構成で基準はありますか?

水野:ノートなら30万円前後、デスクトップなら60万円前後が目安になります。CPUはCore i7以上で、デスクトップだとXeonも視野に入ります。GPUは信頼性や互換性の高さから、NVIDIAQuadroを選択しています。クライアントによってツールやデータ形式がまちまちなので、ベンダー保証に優れたQuadroを選ぶことになりますね。

パソコン工房スタッフ::Quadroの方がCADソフトに最適化されたドライバが提供されますし、何かトラブルがあった際もすぐに対応していただけるので安心ですよね。今回はコストパフォーマンス重視のスタンダードモデル、3DCAD用途のアドバンスモデル、解析業務も視野に入れたプロモデルの3タイプを検証していただきました。CADデータを扱うにあたり「ビデオメモリ」が3GB以上あると快適に編集できるため、スタンダードモデルでもあえてビデオメモリを4GBもつQuadro P1000を搭載しています。アドバンスモデルとプロモデルはプラットフォームが共通で、最大18コア/36スレッドのCore i9-7980XEまでCPUをアップグレードできます。

水野:3DCGでは複雑な形状をシェーダで表現する傾向にありますが、3DCADでは実際に形状をモデリングします。そのためGPUは抑え気味にして、その分をCPUに投資するのが良さそうですね。ストレージも最低500GBは欲しいところで、3機種とも及第点ですが、用途に応じて増設を考えたいところです。メモリは用途に応じてまちまちで、解析用途では128~256GBを搭載する例も珍しくありません。一方で、通常の業務用途なら32GBで十分という感じです。いずれにせよ、総合的なバランスが求められます。

パソコン工房スタッフ:ひと口に設計・製造業と言っても、求められるスペックはまちまちなんですね。用途に応じてパーツが自由に選べる当社のiiyama PCでご相談いただければ幸いです。

※※価格および各パーツのスペックは2018年8月現在の情報です。予告なく変更される場合があります。

◆水野氏の所有マシン(モバイルワークステーション)スペック
CPU:Core i7/GPU:Quadro K2100M/メモリ:16GB/ストレージ:512GB SSD

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POINT 01
3DCADモデルの操作速度

『週刊昭和ニッポン昭和ジオラマ』(デアゴスティーニ・ジャパン刊)で使用された茅葺き屋根の農家の3DCADモデル(約280MB)をSOLIDWORKSで開き、画面上で回転・ズームイン・ズームアウトなどを行なって、体感速度を比較した。その結果、水野氏所有のマシンでは回転時にマウスを操作後、画面が切り替わるまで1秒程度のタイムラグが見られた。マウスを連続して動かしても、カクカクして思うように回転させられなかった。これに対してスタンダードモデルではマウスを操作して実際に回転するまで約0.5秒ほどで、マウスの動きに追従してスムーズにモデルが回転した。なお、アドバンスモデルとプロモデルでも、同程度のパフォーマンスとなった。

POINT 02
3DCADモデルのレンダリング

POINT 03
STEPデータを用いた構造解析

3DCADの中間データ形式であるSTEPファイルで作成されたモデルを使用し、ANSYS Discovery Liveを使用してデータのインポートと構造解析に要する時間を比較した。なお、本ツールを使用したのは、CPUとGPUを併用して解析を実施するツール特性によるもの。それによると水野氏所有マシンではインポートに約10分、解析に約12分かかった。これに対してスタンダードモデルではインポートに約5分、解析に約7分と、半分程度の時間で終了した。一方でアドバンスモデル、プロモデルとの明確な差は見られなかった。なお、水野氏所有マシンに搭載のGPUはQuadro K2100Mで、本ツールの推奨基準を満たしてはいない。このことから解析速度はGPUの性能に依存するものの、推奨基準以上であればモデルごとの差はあまりないことがわかった。
※今後のソフトウェアやハードウェアの進化により変わる可能性もある
※画像の解析結果はイメージ

POINT 04
3DCADモデルの操作速度

3DCADで制作されたオリジナルの航空機モデルをSOLIDWORKSで開き、レンダリングツールのPhotoView 360上でレンダリングした際の速度を比較した。その結果水野氏所有マシンで2分48.4秒かかったのに対して、スタンダードモデルでは37.7秒、アドバンスモデルで31.5秒、プロモデルで25.2秒と大きな差異が見られた。PhotoView 360でのレンダリング速度はCPUの性能に依存するため、各モデルのCPU性能比がわかりやすく結果となって表れている。



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TEXT_小野憲史
PHOTO_弘田充