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BTOパソコンショップ「SEVEN」のクリエイター向けPCを監督篠田利隆氏とCGクリエイター go | haquxx氏が検証

BTOパソコンショップ「SEVEN」のクリエイター向けPCを監督篠田利隆氏とCGクリエイター go | haquxx氏が検証

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豊富なパーツ群から細かな指定が可能なBTOパソコンショップ「SEVEN」。Intel i7-11700K,RTX3060を搭載した本機を、CGクリエイター go | haquxx氏、映像監督篠田利隆氏に実際に使って頂き、それぞれ異なる視点から検証して頂いた。

TEXT_神山大輝/ Daiki Kamiyama(NINE GATES STUDIO
PHOTO_竹下朋宏/Tomohiro Takeshita
INTERVIEW_阿部祐司/Yuji Abe(CGWORLD)

上位モデルとの比較でも大健闘したSEVEN PCの魅力

CGWORLD(以下、CGW):まずは自己紹介をお願いします。

GO氏:GOと申します。以前はプログラマーとしてコードを書く仕事をしていましたが、今はビジュアル寄りの部分をメインにしています。2014年頃のVR黎明期にOculusに触れて、そこからコンテンツ制作を志すようになりました。ゲームや体験、音楽、ビジュアライズなどの分野に興味を持ち、仕事としてプログラムを書き始めました。現在は3DCGやライブ演出など、プログラマー経験があるというところを強みとして、他の人とはちょっと違うような表現に挑戦しています。最近はコードでビジュアルをつくれるということで、Houdiniをよく使います。

  • go | haquxx
    プログラマー、テクニカルディレクター、ヴィジュアルアーティスト
    Psychic VR Lab所属。2014年、人間の能力拡張をテーマにファウンダーの一人としてPsychic VR Labを立ち上げ、VRのコンテンツ制作を開始。programmingやCGを用いたリアルタイムな表現を中心に制作活動を行う。個人ではhaquxx名義でライブ演出やミュージックビデオの制作など、音楽を通した体験の拡張をテーマに活動。

CGWORLD(以下、CGW):効率的なワークフローでリッチな表現ができるプロシージャル手法がトレンドですが、Houdiniはどういった経緯でお使いになられているのですか?

GO氏:リッチな表現という意味では、以前に使っていたCinema4Dなども非常に良かったと思います。ただ、どうしてもプログラマー思考になってしまって、例えば上から下に処理するフローや、非破壊で何かしてもすぐ戻れるとか、単一の機能を変えて他のアウトプットが変わるとか、そういった部分でHoudiniのワークフローがハマったという感じです。以降は映像制作や、Unityを使ったライブ演出・展示などに使っています。

CGWORLD(以下、CGW):今回の検証でもHoudiniを使って頂きました。他のツールについてもご紹介頂けますか?

GO氏:VRもそうですが、新しい技術のトレンドに乗るのが好きなので、数年前からフォトグラメトリも趣味でやっています。「3DF Zephyr」というツールです。一眼レフ(SONY α7)を使って写真を撮影し、様々なプロセスを踏んで最終的にはテクスチャ付きのメッシュデータが出力されるというものです。最近だと「ウェアハウス川崎店 電脳九龍城」のフォトグラメトリを撮影させて頂いて、それがSNSで138万回再生されたんです。プロジェクトでもご一緒している篠田監督も、「現実を取り込んだデジタル空間上で自由にカメラワークが付けられる」というところに着目されていて、Twitterがきっかけで声を掛けて頂きました。

CGWORLD(以下、CGW):ありがとうございます。さっそく検証結果のお話に入りたいと思いますが、今回のPCのスペックのファーストインプレッションはいかがでしょうか。

GO氏:実は私が個人で使用しているPCは、昨年10月にかなり気合いを入れて総入れ替えをしたんです。Intel Core i9-10900K,RTX3080,メモリ64GB,ストレージ SSD 1TB + HDD 2TBで、仕事道具ということでかなり気合いが入っています!一方、今回の検証機はIntel Core i7-11700K,RTX3060,メモリ32GBということで、個人使用のものより少しスペックが抑えられたモデルになっています。とは言っても、それ以前のPCと比べれば非常に高いスペックですし、私のように最高のスペックというところにこだわりがないのであれば、非常にバランスが良い構成だと感じています。

CGWORLD(以下、CGW):筐体を含めた印象などはいかがでしょうか。

GO氏:好みでした。届いた瞬間、かっこいい!と思って写真を撮りました。クリアなサイドパネルが魅力なのと、最近の流行りなのかベゼルのない真四角なデザインで、変に光っているパーツもありません。好印象でしたね。

CGWORLD(以下、CGW):普段PCを買うときに重視するパーツはありますか?

