PHOTO_弘田充
Dell Technologies主催 CGコンテスト「CGごはん」にて、プロ部門の最優秀賞に輝いたのは、焼き牡蠣と生牡蠣をシズル感たっぷりに表現した『潮の香り』だ。制作者である天野靖子氏を招き、クオリティアップの秘訣から、最優秀賞の賞品「Dell Precision 5550」の使用感について伺った。
フォトリアルに加えワクワクさせる要素が必要
CGWORLD(以下、CGW):まずはプロ部門の最優秀賞受賞おめでとうございます!
天野靖子氏(以下、天野):ありがとうございます。反響にびっくりしています。
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天野靖子氏
フリーランスのCGクリエイター。専門学校を卒業後、半年間の映像制作会社勤務を経てフリーランスに転身。リリックビデオの制作からWebCMに使用されるCG制作まで、幅広い分野で活躍中。プライベートでも食べものを題材にしたCGを制作して、SNS等で発表している。
@amnys_
CGW:以前から、プライベートで食べものの作品を作られているとのことですが、CGで食べものを作る楽しさというのはどういうところに感じていますか?
天野:CGって基本的に格好いいものとか綺麗なものが題材に選ばれがちなんですけど、そんな中で、食べものという身近なものがCGという最先端の技術でどう表現されているかというところに面白さを感じるんです。尖りすぎてない、ちょっとピースなところが魅力ですね(笑)。
CGW:なるほど。食べものを作る際にこだわっている点についてお聞かせください。
天野:身近な題材だからこそ、どうしてもアラが見えてしまうというところはあります。CGだけで見るとちゃんとしているようでも、撮影した写真と見比べてみると違っているところが目に付きます。
CGW:今回の受賞作『潮の香り』もそのようにして作られたのでしょうか。
天野:写真だけでなく、実際に牡蠣を買ってきて、自分で殻を割って実食しながら色々と研究しました(笑)。ただCG作品というのは、現実の物を忠実に再現して、綺麗にフォトリアルに作りましたというだけでは不十分だと思っています。リアルさに加えて、ワクワクさせる要素が必要だと思ったので、生牡蠣と焼き牡蠣が両方並んでいるというシチュエーションを設定しました。実際には両方出しているような店はないかもしれないんですけど、それが有り得るのはラフな感じの牡蠣小屋かなという風に設定を作っていきました。網も真ん中だけ黒くしたりして、使い込んである感じが出るように工夫しています。
CGW:なるほど、現実の牡蠣をリアルに再現しつつ、生牡蠣と焼き牡蠣の両方を食べたいという理想を追求することで、あの作品が生まれたんですね(笑)
▲天野氏の「食」に関する過去のパーソナルワーク
抜群のモビリティに満足現場でのCG調整作業に◎
CGW:今回の最優秀賞受賞者への賞品であるモバイルワークステーション「Dell Precision5550」についての使用感はいかがでしたか?
天野:とにかく薄くて軽い!カバンに入っているのを忘れるくらいです。それなのにCPUとGPUともに想像していたよりずっと凄い処理能力です。メインマシンとして業務につかえます。
CGW:CPUはIntel® Core™ i7-10850H、GPUはNVIDIA® Quadro T2000とパワフルな構成ですからね。やはり処理能力の高さはCGを制作する上で重要ですか?
天野:レンダリングのスピードって、結局できることに直結するんです。CG制作はレンダリング待ちの時間が長いので、元々使っていたマシンだと数回しか修正できないだろうというところを、これだと十回修正できるみたいな。ひとつの作品についてできるトライアンドエラーの回数が大きく変わってくるので、その差はすごく大きいですね。GPUがCUDA対応しているのでOctane Renderを使えるのもポイント高いです。
CGW:デスクトップ機と併用されるとなると、普段の業務ではどんなところに活かせそうでしょうか?
天野:たとえば、出先の現場で調整しなきゃいけないというときに、凄く力を発揮すると思います。これまではそういう作業が必要な場合、家のデスクトップ機をリモートで操作して作業していたりもしたんですが、やっぱりリモートだとラグがあったりして不便だったんです。でも、Dell Precision5550があれば、これを現場に持っていくだけでいいですからね。
CGW:なるほど、モバイル機でありながら、単独で十分な性能を発揮できるということですね。それでは最後に、天野さんの今後の展望などについてお聞かせください。
天野:これからも、食べもののCGを楽しんで作っていければと思います。
CGW:ありがとうございました。
ここがお気に入り!
今回の最優秀賞景品「Dell Precision 5550」のお気に入りのポイントについて伺った。
Dell Precision 5550 モバイルワークステーション
高さ:11.65 mm /幅 :344.4 mm /奥行き:230.30 mm /最小重量:1.84 kg
Point 1:正直、見た目が一番気に入ってます!
「モバイル機なのにメイン機としても使えるくらいのパフォーマンスも凄いですし、それでいて静音性が高いところも素晴らしいんですが、正直、一番気に入ったのは見た目ですね。これまでモバイル機(Mac)を使ってきたのは見た目が格好良いからという理由もあったんですが、Dell Precision 5550も持ち歩きたいくらい、いいデザインだと思います。しかも凄く薄くて軽いですし」と天野氏にはDell Precision 5550を非常に高く評価していただいた。本機はモバイル機としては最高峰の性能を誇りながら、高い携帯性やデザイン性も兼ね備え、さらにエアフローを一新したことにより高い静音性も実現しているという隙のないマシンだ。
Point 2:ちょっと信じられないレベルのレンダリングスピード
今回、天野氏には「Dell Precision 5550」を使って、Cinema 4D標準レンダラーでのCPUレンダリングを行ってもらった。「モバイル機としてはちょっと信じられないレベルのスピードですね」と、天野氏が驚愕したその結果については、下記をご覧いただきたい。
Cinema 4D 標準レンダラーを用いたCPUレンダリングのベンチマークテスト
※デスクトップ機( Win) スペック(2019 年購入モデル)
CPU: Intel Core i9-9900K CPU
@ 3.60GHz (16 CPUs)
※モバイル機( Mac) スペック(2015 年購入モデル)
CPU: Intel Core i7 CPU
@ 2.50GHz (4 CPUs)