>   >  NETFLIX『バイオハザード:インフィニット ダークネス』を手がけるQuebicoの展望と、それを支えるAMD Ryzen Threadripper 3970 X搭載ウルトラハイエンドモデル
NETFLIX『バイオハザード:インフィニット ダークネス』を手がけるQuebicoの展望と、それを支えるAMD Ryzen Threadripper 3970 X搭載ウルトラハイエンドモデル

NETFLIX『バイオハザード:インフィニット ダークネス』を手がけるQuebicoの展望と、それを支えるAMD Ryzen Threadripper 3970 X搭載ウルトラハイエンドモデル

©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED. 

[PR]

わずか5名という小規模スタジオながら、NETFLIX配信フルCGアニメーションシリーズ『バイオハザード:インフィニット ダークネス』をプリプロ段階から全面的に手がけるなど活躍の幅を広げるQuebico。国内外のクリエイターとチームを組み、業務を円滑に進めるためのクラウドベースのパイプラン構築を支えるAMD製ハードウェアとAMD Radeon™ ProRenderの活用法について、同社の代表取締役 宮本 佳氏、テクニカルスーパーバイザー 小堀 剛氏と、AMD開発チームの吉村 篤氏に聞いた。

TEXT _神山大輝(NINE GATE STUDIO


小規模スタジオである事の強みと野望

CGWORLD(以下、CGW) :本日はよろしくお願いいたします。自己紹介をお願いします。

宮本 佳氏(以下、宮本) :Quebico代表取締役の宮本です。プロジェクトではプロデューサーとして企画への参加、人員配置や予算管理、制作管理を行なっています。

小堀 剛氏(以下、小堀) :テクニカルスーパーバイザーの小堀です。制作を円滑に進めるためのパイプライン構築やツールを設計・開発する技術的な部分の責任者をやっております。

CGW :Quebicoは2017年9月設立の新しいCGプロダクションかと思います。会社の特徴や強みについて教えて下さい。

宮本 :当社は現在の変化の激しい世の中でとにかくフットワーク軽く、意思決定、行動が取れることが最大の強みだと思います。私と小堀のほかにPMが1名、アーティストが2名の社員数5名という小規模故に社内だけではできることが限られているものの、国内外問わず協力いただけるスタジオ、フリーランスアーティストのご協力により、規模は必要に応じて無限大、常にプロジェクトにとってベストなメンバーと作品づくりができるいうのが当社のコアな考えです。

宮本 :また「単純にCGが出来る」というだけではなくチームづくりやプロジェクト立ち上げ、効率化など、映像制作全体をひとつのパッケージとしてリーディング出来ることも強みだと考えています。 これらを活かして、これまでもAAAタイトルのオープニングムービー制作など、ハイエンドな映像作品を国内外問わずベストマッチするパートナーと一緒に制作してきました。 そしてこの度、通常当社の様な小規模スタジオが取り扱う事ができない、大規模な作品を手がけることになりました。

CGW :現在制作中の『バイオハザード:インフィニット ダークネス』について教えて下さい。

宮本 :弊社はCGプロダクションですが、『バイオハザード:インフィニット ダークネス』はプリプロダクションの段階から関わっています。3DCG制作以前のシナリオ部分やキャラクターのルックも主体的に携わらせて頂きました。前作である『バイオハザード:ヴェンデッタ』のビジネスプロデューサーから、今回も是非一緒にやりたいとのことでお声がけいただき再びタッグを組みました。そして今回は映画ではなく、時代に即した配信形態で映画同等の規模でやらせていただくことになりました。




