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まったくのCG初心者が1年でここまで成長!? 講師と生徒がふり返る、Blender習得の道のり

まったくのCG初心者が1年でここまで成長!? 講師と生徒がふり返る、Blender習得の道のり

CGWORLD ONLINE TUTORIALSにて、好評配信中の「BlenderでCGをはじめよう!ゼロから学ぶ3DCG教室」は、まったくのCG初心者に講師がマンツーマンで指導していくチュートリアルだ。上級者向けのチュートリアルとは異なり、同じ失敗を繰り返しつつも確実にテクニックを身につけていく「かなりリアル」な内容となっている。本稿では、本チュートリアルの講師・實方佑介氏(ブルームスキーム・CTO)と生徒役でCG初心者・西原紀雅氏(CGWORLD編集部)が、二人三脚で歩んできた1年の過程をお伝えする。これからCGを始めたい人や壁にぶつかってしまった皆さん。西原氏の成長ぶりに、きっと勇気が湧いてくるはず!


構成_石井勇夫 / Isao Ishii(ねぎぞうデザイン)
INTERVIEW&EDIT_三村ゆにこ / Uniko Mimura(@UNIKO_LITTLE
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota



實方氏とCGWORLD・西原による動画チュートリアル

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初めてでもダイジョーブ! 超・初心者向けチュートリアルができるまで

CGWORLD(以下、CGW):まずはお2人の自己紹介をお願いします。

實方佑介氏(以下、實方):「BlenderでCGをはじめよう!ゼロから学ぶ3DCG教室」で講師を担当しているブルームスキーム・CTOの實方佑介です。マンガ業界でBlenderを使った背景制作や制作ツールの開発を手がけた後、現在は3Dを駆使したWebサービスの開発などを手がけています。

西原紀雅(以下、西原):CGWORLDでチュートリアルなどの教育事業を担当しています。1年前に『ゼロから学ぶ3DCG教室』で生徒役を務めるまでは、CG制作はまったくの初心者でした。文系出身で絵心もありませんし、学生時代はずっと美術が苦手でした(笑)。

CGW:なるほど(笑)。そんな西原さんが「ゼロからCGスキルを身につけていく」というチュートリアルだそうですね。

西原:はい。CGを触ったことがないけど挑戦してみたい、という方は多いのではないでしょうか。このチュートリアルを観てCGを始めるきっかけになれば嬉しいです。昔とはちがってPCは安価になってきましたし、Blenderのような無料のCGツールが出てきたことで、CG制作の垣根は低くなりましたからね。

CGW:最近では、小学生や中学生もCGをやっていますよね。

西原:そうですよね。でも一方で、「自分にはムリ」だと諦めている人や、絵が描けないからCGはできないと誤解している人も多いように感じています。実際、自分自身がそうでしたし、何から始めたら良いかすらわかりませんでした。そんな皆さんにピッタリなチュートリアルをつくろうと考えました。

CGW:なるほど、初心者向けのチュートリアルなんですね。

西原:「超」初心者向けです(笑)。これは、絵心のない40過ぎのオッサンが、ゼロからCGを始める挑戦の記録でもあります。『情熱大陸』のBGMを流したいくらいです(笑)

CGW:熱いですね(笑)。實方さんは、講師の依頼を受けたときどのようなお気持ちでしたか?

實方:そうですね、元々プログラミングが好きなので、「西原さんをプログラムしよう」と考えました。プログラミングは「適切な手順を適切に記述」したらちゃんと動くので。手順を理解して再現性のあるテクニックを習得することができれば、その過程で絵心や形を把握する能力が勝手に養われていくだろうと考えました。

  • 實方佑介/Yusuke Sanekata

    ブルームスキーム CTO

  • 西原紀雅/Norimasa Nishihara

    株式会社ボーンデジタル CGWORLD編集部

CGW:西原さん、実際はいかがですか? 養われましたか?

西原:(即答)かなり養われました! ビックリしています。

CGW:記念すべき第1回の配信が2019年の10月2日(水)なので......、Blenderを学び始めて1年半になるんですね。第1回の収録を終えたときの気分はいかがでしたか?

西原:こちらをご覧ください、僕が第1回でつくったはじめての作品です。

【無料】「第1回:3DCGを体験してみよう!〜スカルプトでオレンジをつくろう〜」

CGW:おぉ、玉ねぎですね! 上手じゃないですか!

西原:オレンジです! ちゃんとタイトルに「オレンジをつくろう」って書いてあるじゃないですか! ひどいな(笑)。

實方:(笑)。初心者にいきなりポリゴンモデリングは難しいと思ったので、まずはスカルプトを体験してもらいました。モデリングしたものにマテリアルを付けてライティングを施し、レンダリングするという一連の工程を体験してもらって。

CGW:まったくの初心者に教えてみて、どんな気分でしたか?

