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今年3月、世界累計販売本数が1億本超えを記録した人気サッカーゲーム『ウイニングイレブン』シリーズ最新作、『ウイニングイレブン 2019』。本作では間接光表現にEnlightenを取り入れ、天候変化や時間変化を伴う動的でフォトリアルな照明効果を実現し、ゲームに華を添えている。




  • Enlighten



    対応プラットフォーム
    ・Enlighten SDK
    PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch、Windows、Android、iOS、HTC、Oculus、PS VR
    ・Enlighten for Unreal Engine 4
    PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch、Windows、Android、iOS 問:シリコンスタジオ
    価格:要見積もり
    www.siliconstudio.co.jp/enlighten/

相性抜群の「Enlighten」導入で極大化したリアリズム

1995年の第1作『Jリーグ実況ウイニングイレブン』発売から20年を超え、ますます勢いに乗る『ウイニングイレブン』(以下、『ウイイレ』)シリーズ。誰もが知る伝統のサッカーゲームであると共に、世界に通用するスポーツゲームだ。その人気は海を越え、遠くヨーロッパや南米でも高い評価を得ている。そんな『ウイイレ』の最新作が『ウイニングイレブン 2019』(以下、『ウイイレ2019』)として今年8月30日に発売された。新スキルや新リーグライセンスの追加に加え、自分だけのオリジナルチームでオンラインプレイ可能なmyClubモードの大幅アップデートといったゲーム内容の進化に加え、ビジュアル面では4K/HDRへの対応や3Dレーザースキャンによる契約スタジアムの完全再現など、20年を経て今なお意欲的に前進を続けている。

さらなるフォトリアルを目指して大幅に改良が加えられたビジュアル面において、『ウイイレ2019』のビジュアルを最も大きく変化させているのが、シリコンスタジオが提供している高性能なGIミドルウェア「Enlighten」の存在だ。『ウイイレ2015』から『ウイイレ2018』までの過去作においても、物理ベースのモダンな内製描画エンジンを使用していた同作だが、間接光の表現に「Enlighten」を活用することで、また一段と大きなステップアップを果たしている。

ゲームとしての「遊びやすさ」を重視しながらも、現実のスタジアム環境の再現を目指してフォトリアルを追求する本作と、現時点のゲームグラフィックスにおいて最高峰のGIクオリティを標榜する「Enlighten」との相性は非常に良い。「Enlighten」の提供する高品質で動的な間接光は写実的な画づくりで最大の効果を発揮する上、計算コストと品質のバランスの面で優位だからだ。従来は品質を優先するために、どうしても"嘘"をつかなければならなかったライティングに対して、「Enlighten」を導入することで物理的な正確性が高まったという本作。その進化のポイントを、次ページより詳しく紹介していきたい。

  • ウイニングイレブン 2019 発売・開発:KONAMI
    発売日:発売中 価格:7,600円+税
    Platform:PS4 ジャンル:スポーツ
    www.konami.com/wepes/2019

Topic1 フォトリアル向けに「Enlighten」を導入する3つのメリット

美しく、素早く、正確に。Enlighten獲得が勝利の決め手

意外に感じるかもしれないが、究極のリアルサッカーゲーム『ウイイレ』のGIは、『ウイイレ2018』まで実は最先端の実装ではなかった。そのこと自体は、他社の事例でもしばしば見受けられることで、最終的な製品品質が一定の水準に達していれば、必ずしもモダンな実装にこだわる必要はない。また同様に、必ずしもゲームソフトウェアの全てを自社で開発する必要もない。従来のやり方は内製コトが高すぎるということに悩みを抱えていた『ウイイレ』が目をつけたのが、間接光や反射表現に定評のある外部のGIミドルウェア「Enlighten」というわけだ。

『ウイイレ2019』における「Enlighten」導入のメリットは大きく分けて3つある。ひとつめは、間接光の影響によってダイナミックレンジが広がり、光と影の階調がより現実的でより豊かになったことだ。また、「Enlighten」最大の優位性であるランタイムでのライト側の動的な変化の恩恵も大きい。ライトソースとオブジェクトの双方が動的に変化することで、さらに複雑で情報量の多い画面へと進化している。

ふたつめは、増大したライティング作業負荷の改善だ。『ウイイレ2018』までは、クオリティを出すために数多くの補助灯を設置せざるを得なかったという。その結果、ライトセットの管理が煩雑になり、クオリティアップやプレイアビリティ向上のための調整を施す際の手間も無視できないものになっていた。本作では現実に即したシンプルなライティングでも過去作品を超える結果を出している。

