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『NO MORE HEROES』シリーズなどユニークなタイトルを数多く手掛けるグラスホッパー・マニファクチュア(以下、GhM)が新プロジェクトのコアとなる人材を募集中だ。昨年10月にはNetEase Games傘下入りを発表し、今年3月には新オフィスをオープンするなど勢いのある同社の「ゲーム開発の流儀」や求める人材像について、代表取締役社長 須田 剛一氏と現場のコアスタッフ2名に話を聞いた。(※取材は2021年の12月)

▲左から谷脇邦彦氏・アートディレクター、須田剛一氏・代表取締役社長/ゲームデザイナー/ディレクター/プロデューサー、山﨑 廉氏・ディレクター

須田剛一氏よりビデオメッセージ

スタッフ募集、新スタジオ設立にあたり、須田剛一氏よりビデオメッセージを寄せていただいた。新規プロジェクトや、後楽園より徒歩30秒という新スタジオについても語っていただいているので、是非チェックしてもらいたい。

『NO MORE HEROES』シリーズ、『killer7』など、ゼロからイチを生み出してきたグラスホッパー・マニファクチュアの作法とは?

CGWORLD(以下、CGW):自己紹介をお願いします。

須田剛一(以下、須田):代表の須田と申します。代表取締役社長とゲームデザイナー、脚本、一部作品のプロデューサーなど、さまざまな仕事をしております。GhMは1998年設立のゲーム会社で、今年3月で創業23年を迎えました。現在はNetEase Gamesの傘下となり、今年の3月には後楽園に新たなオフィスを立ち上げる予定となっています。今日はよろしくお願いします。

  • 須田剛一氏
    代表取締役社長/ゲームデザイナー/ディレクター/プロデューサー


    Q:最近ハマっているものは?
    A:「もともとTVドラマが好きで、最近は『アバランチ』がお気に入りです。ドラマ好きなので、今クールも色々追いかけていますよ。新作NWH公開や、『スパイダーマン:スパイダーバース』続編も告知されている『スパイダーマン』シリーズのネタバレに注目しています!」

山﨑 廉(以下、山﨑):企画セクションのリーダーとディレクターをしております、山﨑です。ゲームデザイナーとして仕様書を書いたり、全体のディレクションを行うのがメインの業務となりますが。もともと絵が描けることもあって業務の一部でグラフィックス分野に関わったりもしています。

  • 山﨑 廉氏
    ディレクター


    Q:最近ハマっているものは?
    A:「最近はプラモデルづくりにハマっていて、今は『ファイブスター物語(F.S.S.)』の「MH(モーターヘッド)」を作っています。『オージェ・アルスキュル』も予約してあるので、2022年の正月休みに映画でも観ながらゆっくりつくろうかな、と思っています」

谷脇邦彦(以下、谷脇):アートセクションのリーダーの谷脇です。前職時代はキャラクターアーティストでしたが、現在はアートディレクターとして幅広い作品を見ています。よろしくお願いします。

  • 谷脇邦彦氏
    アートディレクター


    Q:最近ハマっているものは?
    A:「CG技術の観点で言うと、「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」の世界を元にしたアニメ作品である『Arcane アーケイン』にハマっています。コンセプトアートがそのまま全編動いているようなルックで、個人的には初めて『スパイダーマン:スパイダーバース』を観たときと同じくらいの衝撃を受けました。」

CGW:お二人の入社経緯について教えてください。

谷脇:私は2001年にデザイナーとして入社しました。もともと『シルバー事件(1999年発売のPlayStation用3Dアドベンチャーゲーム。須田氏がディレクターを務める)』のファンだったこともあり、ぜひGhMで働きたいと思い応募しました。その後社内で『killer7 』を長く制作していましたが、プロジェクトが一段落したタイミングで一度退職してフリーランスになりました。その後もさまざまなゲーム会社と一緒に働きましたが、数年前に須田から急に「そろそろ戻る?」とfacebookメッセージが届きまして...。その時はちょうど『シルバー2425 』が公開されたタイミングで、またあの時にみたいに楽しく働けるのかな、と思って、また戻って一緒に仕事をすることになりました。