實方:自動車の教習所みたいでしたね(笑)。西原さんが恐る恐るソフトを触る様子は、ちょっとかわいかったです(笑)。

西原:3Dソフトはメニューがめちゃくちゃ多いじゃないですか。PowerPointとは何もかもがちがうので、最初はとても戸惑いました。

實方:そこから第7回くらいまで基礎をやりましたね。机や椅子を積み木みたいに作って。

西原:基礎の中でも「原点」について教わった回は納得感がすごかったですね。「原点」というのは、CGモデルの「主軸」に関する考え方です。

「第3回:3DCGモデリングの基礎〜原点を理解しよう!〜」

實方:「原点」はCG制作では大切な考え方なので、3回に渡ってしっかりと学んでもらいました。

CGW:なるほど。Blenderに限らず、CG制作全般において重要なポイントですよね。

西原:基礎をだいたい学んだら、第8回から実寸モデリングに入ります。ティッシュの箱のような簡単なものを実際のサイズで作り、スマホで撮影したテクスチャを貼るという工程を学びました。

實方:実寸モデル制作の良いところは、「実物のスケール感」と「画面の中のCGモデルのスケール感」を関連付けられる点です。初心者の場合、画面の中の3Dモデルが「体感」として掴めていないことが多いです。画面の中で作られたポリゴンが「現実ではこのサイズ」といった感覚を掴んでもらうことで、現実と画面の中がリンクしてCGが作りやすくなるんです。

西原:まずはテーブル、次にソファを作りました。テーブルのような四角い形状は簡単でしたが、ソファのような柔らかい形状は難しかったですね。

實方:ソファの作り方は、それまでやっていたことの組み合わせです。ベースは机と同じ四角形から作って、柔らかいところはオレンジで身につけたスカルプトで変形しました。

第12回:実寸モデリング~プロシージャルで木目のマテリアルを作ろう~

「第15回:実寸モデリング~ディテールとマテリアルを追加してソファを完成させる~」

CGW:すでにそこそこCGできる人っぽくないですか? すごいですね! 挫折しそうになりませんでしたか?

西原:第16回からの「部屋モデリング」はきつくて少しくじけそうになりました。とにかく物量が多かったし作業もスピードアップして、付いていくのが大変でした。

實方:部屋の建具は各メーカーから配布されている「工事用の図面」などをトレースしていけば作れるのですが、とにかく作るものの数が多いので、何度も同じような作業を繰り返す必要があるんですよね。ここで反復トレーニングをしたことで、基礎的な力が身についたはずです。

第21回:部屋モデリング(6)~壁やフローリングにマテリアルを設定しよう~

西原:本当にそのとおりで、部屋のモデリングはまるで筋トレのようでした。後半では「シャワーヘッド」を作ったのですが、複雑な形状をどうやって作っていけば良いのか、ある程度予測できるようになっていました。このあたりから、實方さんと「どのモディファイアーを使えば良いか?」といった会話ができるようになっていましたね。部屋が完成したら、せっかくなのでキャラクターを作って部屋の中に置いてみようとなり、簡単なキャラクターを制作しました。

「第32回:部屋モデリング(17)~バスルームをつくろう(3)~」

實方:部屋のモデリングだけで20時間くらいかけていたので、少し目先を変えて飽きないようにしないと(笑)。あと、限られたものしかつくれないというのでは、学んだことになりませんからね。制作を通していろんなことをするから応用力が身につき、「何をつくりたいのか」がわかってくるものですからね。

西原:キャラクターをつくってみたい人もいるだろうし、参考になれば嬉しいです。キャラクター制作では「アーマチュア」というボーンやリグなどのツールを使いました。

「第39回:キャラクターモデリング(4)~アーマチュア(ボーン)を入れてポーズをつけよう~」

CGW:「アーマチュア」という言葉がさらりと口から出てくる今、どのようなお気持ちですか?

西原:もうビックリですよ(笑)。



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「反復練習」で自信と根気を養おう!

Profileプロフィール

實方佑介/Yusuke Sanekata

實方佑介/Yusuke Sanekata

株式会社ブルームスキーム CTO(Chief Technology Officer)。漫画の3Dディレクションに従事した後、現職。プロダクト開発のほぼ全てのパートを担当。フロント:Javascript、React。サーバサイド:Python、Django REST framework。モデリング:Blender、ZBrush、Marvelous Designer、Substance Designer。ツール開発:Python、JavaScript、C#。分野を問わず必要に応じて何でもやります。

西原紀雅/Norimasa Nishihara

西原紀雅/Norimasa Nishihara

株式会社ボーンデジタル CGWORLD編集部