CGW :具体的なワークフローについて教えて下さい。

宮本 :全般的なところからいうと、プリプロ時点では当社からは私と小堀とPMの3名、そして外部にいるスーパーバイザーの方が参加し、キャラクターのルックやモーションキャプチャはどういった工程で収録するかなど全体の制作の流れを確認していきました。そこから、固まった仕様を協力会社や個人の方にお願いをしていきました。例えば、今回は物量のある作業は台湾の会社にお願いをしているのですが、当社からはデータだけでなく技術も共有し、先方は作業リソースを提供いただくという大きな枠組みでのアライアンスを組んでやっています。いち外注先という見方ではなく、全体でひとつのチームとして制作を行なっているという考え方が根本にありますので、実制作の情報、データは作業する部分だけを共有するのではなく、作品全体をシェアして参加メンバーになるべく作品全体を把握してもらうことを心がけています。

小堀 :もともと国内外の多くのアーティストと協力関係を結びながら制作を行うスタイルでしたから、基礎となるワークフローもそれを前提に設計しています。具体的には、データの集約やバージョン管理などは全てAWSのクラウドベースで管理しています。また、必要なデータのダウンロードや、作業結果のデータのアップロードなどの自動化は、独自開発のクラウドベースパイプラインでサポートしています。プロジェクト共通のフォルダ構造へのデータ配置や、ファイル収集などの煩雑な手間からアーティストを開放し、 あたかも同じスタジオで作業しているような状況を目指しています。ツールとしてはMayaをベースとしながら、エフェクトは3ds MAX、Houdini、コンポジットはNukeを用いています。

宮本 :こうしたスタイルは、2つ障害がありました。ひとつはネットワーク速度など個別の環境に差があること。これは今後時代が解決するはずなので、今回は我慢のしどころと判断しました。もうひとつはソフトウェアとハードウェアで、例えばMayaにしても独自プラグインは使わず標準のみで画づくりをするようにしています。ハードウェアは、やはりスペック不足などからレンダリング時間が大きな壁となっていました。クラウドベースのレンダラも試したことはありましたが、現状はコスト的にも難しいというのが正直なところでした。

AMD製品に見るクラウドベースの未来型ワークフロー

CGW :一方で、現在はAMDとの協力のもとAMD Radeon™ ProRenderRender Poolを活用したクラウドベースのレンダリングなども検討されていると伺っています。経緯などを教えていただけますか。

宮本 :私どものほうから打診をさせていただき、連携して業務を行うかたちとなりました。PCなどのハード面だけでなく、『バイオハザード:インフィニット ダークネス』では、作品の中で最も重要なシーンの背景など一部のレンダリングをRadeon™ ProRenderで行なっています。今までは困難と思っていた完全クラウド化に向けての実験的な意味合いも含めて、一部のシーンから少しずつ活用を始めています。

CGW :AMD搭載PCも複数台導入されていますが、スペックを教えて下さい。

小堀 :Ryzen Threadripper 3970 X(32コア 64スレッド)、Radeon RX 5700XT搭載のウルトラハイエンドモデルを4台、Ryzen 9 3900 X(12コア 24スレッド)、Radeon RX 5700 XT搭載のハイエンドモデルを21台導入しています。現在は1,000万~1,500万ポリゴン程度の室内シーンが多いのですが、最近のレンダラはコア数をあるだけ使ってくれる仕組みのものも多いため、AMDのメニーコアがリニアに活きています。Ryzen CPUはコア数単位でのコスト感に優れており、レンダリング等のプロセスでは非常に強いと感じています。

  • モデル
  • ウルトラハイエンド
  • ハイエンド
  • 用途
  • 3DCG制作PC
  • 2DCG制作PC
  • CPU
  • AMD Ryzen Threadripper 3970 X プロセッサー
    32コア64スレッド
  • AMD Ryzen 9 3900 X
    プロセッサー
    12コア24スレッド
  • グラフィックス
  • AMD Radeon RX 5700 XT
  • AMD Radeon RX 5700 XT
  • メモリ
  • 64GB以上
  • 32GB以上

CGW :レンダリングの時間はどの程度短縮されていますか?