▲シルバー2425
https://www.grasshopper.co.jp/projects/silver_2425.html

▲killer7
https://www.grasshopper.co.jp/projects/killer7.html

山﨑 :私はもともとGhMの企画書のイラストを描くアルバイトをさせていただいてたんです。学校を卒業後、ゲームの仕事がしたいということで2002年にGhMに入社し、最初はデザイナーをしておりました。「企画にも興味がある」と公言はしていたのですが、その後すぐに関わっていたタイトルのディレクターが変わるというタイミングがあり、ディレクターとして抜擢されたのが現在の業務内容の足がかりになっています。
『michigan(ミシガン)』などのディレクターを務めたあと、自分も一度独立しています。その後また須田から声掛けをいただいて戻ってきて、今に至るというかたちです。

CGW:ということは、お二人とも出戻りをされているということですね。

須田:弊社は結構多いかも知れませんね。2人のように自分から声掛けをさせていただく方もいますし、自発的に声を掛けてくれるスタッフもいます。

谷脇:『killer7』は、その後の人生を考えても、一番きついゲーム制作だったと思うんですよ。ほとんど経験のなかった自分が、いきなりメインキャラクターを作らせていただいたりして...。ただ、振り返ってみると、本当に自由にやれて楽しかった時期でもあるんですね。『Killer7』は業界的にも名が通っていて、コアなファンの方もいらっしゃって、自分の中でも大きな意味合いを持つ作品です。良い思い出と、タイミングが重なって、改めてお誘いを受けさせていただきました。

山﨑 :私も谷脇と同じで、ゲーム開発の大変さの中にすごく楽しかった思い出があるんです。開発は苦労の連続ですが、それを遥かに越える楽しい経験もありました。関わっていたタイトルのすべてが大成功だったかは分かりませんが、今でも"ベストゲーム"に挙げてくれるコアなファンが多いのは事実です。チーム一丸となって、全員でアイディアを出し合って頑張った「これこそ自分達の作品なんだ」という感覚が強くありました。戻った時はまた、ああいう楽しいことが出来るのかなと思っていましたね。ちなみに、「大変だった」と言っても過去の話で、今はかなりホワイトな現場になっています(笑)。これは今日、ちゃんと言っておきたいポイントです。

CGW:GhMには独創的なタイトルが多く、国内外に多くのファンがいらっしゃいますが、一貫するゲーム制作の作法やカルチャーのようなものはあるのでしょうか?

須田:弊社の特徴は「オリジナルゲームをつくることに特化したチーム」であることです。新しいものをゼロイチで生み出すことに慣れていて、日常的に新しいお題目のもとに作品を生み出すということをやっています。この積み重ね自体が、弊社のカルチャーと言えるものでしょうか。あまりかっちりとした企画書をつくらず、最初のお題を私の方が提示して、それをスタッフみんなで育てていくようなつくり方をしています。

山﨑 :須田が「こういうことをやりたい」と言うと、私が「それならこういう感じのゲームにしよう」と返すような感覚です。アイディアを組み立てることを日常的にやっているので、確かにゼロイチには慣れているような気はします。こう来たからこう返そう、それが正解でなくても良いし、違ったらまた考えればいいーなんというか、大喜利をやっているような感じなんですね。

須田:ただ、慣れ過ぎても良くないので、例えばいま制作中のタイトルは街を丸ごとジオラマで、造形家の方につくっていただいています。
畳二畳分くらいの巨大なジオラマをつくって、それをフォトグラメトリで撮って街をつくるという大がかりな仕掛けです。方法論を統一せず、いろいろなつくり方を模索しながらゲームづくりのスタートポイントを考えています。いずれにしても、瞬発的な発想、自由な意見をベテラン以外も言えるようなチームづくりは意識していますね。若手スタッフにも気軽に意見を言って欲しいし、職種の垣根を越えてもいい。たとえば開発の現場にいない総務部からの発案だって、面白ければOKという雰囲気でやっています。