3つめは、正確性の向上で、究極のリアリティを追求する本作にとって、非常に重要な事項だ。現実の光源と光源影響をシミュレートするPBRモデルにおいて「物理的に正しくない」データを許容することはかえって難しい。フォトリアルを目指す場合はなおのことで、極力「正しくない」要素を排除するのが得策だ。これら3つを実現したのが「Enlighten」で、実装が素直であることから、組み込みを担うプログラマーからの評価も高いという。

レンダリング品質の向上

▲「Enlighten」による動的な間接光表現に変更されたことによって、画面全体の印象が大きく変化した。注目のポイントはスタジアムの屋根が落とす影と影の中にいる観客のシルエット。間接光の回り込みにより影階調が豊かになり、大きく傾いた太陽によって屋根がピッチに大きな影を落としてもゲームプレイに支障はない。<A>『ウイイレ2018』のスタジアム「カンプノウ」/ <B>『ウイイレ2019』の同スタジアム

ライティング工数の削減

▲内製エンジンの機能によりシーン内に照度計を配置した後、ライトを配置。画面右上の客席と屋根の一部に芝生から緑みを帯びた照り返りの間接光<A>が確認できる。「Enlighten」では事前計算を済ませればツール環境でもランタイム同様ライトを変化させても直ちにライティング結果が確認できるため、素早く修正作業をくり返すことができる。<B> は修正をくり返して完成品質に達した夜間のライティング。

▲オブジェクト単位でのライトプローブで得られるライトマップでは違和感が生じてしまい要件を満たさない場合、ピクセル単位で収集するPPPI(Per Pixel Probe Interpolation)でライトマップ<C>を得ることもできる。

▲PPPIを用いた最終レンダリング結果<D> は、ほぼ全てのケースで良好となるはずだ。

▲このライトマップ生成を効率的に行うためには、メッシュの隣接を考慮して自動的にUVを開く「AutoUV」ツールを活用している<E>

物理的な正確性の向上

▲本作では、スタジアムの緯度経度と試合時間から正確に導き出された太陽の位置から平行光源のベクトルを求めている。前作では太陽がほぼ直上に位置しており大きな開口部が斜めに影を落とすことはないから、"嘘"をついていることがわかる。<A>『ウイイレ2018』のスタジアム「ノイゾネ」/ <B>『ウイイレ2019』の同スタジアム。

▲また、直接光のみの状態<C>と直接光に間接光を加えた状態<D> を比較すると、その説得力のちがいに改めて驚いてしまう。なお、ラジオシティ法による間接光の反射を高速に演算するために空間内のジオメトリは事前計算されることもあり、「Enlighten」のランタイム計算負荷は決して高くない

Topic2 写実性を進化させる動的ライティングは「Enlighten」最大の武器

動的に変化する要素が増え進化したスタジアム

間接光は、その特性上、完全にフラットなシーンより、複雑に入り組んだ遮蔽がある環境の方が活きる。現実世界の再現を目指したサッカーゲームである『ウイイレ2019』の場合、スタジアムの構造そのものや、昼間と夜間といった時間帯のちがい、試合のない閑散とした状態と観客が詰めかけた客席といった状況の変化によって、その表情を大きく変える。そんなスタジアムの環境で、過去作品の描画エンジンではどうしても実現できなかったのが、「正しい太陽の位置」の再現だ。従来の影表現ではピッチに大きく暗い影を落としてしまい、プレイしやすさに影響が出てしまいかねない状況だった。どれだけ本作のファンから現実のスタジアムと異なるという指摘を受けても、「遊びやすさ」を優先するという命題の前に修正することができず、歯がゆい思い をしていたという。

「Enlighten」の導入によって、本作においてこの問題は見事に解決している。ピッチの芝や側壁に反射した間接光が影の中に回り込むことで、影部分の明暗階調が豊かになり、選手の視認性が向上した。この結果、現実のスタジアムの緯度経度と太陽の位置から導き出される正確な光源方向を再現できるようになり、ピッチの芝に大きく影を落とすスタジアムの大屋根といったお馴染みの光景が再現できるようになった。また、スタジアムの表情という点では、天候の変化に降雪が復活し、晴天、曇天、降雨、降雪といった天候の変化と、昼間から夜間にかけての時間帯の変化によって、おおよそあらゆる気象変化をゲーム内に再現している。

さらに、ライセンスを取得しているスタジアムは、実際のロケーションで3Dスキャンしたポイントクラウドから制作したモデルに、同じく実測した露出値に基づいて画づくりが行われている。TV放送ではワールドカップやオリンピックといったビッグイベントは8Kや4K/HDRで収録、放映される。現実味にこだわった本作なら、4K/HDRでさらにリアルな雰囲気を味わえる。

