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遊技機(パチンコ、パチスロ)向け映像制作を、企画から組み込みまで一気通貫で制作できることを強みとするエルフィン。現在、同社はディレクター、デザイナー、プログラマー、オーサリングなど複数の職種を募集中だ。そんなエルフィンの原動力は、"オタクであることを推奨する社風"だという。好きこそものの上手なれを実践する中核スタッフたちに、制作スタイルを紹介してもらった。

TEXT_江連良介 / Ryosuke Edure
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota

募集職種

①2D/3Dデザイナー
②アートディレクター
③オーサリング
④オーサリングディレクター
⑤絵コンテ、作画デザイナー
⑥プログラマー
⑦映像企画アシスタントディレクター
⑧映像企画ディレクター
⑨映像企画プロジェクトマネージャー

詳細はこちら
https://cgworld.jp/jobs/30512.html

【INDEX】

<1>エルフィンは「オタク推奨」、社員のクリエイティブを応援する制度が充実
<2>「カッコイイもの」をロジカルに考える楽しさがある
<3>好きなことが仕事になるからこそ、こだわりは"作品愛をもつこと"
<4>新たな映像表現を求めて、実写撮影にチャレンジ

<1>エルフィンは「オタク推奨」、
社員のクリエイティブを応援する制度が充実

2008年に設立したエルフィンは、遊技機向け企画・演出業務から活動をスタート。その後、クライアントのクリエイティブに関する期待に応えるべく、デザイナーやプログラマーを採用していき、現在では約80名もの社員を抱えるプロダクションだ。

エルフィンは、一般的な同業他社よりも企画職が多いことが特徴。これにより遊技機映像の企画から絵コンテ、それを元にした映像・オーサリングまで高いクオリティを発揮している。

©竜騎士07/07th Expansion ©OIZUMI
『パチスロひぐらしのなく頃に祭2』(メーカー:オーイズミ)プロモーションムービー。エルフィンが一連の映像制作を担当した

仕事の進め方について創業者であり執行役員社長を務める木下 崇氏は、「メーカー様から直接お仕事をいただいて、メーカー様の企画担当者の方とタッグを組んで開発を進めていきます。われわれは野球におけるキャッチャーのような役割で、メーカー様の要望に応えつつも、映像に関するアドバイスなどをゼロからディスカッションし、一緒につくっていくことを心がけています」と語る。

また、「オタク推奨」と言う通り、主にアニメ関連のIPを題材とする開発に強みがあり、2Dアートのデザイナーがシナリオ開発、台詞の音響制作にも携わるなど、会社では自分の専門領域にとらわれず、幅広く才能を活かすことができると言う。

このような背景もあり、エルフィンでは業界経験者だけでなく、異業種からのチャレンジも求めている。

そんなエルフィンの社風について、「オタクであることを推奨しています。アニメ文化にこだわらず、映画や自転車、ミリタリーなど、何か他人に負けない部分があると、コンテンツ制作業務でも武器になる。だからこそ、会社でも制度を整備して応援しています」と、木下氏。

実際に同社では、社員の様々なクリエイティブに関する活動を応援する制度を設けている。そのひとつが「創作活動支援制度」だ。例えば、社員が同人活動を行う際、同人誌の印刷費の3割を会社が負担してくれる。
また、映画鑑賞、CD購入、ゲーム課金、会食など様々なインプットのための活動を支援してくれる「業務活動支援制度」もある。

これらの制度にはもちろん一定の条件があるが、木下氏は「社員の創作活動への支援にお金を渋ったことはない」と胸を張る。こうした仕事に関連するインプットへの支援制度は、後に紹介するように社員に大いに活用されている。

次に、木下氏に業界の現状を語ってもらった。

遊技機業界は、ゲームや映画、アニメなど、他のエンタメ産業と比べるとまだまだ発展途上であり、新しいチャレンジが必要だという。

「ギラギラ、ピカピカ」と光輝く遊技機定番の表現は今もあるが、それだけだと縮小再生産になってしまう。重要なのは、定番表現の技を磨きつつ、新しい表現にもチャレンジする精神だ。
「新しいテクノロジー、ツールが出たときに、自分には関係ないと決めつけるのではなく、常に新しいことにチャレンジしようとする人を求めています」(木下氏)

エルフィンでは現在、テレワークとオフィスでの仕事を並行しているが、テレワークは経験者に限定している。

「新人への教育は現場での高コストなコミュニケーションがないと成立しないと思っていますが、経験者枠では今後の採用でもテレワークの枠を拡大していきたいと思っています」(木下氏)