小堀 :実際の数字を出すのは難しいですが、これまで使用してきたPCと比較して、ArnoldとRadeon™ ProRenderのレンダリングは6倍程度のパフォーマンスが出ていると思います。ただ、1分1秒を競うよりは、我々はイテレーションをどれだけ回せるかを重要視しており、シビアにルックに影響してしまうキャラクターの表現のチェックを何度できるか? 何回こだわることができるか? というところに恩恵を強く感じているところです。また、Radeon™ ProRenderはCPUとGPUを両方使うモードを使うことで全てのマシンパワーをレンダリングに活かすことが可能です。

吉村 篤氏(以下、吉村) :まさに今Radeon™ ProRenderは刷新のときで、CPUとGPUをあわせて使うモードにおいて、実際のプロダクションでの複雑なシェーダや膨大なシーンデータのレンダリング時にしっかりとパフォーマンスを発揮できるように開発を進めております。

  • 吉村 篤氏
    日本AMD株式会社
    ワークステーショングラフィックスR&D
    ソフトウェアディベロップメントエンジニア

小堀 :我々の実際のデータをもとにソフトウェア部分のチューニングを綿密に行なってくれているところです。近い将来は速度面も大きく向上すると思います。

CGW :AMDはこれまでも制作現場と密着したソフトウェア開発を行なってきました。今後期待することについて、教えて下さい。

宮本 :これまでは大規模な制作では高価なハイエンドマシンが必要でしたが、今はRyzenのように性能の良いハードウェアが個人でも手に入るようになりました。また、本来サーバが必要だったところも、クラウドベースであればコスト感を抑えることができています。近い将来、多くの方が低コストなクラウドレンダリングを自由に使えるようになったら、きっと大きなスタジオを構えなくても自分の好きな作品を自由に作れる未来が訪れると信じており、今回は多くの協力のもとその一歩を踏み出せたと思っています。AMDの技術は、我々の夢であり、目標であるその環境づくりを大きく後押ししてくれています。

(左から)Quebico 小堀 剛氏、宮本 佳氏、日本AMD 吉村 篤氏、佐藤美明氏

TOPIC1: 少数精鋭のQuebicoがAMDマシンを選ぶ理由

Quebicoは社員数5名という規模感ながら、『バイオハザード:インフィニット ダークネス』などの大規模制作に携わることのできる体制作りを念頭に置いた3DCGプロダクションだ。外部の協力会社やフリーランスとのパートナーシップのもと、「外注」ではなくひとつのチームとして制作を行うためにクラウドベースのデータ集約やバージョン管理を行なっている。その際、ハードウェアのスペックなど個々の環境の差異が障壁となっていたが、今回はスーパーバイザー等の主要メンバーとレンダリング・サーバ向けにRyzen Threadripper 3970 XおよびRyzen 9 3900 X搭載マシンを合計25台導入。コア数とコスト感のバランスが良いRyzen CPUによって従来ボトルネックになっていたレンダリングを高速化させ、イテレーション回数を増やすことで更なるクオリティ向上を実現した。

TOPIC2: Radeon™ ProRenderによるクラウドレンダリングへの期待感

Radeon™ ProRenderは、Mayaや3ds Max、Cinema 4Dなどに対応したAMD開発のパストレーシングレンダラで、物理的に正確なレンダリングが特徴となる。CPUとGPUの両方に対応し、処理速度の面でも優位性がある。Quebicoでは既に本レンダラを実際の作品で用いており、今後も継続して利用する方針だ。また、Radeon™ ProRenderはRender Pool(モルゲンロット)を用いることでクラウドレンダリングにも対応するため、いずれはQuebicoが現在用いているクラウドベースのパイプラインとの連携も可能になり、クラウド上で制作を完結するワークフローも実現可能になる見込み。設備の揃った大規模スタジオでなくても個人レベルでハイエンドなプリレンダ映像を制作できる土台が整いつつある。



問い合わせ先
日本AMD株式会社
TEL:03-6479-1550
www.amd.com/ja

Profileプロフィール

Quebico

Quebico

quebico.com

日本AMD

日本AMD

www.amd.com/ja

スペシャルインタビュー