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世界的なコロナの影響を受けてリモートワークへの早急な対応を各社が試行錯誤する中、あらゆるCGコンテンツに携わり、250名規模の従業員を擁するデジタル・フロンティアでは安定的でセキュアなリモートデスクトップ環境として「TGX」を採用し、運用している。導入メリットや使用感などTGXの真価について、システム構築の中核メンバーに話を聞いた。

TEXT_神山大輝 / Daiki Kamiyama(NINE GATES STUDIO)

INFORMATION

Lenovo×ASK リモートワークステーションソリューション TGXオンラインセミナー開催のお知らせ
日時 2020年 6月18日(木)14:00~15:00(Zoom開場13:45)
会場 Zoom(オンライン)
参加費 無料
定員 最大100名

詳細は<<<こちら>>>

250名のリモートワークを可能にした「TGX」の実力

数多くの企業がリモートワークへの移行を迫られる中、日本有数の3DCG制作会社デジタル・フロンティアでは4月7日(火)より全社員がリモート環境で制作を開始している。デジタル・フロンティアは、子育てや介護など個々の社員の事情を鑑みて、2020年2月下旬からリモートワークの環境整備のテストを開始。当初は各個人の回線環境を強化した上で、ゼロクライアントを用いたハードウェアベースのリモート環境を検討していたが、回線工事の見通しが立たないことから断念。この代替としてソフトウェアベースのリモートデスクトップ環境の調査・検証を開始し、3月下旬に「TGX」に辿り着いたという。

リモートワーク中のデジタル・フロンティアオフィス風景

「3月26日(木)からTGXをベースに、1日5~6人のペースでリモート環境の構築を進めていきました。これはいざというときのための準備でしたが、4月6日(月)に緊急事態宣言が発令予告されたことを受けて、急遽7日より全員に適用となりました。6日の時点では100人以上が未接続だったため、半数以上の社員は実質1日で移行したかたちになります」(舟橋 俊氏、以下、舟橋氏)。

  • 企画製作本部 CG制作部 プロダクションマネジメント室 室長
    舟橋 俊氏

TGXとは、国内ではレノボ・ジャパンが販売代理店となる、高いセキュリティと低い帯域使用量を兼ね揃えたリモートデスクトップソリューション。ソフトウェアのインストールのみで準備が完了するため、レスポンスの速いリモートデスクトップ環境の構築が容易に可能で、ネットワークの帯域に関しても「フルHDの1画面を転送するのにわずか6~10Mbps程度で済む」というのが大きな強みだ。同社のように250名以上の従業員規模の場合、社内ネットワークのトラフィックから逆算した個々人の帯域幅は限られるため、TGXの低負荷と高い安定性は非常に役に立ったとのこと。「センダーにはLenovo ThinkStation P720などのワークステーションを用いており、レシーバーは各個人の私用PCを用いてVPN接続しています。Windows 10のリモートデスクトップよりもレスポンスが良く、画面を送っているだけという関係上、起動しないソフトウェアもありません」(倉地忠彦氏)。

  • 管理部 システム室 室長
    倉地 忠彦氏

センダーとなるPCは、デジタル・フロンティアに昨年100台ほど導入された Lenovo ThinkStation P720(Intel Xeon Silver 4114プロセッサ、メモリ64GB、GeForce RTX 2080 Ti搭載機種※)などであり、シングルディスプレイをストリーミングしながら3DCGの実作業を行うには十分なスペックとなる。レシーバー側の端末はまちまちだが、クライアントによっては「私物PCの使用は禁止」といったガイドラインが設定されているため、各社の規定をきちんとクリアした対応を行なっている。