<2>「カッコイイもの」をロジカルに考える楽しさがある

オーサリンググループのマネージャーを務める松本憲正氏は、エルフィン映像部署起ち上げ当初から活躍するメンバーのひとり。映像の現場で制作に携わるほか、求人への対応や社員へのメンタルケアなど内部のマネジメントも担っている。

松本氏は最初から映像制作を志していたわけではなく、キャリアチェンジをしながら業界に興味を抱くようになったという。 「高校は工業高校で、自動車整備などを学んでいましたが、23〜24歳くらいのときに、『このままでいいのか』と思うようになりました。当時はちょうどニコニコ動画が流行っており、これを見て自分でもチャレンジしたいと考えるようになったのが動画制作を始めるきっかけでした」(松本氏)。


  • 松本憲正/Norimasa Matsumoto
    オーサリングGr.マネージャー(開発部)

エルフィンでの映像制作はほぼ全てが遊技機に関するものだが、イチから働きながら映像を学べる点で、エンタメ産業の中でも懐が深い業界だと感じたという。ただ、松本氏が長くエルフィンのメンバーでいる理由はそれだけではなく、自分の性格や理想の働き方とマッチしているところも大きい。

「正直体育会系のノリは得意ではないのですが、遊技機の業界ではどうしても根性を見せることが求められることがありました。しかし、エルフィンはそういう会社ではなく、他のメンバーもあまりプライベートに干渉してこない。そういう意味で、自分らしさを保ちながら働けるところが大きいと思います」(松本氏)

遊技機の映像制作は答えがない仕事であり、どうしてもトップの感性に委ねられることが多かった。しかし、木下社長は「カッコイイもの」をロジカルに分析することに重きを置いており、良いものを論理的に積み上げていく楽しさがあるそうだ。


松本氏にエルフィンが求める人材について聞いてみた。 「意欲のある人、未経験のことにも取り組める人だと思います。映像制作は制作者自身が楽しんでいないと良いものはつくれない。その気持ちがあれば十分だと思います」

▼『パチスロひぐらしのなく頃に祭2』 オーサリング作業の例

<STEP1>
本作の背景には写真素材が用いられた


<STEP 2>
After Effectsでルックを加工


<STEP 3>
文字要素が追加された完成形


©竜騎士07/07th Expansion ©OIZUMI
完成した背景素材。360°カメラで撮影することで、同じロケーションから様々な演出ムービーをつくり出している

©竜騎士07/07th Expansion ©OIZUMI
本作のキャラクターアニメーションはLive2Dで作成されている。こちらのムービーは、360°カメラで撮影した背景素材を組み合わせた応用ムービーの例

<3>好きなことが仕事になるからこそ、
こだわりは"作品愛をもつこと"

作画グループでデザイナーとして活躍する濱本一聡氏は、前職でソーシャルゲームや電子書籍の挿画を担当していた経験をもつ。そんな濱本氏のエルフィンとの出会いは、登録したクリエイター系求人サービスに届いたスカウトメールからだった。

入社の決め手は、先ほど紹介した「創作活動支援制度」の存在だ。自身も熱心に同人活動をしている濱本氏にとって、創作活動への支援は大きな励みになっている。実際に、夏・冬のコミケは本制度を活用し、同人活動をしているそうだ。


  • 濱本一聡/Kazusa Hamamoto
    制作管理 / デザイナー(開発部 作画Gr)

濱本氏は元々アニメを観るのが好きで、それが仕事になっているため高いモチベーションを維持できると語る。 「この仕事はアニメを見て創作活動に活かすことも仕事のうちです。そういう意味で、好きなアニメを見ながら仕事ができるので、全然苦になりません」(濱本氏)

『ぱちんこ ひぐらしのなく頃に』作画の例

図柄の例。(左図)ラフ/(右図)完成形

濱本氏は作画担当として絵コンテを描いたり、外注の管理をすることがメインの業務だったが、興味の広がりから版権監修やLive2D制作の指示などにも関わるようになった。 実際に、エルフィンの代表作『ひぐらしのなく頃に祭2』や『ひぐらしのなく頃に廻』では、濱本氏が制作にLive2Dの導入を提案し、採用されたという経緯がある。

▼『ひぐらしのなく頃に廻』
アニメーション制作向けに作成した資料の例

【左】Live2Dで作成したアニメーションに対する修正指示の例/【右】アニメーション作業を担当する外部パートナー向けに作成した絵コンテ(修正版)の例

濱本氏は、ひぐらしシリーズについて「元からファンで、舞台が自分の出身地だったこともあり、高校の頃に聖地巡礼に足を運んでいました。エルフィンでこの作品を手がけることになるとは思ってもみなかったです」と作品との縁について語ってくれた。