谷脇:かちっとした企画が決まっていない状態で「自由に描いてくださいね」とオーダーしてみて、出来上がった絵を見ながら「これはボスっぽいね、こういう形状だからバトルスタイルはこうしよう」などと着想を得ていくようなつくり方も多いです。普通、ゲーム開発はトップダウンで指示が降りてくるものだと思いますが、現場発想のアイディアがすごく尊重されるチームになっているとは感じますね。

▲No More Heroes 3に登場する宇宙怪獣『スペースピーコック』。「デザイナーの牛木匡憲氏に宇宙怪獣戦の仕様(フルアーマートラヴィスで戦う、複数のコアを狙うシューティング)をお伝えして自由にデザインして頂きました。制作いただいたデザイン案を見て「5枚の翼に5色のコアがあり、中央のボディの色が現在攻撃可能なコアを示す」というゲーム性となりました。」(谷脇氏)

須田:他のスタジオとはゲーム開発の方法論がまったく違うと思います。でも、別にどのスタジオもそういった独自性は持っていると思うんですよ。開発後半になるとスタッフも悪ノリして、冗談で言ったような機能を実装したりとか、そういった遊び心が作品をより良くしたりとか...躍動感のあるつくり方というか、バンドのセッションみたいに全員で遊びながら真剣に作っている感覚が強いのかなとは思います。

谷脇:そうは言っても、須田のアイディアをきちんとまとめあげる段階では、きっちりと仕様を確定させて真面目につくっていますよ。全部が全部アドリブではもちろんないので、そこだけは言わせてください!スタッフはみんな基本的にすごく真面目な方が多いです。

山﨑 :たしかに、真面目で大人しい方が多いんですよ。そして、みんな優しいという。

NetEase Games傘下となり、独創性にスケールが加わる

CGW:スタッフの発想を自由に受け入れる風通しの良さと、開発を着実に支える現場があるということで、非常に良い企業文化が成り立っていると思いますが、その上で今回はNetEase Games傘下入りが発表されています。このことは、御社の作品にどのような影響を与えると思いますか?

須田:NetEase Gamesの強みは、母体となる企業が非常に大きいことです。グループで数万人、開発チームだけでも数千人という規模感です。中でも「Art Design Center(以下、ADC)」と呼ばれる本国のアートチームと協業ができることは素晴らしいと考えています。弊社側で、GhMらしいコアなデザイン・中核となる部分を設計し、ADCの協力の上でより大規模に派生させるーつまり、「より大きな作品がつくれるようになる」だろうと考えています。

谷脇:すでにADCとはチャットツールで連絡を取り合っており、さまざまな技術協力をいただいています。カルチャーは当然違うというか、例えばコンセプトアートひとつ取ってみても、自分たちはある程度仕様がふわっとしたまま描き始めて、そのコンセプトアートから設定や仕様を考えていくことが多いですが、NetEase Gamesは「ステージがいくつ、ボスが何体」としっかり仕様を固めてから描き始めることが多くて。むしろ、そっちの方が一般的な方法ではあると思うんですけど。ただ、NetEase Gamesは我々のこうしたスタイルをすごく尊重してくれているんです。GhMの流儀をすごく受け入れてくれている、というのは肌で感じます。

山﨑 :あとは、今まで以上にクオリティの追及ができるだろうと考えています。一般的にはクライアントがいて、売り時を考えながらいつまでにつくるかを決めて、逆算してプロジェクトを進めて行くのですが、この過程で「〆切を考えると諦めざるを得ない仕様・デザイン」などがどうしても発生していました。もちろんこれは普通のことで、こうしたつくり方を否定するつもりはありませんが、NetEase Gamesは「とにかくクオリティに妥協しない、良いものをつくれるなら時間が掛かってもいい」という姿勢を持っています。今まで諦めていたクオリティを極限まで追いかけて、少しでも良いものをつくっていきたい、こうした雰囲気に対する期待は大きいですね。