※株式会社アスク オリジナルカスタマイズモデル

セキュリティの重要性とリモートワークのこれから

コンテンツ制作を行う企業にとって、リモートワークにおけるセキュリティは非常にセンシティブであり重要なファクターだ。TGXはセキュリティ面も優れており、これが同社への導入の決め手のひとつになっていたという。企業にとって最も恐れるべきはローカル環境へのデータの持ち出しだが、TGXはシステムとしてこれを不可としているほか、文字列や画像データのコピー&ペーストを設定で禁止することもできることから、完全に「センダーをリモートで動かす」以外の要因を排除できている。「他のツールであれば自宅にデータ転送できてしまいますが、TGXはそのような機能がありません。あくまで画面を見るのみであるため、セキュリティ的には非常に安全と言えると思います」(森田 誠氏)。同社ではチャットツールにもオープンソースのRocket.Chatを用いており、社内サーバで運用を行なっているため、原則として社内LAN以外に情報が存在することはないという。

  • 管理部 システム室
    森田 誠氏

一方で、リモートワーク特有の課題もある。想像がしやすいのは、全員が同じ色味の大きなディスプレイで作品をチェックをすることができないということ。クライアントのレビューも同様で、基本的な使用では全く問題ないが、たとえばリップシンクの関係でフェイシャルの作業など、音ズレにシビアな一部のユーザーについてはリモートが難しい場合もあるという。同社では平常時と比較して「平均で80%以上稼働できている」という報告も上がっているが、各セクションの効率化にはバラツキがあることが今後の課題となっている。

ただ、舟橋氏は、今後事態が収束したあともリモートワーク推奨の動きは進行するだろうと予見している。各個人のネットワーク環境に極力依存しない低帯域かつレスポンスの良いリモートデスクトップ環境の構築と、ローカル環境やクラウドにデータをいっさい残さないセキュリティの両立を可能とするTGXのニーズは今後さらに高まっていくはずだ。

About TGX

TGXはMechdyne社が開発するリモートデスクトップソリューションで、国内ではレノボ・ジャパンが販売代理店となる。GPUを用いてエンコードを行うことで、CPUベースの他社製品よりも効率的にストリーミングを圧縮できており、6~10Mbpsという低帯域でも安定して動作可能である点が特徴。4K解像度@60Hzをサポートし、最大で4K×4画面まで対応するほか、レシーバー側のUSBインターフェイスを認識し、液晶タブレットの筆圧なども検知可能となっている。一般的なリモートデスクトップとは異なり、コピー&ペーストの可否などのセキュリティ設定が可能で、レシーバー(ローカル環境)にデータを移行できないという点がセキュリティ的にも優れている。

Sender
TGXはセンダー、レシーバーそれぞれにソフトウェアをインストールすることで設定が完了する。センダーとはストリーミングを送信するマシンのことで、デジタル・フロンティアにおいては普段開発に使用されている「Lenovo ThinkStation P720」などのワークステーションを指す。要求スペックはIntel CoreもしくはXeonプロセッサ、メモリ8GB、NVIDIA Quadro P1000以上となっており、OSはWindows 10とLinuxに対応する。なお、ヘッドレスモード(センダー側にディスプレイを接続せずにストリーミングの送信が可能になるしくみ)に対応するのはQuadroのみで、GeForceは未対応のため、用途に応じてGPUを選択する必要がある。

Receiver
レシーバーはストリーミングの受信側のことであり、要求スペックは第7世代Intel Core i5、メモリ8GB、Intel内蔵グラフィックスとなる。レスポンスの良さはインターネット通信速度に依存するが、他社製品と比べて低帯域で通信可能なため安定性は高い。ハイスペックな端末でなくとも通信可能だが、4K複数画面などに対応する場合はNVIDIA Quadro P1000以上のGPU搭載機種が望ましい。なお、一部の制限があるものの、レシーバー側はWindows 10、LinuxだけでなくmacOSでも動作可能とのことだ。

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※数量限定のため、予告なく終了となる可能性あり
※お問い合わせは株式会社アスクまで

Lenovo×ASK リモートワークステーションソリューション TGXオンラインセミナー開催のお知らせ
日時 2020年 6月18日(木)14:00~15:00(Zoom開場13:45)
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問い合わせ先

株式会社アスク
〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル11F
エンタープライズ営業部 営業担当: 大竹
satoru.otake@ask-corp.co.jp

TEL 03-5215-5654
URL www.ask-corp.jp/