そんな濱本氏は、良い作品をつくるには、鑑賞と同じく作品への愛情が重要だと言う。
「制作時は作品愛をもつことしか考えていません。作品を世に出したときに、ユーザーが違和感を持たないようにつくろうと努力しています。作品の製作委員会ではキャラクターのセリフのチェックなどもするため、会社で購入してもらった設定資料などを読み込み、違和感がないか確認しています。自分もファンだからこそ、ユーザーには世界観のずれで引っかかってほしくないんです」(濱本氏)

このように仕事に対しては情熱的である一方で、昼休みにはメンバー同士でお菓子を食べたり、ゲームをするなど、リラックスした時間を過ごせると語る。


▼エルフィン社内にある休憩スペース。専門スタッフによって、定期的に清掃されている。濱本さんは休憩時間にここでゲームを楽しむことが多いそうだ

会社の就業時間は10時から19時で時差出勤も行われているが、結局ほとんどのメンバーが同じ時間に休憩を取り、ゲームをするなど、和気あいあいとした雰囲気が窺えた。

<4>新たな映像表現を求めて、実写撮影にチャレンジ

ディレクターとして活躍する津川雅行氏は、映像表現のプランニング、映像の構成、映像制作のディレクション、スケジュール管理などを担っている。元から映像制作には興味があり、遊技機で遊ぶことが多かったことから、エルフィンへの入社を決めた。


  • 津川雅行/Masayuki Tsugawa
    ディレクター(開発部 映像企画Gr)

「自分も遊技機で遊んでいて、入る前は正直、自分ならもっと面白いものをつくれると思っていました。実際つくるとなるとすごく大変だったのですが(苦笑)」(津川氏)

そんなエルフィンの印象は、入社後もやはり「みんな何かしらのオタクだ」と語る。入社後は業務を通じて、自分でも何が良い作品なのかを良く考えるようになったという。

また、津川氏は、エルフィンの強みは「引き出しの多さ」にあると語る。仮にクライアントから抽象的なリクエストを受けたときでも、その意図を的確に理解し、具体的な提案が行えることにつながっているそうだ。

これは、先輩社員たちが常に作品に触れ、考えてきたからこそできることだろう。だからこそ、自分の仕事についても「わざわざエルフィンに依頼してくれているのだから、求められている以上のものをつくりたいと思う」と意欲をもてるという。

とは言え、扱う作品はオリジナルが10年以上前のものもある。古い作品を現代に蘇らせる場合、いかにしてビジュアル的に進化させ、ユーザーに楽しんでもらうかが課題となる。そこでエルフィンは、Live2Dでキャラに動きをつけ、実写背景と組み合わせることで新しい体験を生み出す試みを始めた。

『パチスロひぐらしのなく頃に祭2』
実写素材を用いた背景制作の例

<STEP 1>
『ひぐらし』シリーズのメイン舞台「雛見沢村」風景のモデルとなった白川郷(岐阜県大野郡白川村)にて、実写撮影を実施

<STEP 2> 本作向けにルックを加工した状態

<STEP 3> 近景となる樹木のアニメーションや霧のエフェクトを追加した背景としての完成形


©竜騎士07/07th Expansion ©OIZUMI
運命分岐モード用の背景アニメーション

©竜騎士07/07th Expansion ©OIZUMI
演出ムービーの例。こちらの背景も実写素材が用いられている

実写撮影は初チャレンジだったというが、4泊5日のロケハンを2度こなし、CMの映像制作ではロケーションコーディネータが担当する業務にも挑戦するなど、現場では常に新しい経験を積むことができたようだ。

そんな津川氏も、エルフィンに来てほしい人材は「こわだりがある人、何か好きなものがあり、それを人に説明できる人」と話す。「つくるのは大変だけど、完成した台をみなさんが遊んでいるのを見たり、遊んだ感想を聞いているときが最高の幸せです。自分の関わったものが世に出て、楽しんでもらえていることが、最大のモチベーションになりますね」(津川氏)

これまで語られてきたように、エルフィンは「オタク推奨」の映像プロダクションだ。自分だけのこだわりを制作に活かしたいという方は、応募を検討してみてはいかがだろうか。

求人情報

募集職種

①2D/3Dデザイナー
②アートディレクター
③オーサリング
④オーサリングディレクター
⑤絵コンテ、作画デザイナー
⑥プログラマー
⑦映像企画アシスタントディレクター
⑧映像企画ディレクター
⑨映像企画プロジェクトマネージャー

詳細はこちら
https://cgworld.jp/jobs/30512.html