3月に新スタジオをオープン。プロジェクトのコアメンバーに求める要件とは

CGW:改めて、今回の求人の背景について教えてください。

須田:コンシューマーゲーム機向けの新プロジェクト始動のためです。冒頭でもお話しましたが、最高の環境を整えておりますので、3月オープンの新スタジオで一緒に働けるメンバーを探しています。

谷脇:新プロジェクトのメインスタッフを募集しています。プロジェクトのコアの部分を担っていただきたいと考えていますので、すごくやりがいがある環境でもあります。今後はよりハイエンドなプラットフォームで制作する見込みで、ゲーム開発の技術もより高度になっていくと思います。コンシューマーゲームの開発経験のある方、特にUnreal Engineでの開発経験のある方が優遇条件になりますが、映像業界や造形など、ユニークなスキルを持っている方も歓迎です。その意味で、広く募集を行いたい考えです。

CGW:使用するDCCツールなどに規定はありますか?

谷脇Mayaが基本になります。キャラクターであればZBrushや3DCoat、エンバイロメントではSubstance DesignerやSubstance Painterを用いています。ただ、基本的にはそれぞれ使い易い環境、使い易いツールを使って問題ないと考えています。良いワークフローがあれば、ぜひ周りに共有してください。ソフトウェアは基本的にはどれでも申請して購入できますし、現在のプロジェクトではエフェクト・背景制作にHoudiniを組み込んでいます。最近ユーザー数が増加しているBlenderユーザーの方も、入社後にMayaを覚えていただければ問題ないと考えておりますので、ぜひご応募いただけたら嬉しいです。

▲『No More Heroes 3』の星雲をモチーフにしたフィールドでは、全体のデザインでSubstance Designerが活用されている。より大がかりな背景アセットも品質を落とさずに効率的に制作する方法が日々模索されている。

▲【左】Substance Designerでの作業。個々の構成要素をノードベースのエディタで加工しながら入力【右】Unreal Engine上でマテリアルを割り当てている。

CGW:求める人材像について、詳しくお聞かせください。

山﨑 :ものづくりが本当に好き方に来ていただくのが良いと思います。いろいろとスキルの有無はあるかと思いますが、それを越える「クリエイティブが大好きな人」が理想です。気が付いたら手を動かしてなにかをつくっている人、時間があるとものづくりを始めたり落書きを始める人、そういった方にとっては非常にマッチする会社だと考えています。

谷脇:アーティストの判断が求められる現場でもあり、同時にアーティスト自身がアイディアを盛り込む余白のある開発体制になります。上下関係を気にせず、面白いと思うアイディアを自由な発想で提案して欲しいですし、それがそのままゲームに載る可能性も高いです。ですから、「カチッと仕様が決まってないと難しい」という方よりは、自由な発想でものづくりを楽しめる方がマッチするだろうと考えています。と言っても、実装段階ではカチっと真面目にやっておりますので、そこはあまり心配しないでくださいね。

須田:私は最終面接で出てくる人間なので、いつも「応募者の方の人となり」をしっかり見ようと思っています。弊社スタッフに合うかどうか、今いるメンバーとの相性も含めて考えながら、まずはビデオゲームが好きで、ものづくりを純粋に楽しみながら継続できる方が理想です。傾向としては、弊社の作品のファンが強いような気はしています。その憧れが持続して、憧れだった対象に自分自身がなって、そしてゲームをつくり続けていく、そんな方はコアメンバーとして活躍をしてくれている印象があります。

CGW:ありがとうございます。最後に、応募者に向けたメッセージをお願いいたします。

須田ビデオゲームの強みは世界に直接打って出れること、全世界発信を見据えたコンテンツであることです。かつては日本という国が世界のゲームの中心にいて、海外には日本ゲームのファンが沢山いて、プラットフォームとしても全世界配信がし易い状況にあるーこれはゲーム特有の明確な強みだと考えます。弊社自体がものすごく海外志向かと言われれば、そういうわけでもないのですが、それでも世界中のゲーマーに作品を届けたいとは強く思っている部分です。「世界中に自分の作品を届けたい」という強い想いを抱く方であれば、いまの弊社を選んでいただくのは良い選択ではないかと感じています。

CGW:ありがとうございました。

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