GO氏:ソフトウェアによって必要スペックが異なるので一概には言えませんが、例えばフォトグラメトリであればメモリを大きく使用します。Unityはリアルタイムのため描画の際にはGPU負荷が大きいですし、ロジカルな処理を多く用いればCPU負荷も掛かります。Houdiniは...全部ですね。シミュレーション系をやるなら、まずはメモリを優先しますし、CPUも重要になります。

CGWORLD(以下、CGW):その時々で最高のスペックのものを、という意識でいるのでしょうか。

GO氏:そうですね。たとえ1か月もやし生活になろうとも、PCだけは最高のものを買うようにしています。他の部分を削ってもここは削れない、という部分です。パーツも隅々まで指定します。その意味では、今回のSEVENさんのように、ケースもパーツも本当に自由に選べるメーカーはとてもありがたいと思っています。

CGWORLD(以下、CGW):ありがとうございます。今回の検証内容について教えてください。

GO氏:3DF Zephyrで部屋のフォトグラメトリをして、Houdiniで賑やかしのプロップスを制作して、Unityでレンダリング、という流れで映像を制作してみました。作品のテーマは、部屋を宇宙にしたら面白いかなと思い、そこから宇宙飛行士やデブリなどが生まれたようなかたちです。まずはフォトグラメトリですが、349枚を撮影しています。他のプロジェクトだと1000枚以上撮影する場合も多いので、それに比べると枚数は少ない方ですが部屋のような空間でも350枚程度あれば問題ないですし、箪笥やサッカーボールなどのプロップについても350もあれば全然充分です。ベンチマークとしては、このくらい動けばゲーム会社用のハイポリモデルなどを求められない限り全く問題なく作れるでしょう、と思っています。

3DF Zephyrの作業画面

3DF Zephyr使用中のタスクマネージャ。左がSEVEN PC、右がGO氏所有のPC

CGWORLD(以下、CGW):3DF ZephyrはCPUベースのソフトウェアでしょうか。

GO氏:もちろん、CPU単体というわけではありません。「SparsePointCloud」では、画像を読み込んだあとに特徴点検出と呼ばれる画像解析の一種を行います。この処理に関してはメモリが重要になります。ここは私のマシンが3:54、検証機が4:13でした。また、画像解析は演算の集合なのでCPUベースです。その後の工程に関してはGPUもメモリも使いつつで、満遍なくスペックが使われますが、すべての工程をトータルすると50:03と58:02という差になりました。

3DF Zephyrでのベンチマーク結果。左がSEVEN PC、右がGO氏所有のPC

CGWORLD(以下、CGW):価格差を前提に考えると、いずれも購入時の選択肢に入るような印象ですね。

GO氏:というか、私のマシンは価格程の良さが出ていない印象ですね。枚数がもっと増えればメモリとCPUの差でもう少し時間差が出るかも知れませんが、いずれのPCでも失敗しなかった、PCが落ちることもなかったので、過不足なく充分なスペックであることが言えると思います。

CGWORLD(以下、CGW):Houdiniに関してはいかがでしょうか。

GO氏:Houdiniは今回、プロップ制作に用いました。Houdiniは今回のように、石や植物の葉っぱなど、ランダム性の中に規則性があるような対象に有効です。今回のデブリは、すごく大きなノイズで大枠を作り、さらに小さなノイズで模様と凸凹感を表現します。エッジに近いほど色を濃くするためにグラデーションのマップも作りました。ノイズのパラメータのオフセットを変えてあげるだけで、また違う形状になります。ほぼ無限にパターンがつくれるので、ポリゴンモデリングよりも楽だと個人的には思っています。今回はレンダリングをしていないので大きな差は出ませんでしたが、デブリ自体はそれなりのハイポリ仕様になっています。昔のPCだとviewポートでカクカクになったりすることもありましたが、今回使った2台ではヌルヌル動作していました。

Houdiniの作業画面

CGWORLD(以下、CGW):レンダリング工程を経ていないため数値的な差は出ていないものの、体感上はほぼ遜色なく使えたという印象でしょうか。

GO氏:そうですね。こういったデータづくりであればまったく問題なく動いています。例えば、ゴリゴリの映像制作で巨大なシーンをつくってライティングして、それを連番で4Kで何フレームも書き出す、などになると差が出るかも知れませんが、そういったレベルですね。

CGWORLD(以下、CGW):最後に、これらをUnityにインポートし映像制作を行っていると思いますが、この工程について教えてください。

GO氏:制作したアセット類をUnityに読み込んで、シーンをつくっています。映像だと何が飛んでいるか分かりづらいですが、実際には石が2つと空き缶です。空き缶もフォトグラメトリでつくっていて、頂点数がかなり多いです。頂点数が多ければ多いほどリアルタイムレンダリング負荷が高いので、今回はあえて検証ということで高負荷なモデルを用意しました。左側がエディタ、右側がレンダリング画像ですが、今回はハイポリづくしだったので背景の家も小物もハイポリです。あとはそこにfogを足したりして、見通しや遠近感、宇宙感を出しています。宇宙飛行士だけは購入したモデルですが、これはスケール感の対比用にメインキャラとして用意したものです。

Unityの作業画面

検証シーン

CGWORLD(以下、CGW):タスクマネージャーを見ると、GPU使用率が非常に高いですね。

GO氏:貼り付いていますね。Unityはここが大きいです。映像をつくるにせよ、VRコンテンツにせよ、リアルタイムでで動くインスタレーションをつくるにせよ、GPU負荷が真っ先に来ます。端末のスペックによって何fps出るかがプリレンダーとの違いだと思います。プリレンダーは20fpsなら20fps、30fpsなら30fpsと決め打ちで、時間を掛けて出力しますが、Unityは「30fps出して」と言われたら気合いで出すしかないんですよ。GPUが全力で頑張ってくれているから出せている、という感じで。ここがGPU性能が求められる理由ですね。

CGWORLD(以下、CGW):プロファイラを確認すると、スペック以上に差があるような感覚もあります。

GO氏:ここはGPU性能差です。私のPCだと37.7fps出ていますが、検証機だと18.0fpsです。ただ、今回はリダクションをまったくしていないハイポリモデルばかりを使っているので、工夫をすれば検証機でも30fps以上は出るはずです。VRな