遮蔽と解放で空間的な差別化を実現

▲間接光によって情報量を増すという意味では、光源の一部を遮蔽する構造物や、フィールドでバウンスした間接光の照り返りが乗るサーフェイスが存在するフェルティンス・アレーナ<A>のようなスタジアムが有利だ。とはいえ、<B>のような開放的なスタジアム空間ではまったく意味がないかというとそんなことはなく、光と影による複雑さが増すことに変わりはない。またもう一段高い視点から評価すると、スタジアムを個性付け、それぞれを差別化するのに役立っていると言えるだろう

動的ライティングが生きる昼夜の変化

これぞ「Enlighten」による動的ライティングの真骨頂とも言うべきなのが、時間帯によるスタジアム環境の変化だ。試合環境によって、光源方向の変化と共に影方向が移りゆく様からは、「Enlighten」が完全に光源の動的変化に対応していることがわかる。ここに選手や観客、スタッフといった動的オブジェクトの挙動が加わることから、画面全体の変化はさらに大きくなる。

▲<A>カンプノウでの昼間のゲーム

▲<B>同夕方のゲーム

▲<C>同夜間のゲームシーン

降雪が加わってバリエーションが増加した天候


▲昼間の降雨<A> 、夜間の降雨<B> に加え、本作では高緯度の北欧などに位置するスタジアムで降雪<C> が復活している。天候の変化そのものは「Enlighten」による間接光と直接関係があるわけではないが、スタジアムの状態変化のバリエーションを増やすことができるのも、「Enlighten」導入によってライティング作業負荷が軽減され、天候バリエーションが増えてもクオリティを維持できる余力が生まれたことが遠因にあるという。スタジアム数、時間帯、天候の掛け算でバリエーションが増えることから、たとえ1パターンでも考慮事項の増加は少なくない

Topic3 さらに写実的なリアリティを付加するディテールの数々

各種エフェクトと群衆がスタジアムを華やかに演出

前述した天候の変化に加え、スタジアムの臨場感を盛り上げるエフェクトも健在だ。これらの要素は「Enlighten」の機能によるものではないが、こういった部分に対して、より多くの作業時間を割り当てられるようになったのも、広い意味で「Enlighten」によるところが大きいという。細かい部分にまで配慮して丁寧に開発されていることは、スタジアムの随所に見てとることができる。例えば、雨天による水濡れの影響を受ける観客席に対して、ピッチの芝は水濡れの対象にならないよう、あえてマスクが施されている。現実的なリアリティとは矛盾するようだが、何より「遊びやすさ」を優先する本作にとって、この配慮は当然といったところだろう。

あまりに自然すぎて、当然のように受け取ってしまいがちなフィールドが霞むフォグや、夜間の照明灯まわりの光輪、スパイク、ボリュームライトといった表現が、TVでの視聴や実際のスタジアム観戦さながらの体感を高めてくれている。加えて、本作から新たに導入されたスタジアムを盛り上げる要素に、観客の3Dモデル化も挙げられる。モデルの観客と「Enlighten」による間接光の相性は良く、前作までの表現を凌ぐ格段に複雑で現実味を帯びたスタジアムに仕上がっている。

サッカーゲームのプレイヤーは、必ずしも実際のサッカー経験者だけではなく、プレイヤーの全体感としてはむしろ非経験者のほうが多いと考えられる。こうしたプレイヤーに対してはTV観戦の雰囲気を再現することも重要で、ピッチの選手のみならず、スタジアム全体のリアリティを総合的に高めた本作は、やはり史上最高の出来に仕上がっていると言えるだろう。

状況に応じたエフェクトによって表情を変えるスタジアム

▲太陽光を主光源とする昼間<A> と、スタジアムに設えられた多数の照明灯を主光源とする夜間<B>では、同じスタジアムでもその表情を大きく変える。同じ「Enlighten」による間接光といっても、直接光が照射されるベクトルもちがえば光源の照度もちがうため、間接光の影響範囲や強度も異なる。

▲また、夜間降雨時に発生するフォグエフェクト( <C> OFF/ <D> ON)や、降り注ぐ光のカーテンを表現したボリュームライト、照明灯を直視する位置にカメラが移動した際のカメラの絞りによるスパイクを模したエフェクトの合わせ技でスタジアムの臨場感を盛り上げている

観客のモデル化による全体情報量の増加

3Dモデル化された観客は、カメラの変化に強く画づくりが柔軟になるメリットに加え、本作で導入された「Enlighten」による間接光が、盛り上がる観客席の様子のリアリティを強調することとなった。前作までのPBR表現では、屋根の影に入っているオブジェクトはどうしても黒潰れして描画されてしまっていたが、「Enlighten」による間接光が屋根の影にあたる部分にも回り込んだ結果、影階調が豊富になり、自ずと群衆が強調される画面が得られた。

▲<A> <B>本作で改良された観客席の群衆




TEXT_谷川ハジメ(トリニティゲームスタジオ)
PHOTO_弘田 充

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